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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
大会トーナメント 中編
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サザールダンジョン

サザールダンジョン


その昔10頭の竜族とその下僕である竜人族達がこの星に神の力で転移して来た、それは今から1万年以上昔の事。

この星に住んでいた原住民である人族は戦いに明け暮れ、人族の暮らしは常に弱肉強食の中で営まれていた時代。

神はいくつかの理由でこの星に少しテコ入れをすることにした。

別に人族の戦いに介入という事ではない、いつまでも争いが絶えないこの星に秩序を与える為なのか、いくつかの計画を実行に写すことにした。

当初、行うはずだった計画は神による人種と竜種の共同生活計画、別名WINWINだよね~計画だ、どこかの星から絶滅しそうな生物を他の星に移住させ共存させる。

その後はその生物を使って町や国を統治させる、上下の関係を作って国を作るにはちょうど良い種族。

だがそれも最初の頃だけ、最強の生き物が何時か最恐の物となり弱い生き物は彼らに恐怖心を抱くようになってくる。

最初は敬われていた竜種だったが、時が経つと恐れは徐々に恐怖となり、ちょっとしたことで民族の反乱が勃発するようになる。

本来ならばそのまま竜族に統治させておくことができればよかったのだが、それは敵わぬ夢だった、邪神が神の計画に対し妨害を始めたからだ。

せっかくこの星の生き物と他の星の種族が交わって行くようにしむけたのだが。

邪神に邪魔された為、10頭の竜種はその能力がゆえに隠さなければならなくなってしまった、そこで最強生物である竜種を生きながらに伝説とするため聖女と言う位とダンジョンシステム計画を新たに立ち上げた。

10か所のダンジョンそれぞれに10頭の竜種をダンジョンコアとして利用する。

それが残酷な事かどうかはそれぞれの竜たちの考えにもよるが。

元々何千年と生きる彼らはこの世界の営みにも飽きていたこともあり、聖女の助けを借りて全員がダンジョンコアとしての生活を了承することになった。


聖女の発現は彼らを退治するのではなく宗教としての役割を担う為、形としては竜を退治するのが聖女というように人族へ認識させるのが重要と考えた。

聖女が被災した各地を回り竜族を説き伏せる、その仲間には転生者ダンジョンクリエイターを添えて、ダンジョンコアとして最強の竜種を利用することなど、神にしか思い浮かばない計画ではないだろうか。

竜退治=ダンジョン作成

伝承には聖女が竜を退治して国を治めたとある、さらに宗教を利用して人族の生活基盤を正しい物へと導いていくと言う2本立ての作戦。

かくして竜たちは死なず竜族は魔族に溶け込み子孫も残すことができて、ダンジョンのコアになり余生を全うすることができた。

こうして何とか人族と魔族は今までそう大きな戦いへ発展しないでうまく繁栄してきたのだが。

それもこの時代で終わりなのかもしれない、またしても邪神が神の計画を邪魔し始めた。

邪神であっても神が行う計画の流れを変える事はほぼできない、いきなり生物を全滅させるとか物理的化学的な物事を全て捻じ曲げる事はできないのだ。

だからと言って邪神のする事を放っておけるのかと言うとそれは難しい、神の計画を100%に近いものにするにはやはり手助けをする者が必要となるのだ。

それが無ければ当初の計画通り物事が進む事は無くなるだろう。

へたをすれば数千人規模の死人が出てしまったりする、それは神の計画として捨て置けない事柄らしい。

今回マーシャはそう言った邪神の計画を防いでほしいと天使に頼まれてしまったのだが、はたしてそれがどの程度の災厄なのかまでは分からない。


サザールダンジョンはAクラスではあるが攻略が難しいと言うだけで中がどうなっているのかはまだ誰も知らないのだ、もしかしたらマーシャの手により初めてサザールダンジョンの内部が公開されるかもしれない。

海の近くだと言う事だが、今までこのダンジョンに挑戦した魔族は他のダンジョンと同じ装備で挑戦して来た。

それは通常の武具や魔法具だった、これが実は大きな間違い。

洞窟の奥は海の中でもあるので、このダンジョンの攻略にはそれ用の装備や魔法が必要だったりする。

海にも魔族は住んでいる海洋魔族とも呼ばれている、彼らは殆ど海の中で暮らす海獣族や魚人族達、彼らは魔王国とは違う国家を形成している。

サザールダンジョンの入口は魔王国のテリトリーだが、地下に当たる部分は海洋魔族達の縄張りなのだ。

今回そのダンジョンにマーシャは挑むことになってしまった、その罠は簡単な物だが人質を取られたことによりグラッダの計略にまんまと嵌ることになる。


果たしてマーシャはこの罠を見事破って帰還することができるのだろうか。


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