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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
第1章 王立アカデミー編
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初等科卒業

初等科卒業


後2か月でマーシャたちも付属学院初等科を卒業となり、今日はオリエンテーリングの日。

卒業前の課外授業、それは遠足のようなもの。

クラスごとに固まって学院のあるアルム市から20k東へ行くとリンドの森がありその周辺が小高い丘になっている。

そこからの景色は結構有名で、アルム市全域を見渡すことができる、そして課外授業の一つ地図の見方と距離の計算、時速や時間などの関係を学ぶという。


「はーい皆さん俊足の魔法はかけましたか~」

「はーい」

「まだの人はお友達に手伝ってもらってくださーい」

「準備ができたら出発しまーす」


俊足の魔法は数種類あるが子供のうちに使用できるのは重量変化魔法による負荷軽減に近い。

この魔法は強ければ空を飛ぶことになるが弱めにかけることにより足にかける負担を少なくし、走行スピードを上げるものだ。

無属性魔法だが、事前に先生が生徒全員にブースト(魔力補助)をかけてあるため10歳児なら使える範囲内の魔法だ。

一応体重は半減までとされているので歩く時速は倍ぐらいということ。

20kの道のりを2時間以内で到着するという計算だ。


「どう大丈夫そう?」

「初めてなので少し慣れが必要かも」

「まあ走らされるわけじゃないからまだましかもね」

「そうじゃな、妾はいちいち魔法はかけないがな」

「えっ!マーシャちゃん俊足魔法掛けないの?」

「かけぬぞ、修行にならないからな」


マーシャには魔法をかけなくてもパッシブスキルの俊足が常時発動しており魔法をかけるとさらに軽くなるため、体が浮く可能性がある。

まあマーシャのスキルは魔法とは違うので、足の動きが数倍増すというスキル。

意思を強く出せばその強さで速さが変わるという優れもののスキル。

走れば最高100kは出るが使用するときは注意を要する、出したスピードは必ず止めなければならない。

車やバイクならブレーキがあるがその負担もやはり足にかかる、そう足の筋力増強魔法や防御魔法を何重にもかけておかなければ、そういう使い方をするのは難しい。

単純に一言でいえばマーシャの足はアシスト付きの自転車に近い、だから彼女は逆に重くなる魔法をかけていたりする。

相手の剣圧をいなせるのもわざと体重を重くしているからだ。


「姫様は何でも修行だな」

「おぬしもやった方が良いぞ」

「なんで?」

「妾に勝ちたくはないのか?」

「そりゃ勝ちたいが・・」


ロン(ロンディア)は賭けに負け1年間メイド(従者)としてマーシャに使われてきたがその間4回ほど再戦を挑んでいる。

当然4回とも負けたのだが、彼らは特に男の子は負けたからといって過度な訓練はしていないようだった。

男のプライドとか言っていたが、負けたのがくやしいならばさらなる訓練が必要だと思うが。

マーシャ(女)に負けてもさほど悔しいとは思わなくなってきている。

影で何か言われたのかもしれないが、たぶん子供のためそれほどの後悔はないのかもしれない。

まあロンを奴隷まで下げた扱いをすればまた違うのだろうけど、最近はマーシャに顎で使われるのも慣れてきていて。

素直に従い始めたので剣技の訓練を促進させるための効果は薄いようだ。

まあそれもあと2か月だとは思うが、マーシャはたぶんアカデミーへ上がれば3段階か5段階上の学年へ飛び級する可能性がある。

すでに副校長からも打診があり。


(マーシャ様を普通にクラス分けするには問題が多すぎます、すでに10歳は飛び級してもいいぐらい文武両道優れているし、品行もよろしいようです。マーシャ様さえ良ければ13歳いいえ15歳クラスに上がってもらってもいいのだけれど、もちろんマーシャ様が反対するならこのまま11歳クラスに入学していただけますが、どういたしますか?)


この話はすでに決めてある、早く卒業して冒険者になるそれが私の目標であり仕事を早く済ませる最短ライン。

15歳どころか18歳でも構わないのだけれど、それ以上となると今度は上級生が許さないだろう。

出る杭は打たれるがごとし、15歳クラスに編入しそこで実力を示す、さすればその次の歳は最後のクラスへの飛び級をすることになるだろう、なのであと2年で卒業できれば予定通りという筋書きだ。

1時間と50分が過ぎ小高い丘が見えてきた10歳クラスは全部で3クラス1組が34人2組が32人3組が35人、今回オリエンテーリングに参加したのは101人。

その中には姉のアリシアそして兄であるリカルドも参加している。


「はーいこの場所が今回皆さんの勉強の場所になります」

「わーきれいー」


丘の上からはアルムの街が端の方まで見える、背後にはリンドの森がありそこから先には高い山脈が見て取れる。


「各組単位でここから町までの時間と距離を計算してください」

「地図をちゃんと見るようにしてくださいね」


地図の見方も勉強する、この学院に通っているのは貴族の子弟がほとんど、卒業すれば稼業を継ぐ者もいれば様々な職業に就くことになるのだが。

ほとんどは上級職となるため管理職として一番多いのが畑や果樹園そして領地の運営。

全て地図が関係してくる、生産高や畑の広さその計算すべて勉強しなければいけないと言うことなのだ。


「マーシャちゃん答えでた?」

「うぬこのぐらいは簡単じゃ」

「まじか~」

「なんじゃおぬしは剣だけでなく頭もだめか?」

「う うるせー」


いつの間にかロンの傍らに寄りパリ(パリエス)が計算方法を教えている。

まあ計算は距離や地図に書かれた縮尺を計算式に当てはめれば難しいことはなく、周りを見ても8割がたがすでに答えを書き出し、暇そうにあたりを歩き回っている。

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