休憩時間
休憩時間
同時に3か所で行われる試合、その中でもかなり興奮するのがペアの試合だ、
チームマーシャから出場している3組、そしてアマンダとフォルダンのペアは第2試合も順当に勝ちあがる。
そして昼休みの時間がやって来た。
【ご来城の皆様第2回戦が終わりこれより休憩時間となります、第3回戦まで2時間の準備時間となります】
司会のアナウンスによって正午から2時まで休憩のお知らせが入る、第3回戦の試合は各6試合となり試合時間は早ければ1時間で終わる予定だ。
「マーシャ、話があるのですけど」アマンダ
「どうしました?」
「…えーと」
「魔法具の貸し出しでしょうか?」
「そ そうなんだけど」
「フォルダン殿の?」
「よくわかるわね」
「なんとなく試合運びを見ていれば分かりますので」
ペアの試合、彼らの戦い方は2回戦を見ていて、1回戦と同じ事は見てわかる。
だが、2回戦は貴族の冒険者だったために相手の前衛はかなり防御が厚く、フォルダンの大剣でぶちかましたのに、思ったように試合を運ぶことが出来なかった。
第三試合の組み合わせは既に知っているが、その相手は王都の冒険者になっている。
もしかしたら結構いい試合を見せてくれると思われるのだが…
「スピードは良いとして防御もしくはアタックのアシストですか?」
フォルダンはスピードを生かし開始の合図で1秒もせずに敵前衛にとびかかっている。
これではアシスト魔法をかけるのが間に合わない、アマンダも殆ど無詠唱でアシスト魔法をかける事ができるが。1秒で掛けられるアシスト魔法が一つぐらいだと言って良い。
ならばもう一つアシスト魔法が有れば楽に試合を運べると思って当たり前。
だがアマンダが魔法具を装着しても詠唱が早くなるか魔力を上げるぐらいにとどまるので、できればフォルダンにもう一つ魔法具を持たせて戦いを少しでも有利にしたいと思うのは当たり前。
「ちゃんとお金は払うわ、何か良い魔法具は無いかしら?」
一応規定では大会途中であろうとも所持品に変化が有っても反則ではない、基本的にこの時代のこの国は財力が全てと言っても過言ではない。
魔法力や武力だけでは限界があるからだ、要するにお貴族様が一般人より有利なのは当たり前。
「そうなると後はペンダントぐらいでしょうか?」
フォルダンは現在指輪と腕輪は装着済みであり、彼の性格上あまり装飾品は嫌うと思うが服飾品だと今から合わせるには時間がない。
靴やジャケットも一応アシスト付きの高級品を纏っており、残るのは胸元を飾るネックレスぐらい。
「これなどはどうでしょう」
インベントリーから取り出したのは戦士の首飾り、守りと攻撃にバフが付く。
※戦士の首飾りR、防御+30アタック+40・精神+20、攻撃によるデバフを半減する。
「マーシャありがとうお金は後で払うわ」
そう言うと首飾りを手にフォルダンの後を追う。
「姫様、よろしいので?」
「今更底上げしてもあまり変化はないじゃろうけどな」
それでもペアを組んだアマンダからしてみれば各種のアシストが付くことでフォルダンの攻撃に対して欠点だったアシスト魔法を慌ててかける事も無くなる。
一番良いのは無詠唱で各種魔法を戦闘前に掛ける事なのだが、アマンダは用意ドンで魔法をかけることに何故だかこだわっているのと。
無詠唱で魔法をかけることに忌避感があるらしい、マーシャも同様だが。
この世界の魔法は完全詠唱型と言って良い、どの魔法師も必ず詠唱しているのと上級になってようやく短縮詠唱を使えるようになるぐらいだ。
マーシャやアマンダのように無詠唱で魔法を使えるのは他にはダーラぐらいのものだ。




