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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
大会トーナメント 前編
243/461

グラッダの作戦

グラッダの作戦


№1であるハンクル魔公爵が留守の間、城の管理を任されていたグラッダ。

逃げ込んだのは魔王国北部山岳地からかなり遠い東部アズール地区マゲドの町、この地にはガガリンコーパス魔公爵の部下であるホルン魔男爵の領地がある。


「何かあったか?」

「王国の小娘にやられた…」

「もしかして例の第三王女とかいう小娘か?」

「くそ!」

「とにかくここでは話せん」

「ああ」


通されたのは応接間、グラッダはベノム城から一番遠いアズール地区にある、マゲドの町の領主であるホルン魔男爵の転移魔法陣へと逃げてきていた。

ホルン男爵は大柄な牛鬼獣人の魔族、昨年の作戦ではガガリン魔将軍の部下であり、昨年もくつわを並べて作戦に参加した友人である。

グラッダは今回の事をこの友人に全て話すことはできないのだが、このまま何もせずにいれば結局は自分の失態が全て公になってしまう。

その前にできれば憎い王国の第三王女を無きものにしなければ、自分の立場どころかもしかしたら真祖が復活した後、次の封印式で責任を取らされ封印か、もしくは殺されてしまうだろう。

不死に限りなく近い者であってもすべての生気を魂ごと吸われては生きて行くことなどできなくなる。


「それでどうするのだ?」

「…罠を張る、力を貸してくれ」


グラッダの次の作戦はダンジョンを利用してマーシャを罠にかけてしまおうと言う物。

だがそのような罠を張ることのできるダンジョンがあったとして、そこへうまく誘い込むことができるのだろうか。

しかもAクラスのダンジョンの一つは自分の上司ハンクルがこもっているバハムートダンジョン。

そうなるともう一つのダンジョンにしか罠を張ることはできそうもない、それともBクラスのダンジョンに的を絞るか?だがBクラスダンジョンは現在魔王国内での攻略が進められており。

罠を張ると他の魔族達に自分の失態がばれる可能性もある。


「サザールダンジョンか?」

「あああそこなら1階に罠を張れば殺すことはできなくとも永久封印できる」


サザールダンジョンは魔王国の北東部地区、ここから北へ300kほど離れた土地にある、そこは海に近く海底洞窟と言っても良い。


「だが確実に死ぬのかはわからんぞ」

「いやそれでもいい、あの小娘がこの世から姿を消した後に噂を流せばいい」

「おぬしが屠ったと?」

「ああ、そうなればまた我ら魔族の士気も上がる」

「確かに、それは良いかもしれぬ」

「それには奴の仲間を人質にとる必要がある」

「また王国に潜入するのか?」

「いやそれよりも楽に人質に取れるやつがいる」

「それは?」


マーシャの友人、今では10人以上いる。

それぞれが魔族と同等かそれよりも上の戦闘力を持つぐらいまで育っている。

だがそれゆえに魔族よりも精神的にまだ甘い子供達ともいえる。

いくら力は魔族より上になっていたとしても、狡猾な駆け引きやいかに人を騙すかという部分ではどう考えても100%対応できるかと言うと、難しいと答えざるをえない。

マーシャが殆ど陰に隠れて事前に事件を解決することで、友人たちの危機回避能力はそれほど上がっていないと言える。


「それではこれから言う物を集めてくれ」


グラッダの作戦は2つに分けられる一つは人質となる人物の捕獲、もう一つは人質を使って呼び出すダンジョンに仕掛ける罠。

実はサザールダンジョンは罠ダンジョンと言って良い、1階層にはどこに飛ぶかわからない罠が張り巡らされており、これまでに挑戦した魔族で今までに無事帰還した者がいない。

魔王国のダンジョンで挑戦者が被害にあったダンジョンは無いと言って良いのだが、このダンジョンだけは帰還者の全てが記憶喪失になると言う、何処まで攻略したのか分からない謎のダンジョンなのだ。



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