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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
大会トーナメント 前編
242/461

治療室

治療室


既に部下は全員捉えられ、人質も全員解放されている、人質の半分近くは王都の郊外にある倉庫に閉じ込められていた。

残った人質は契約していたホテルや宿屋に数人、見張りもそれほど多くなかったため。

本戦トーナメント開始とともに各将軍の指示の元、人質解放作戦を決行した。

多くは本戦出場の魔族と人質とをどう引きはがすかが問題だったが、調査の結果ほとんどの魔族が会場での作戦に回っていたため。

試合開始と同時に人質解放作戦を開始することになった、もちろん最初に行動するのはマーシャであり。

会場に潜伏している魔族もマーシャがマーキングしたおかげで、仕掛けられた自爆魔方陣や召喚魔法陣をいち早く無効化することができた。


「それで、おぬしは捨て駒として使われたと言う形の様じゃな」

「捨て駒? なのか…」

「普通潜入作戦と言うのは、ある程度のリスクと共に情報を持ち帰ると言う作戦のはずじゃが?」

「我々が受けた作戦は…最後は王族の暗殺…」

「それならば最初にカギになる妾を一番先に粛清するのが当たり前だと思うが、ついでと言うのではあまりにも考えのない作戦じゃな」

「いや こんなことはあり得ない!」

「甘く見過ぎじゃ」

「おぬしも魔王国ではハンクルとカイル王子が話し合いで手を打ったと聞いておるのじゃろう」

「…ちがうのか」

「決定を下したのはその二人じゃが、その前にハンクルを打ち負かしたのは妾じゃ」

「な!」

「それに宰相と王妃を無効化したのも妾じゃが、そこも聞いておらぬか?」

「われらの地位ではそこまでの情報は入っていない、それに我々は昨年の作戦は参加していない」

「そうか、ならばおぬしはロディトル魔将軍の元へ行き本当の事を伝える役割を担ってもらう必要がありそうじゃ」

「はぁ?」

「姫様、それはまずいのでは?」

「魔王から直接言うよりはよかろう、立場のある者には体裁と言うやつが付き纏うからな」


大会開催中に魔王国へ帰すことはできないが、その後ならば条件付きでロディトル魔将軍の元へと送り返す事はできなくもない。

今の所、双方に数名の怪我人(死者は0)は出たが、時間を掛ければ精神魔法の傷も癒すことができる。

魔族側に至っては怪我などすでに魔法で完治しており、後は魔王国のロディトル魔将軍との交渉次第だ。

マーシャが魔王を通して事の次第を伝える形になるとロディトル魔将軍は単独の作戦失敗という責任を取らされることになる。

そうなるとさらに魔王国は揺れてしまい他の魔将軍が勢力を伸ばそうと内戦覚悟で動き出す可能性もある。

一応、ハンクル魔将軍は動くことが無いとみて良いが№2のグラッダは今も仕返しの作戦を考えている最中だろう。

そうなると後2人の魔将軍の動向が気になって来る。


「大会が終わったら全て片を付けに行く、それまでは牢屋でおとなしくしておれ」

「く 殺せ!」

「ギャーギャー」


一応ジャベリン魔伯爵の自由は通常の奴隷化魔法で奪ってある、マーシャの下僕にしても良かったのだが。

そうすると真実が伝わらない、上司であるロディトル魔将軍は昨年の事件の話を嘘だと思っている節がある。

もし従者化や奴隷化して送り返すと嘘を植え込まれていると思ってしまい、真実の話でも信じる事はないだろう。

何処の世界にも自分の目で見た事以外は信じない奴はいる、疑り深いと言うか他人は全員嘘つきだと常に思っている奴がいる。

確かにその方が後悔しないとは思うが、ならば直接自分で確かめに来れば良いと思うのだが。

魔王国の将軍と言う地位が重くのしかかるのか、魔公爵クラスになると自ら確かめに来るやつなどいないのかもしれない。


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