勘違いでは済まない
勘違いでは済まない
そこは場外ではあるが試合を待つ間、控え室にずっといなければならないと言う規定はない。
時間までに現れない場合は不戦勝になるだけ、それは最初に教えられているので問題はない。
数分であれば問題なく終わる事だろう。
大会会場から歩く事数分、やってきたのは会場からそう離れていない練習場、そこに来る時警備には少し外の空気を吸いに出ると告げて来た。
変身魔族、その数は全部で7人 5人が男性2人が女性、但しそれは見せかけである、もしかしたら外見は男でも中身は女性かもしれない。
「それでお前の飼い主は何処にいるんだ?」
「おぬしら知らんのか?」
「何のことだ?」
「我が主はこの大会の審査委員長様じゃ」
「??あの小娘がか?」
「まあ良い、それでどうするのじゃ?」
「お前は人質になってもらう」
「どうやってじゃ?」
既にダーラにはマーシャから告げられている、もしよからぬことを考えている者がいれば懲らしめて構わぬと。
一応魔力も運動力も半減する魔法具を付けているダーラ、それゆえ変身魔族達にはダーラの力が自分達より劣るようにしか見えていない。
彼らの魔法ではダーラの粉飾魔法を見破る力は無かった。
「こうやってだよ!」
いきなりダーラに覆いかぶさるように抱き着いてくる魔族、だがダーラはびくともしない。
「おなごには優しくするのがモテるコツだと教わっておるが、おぬしらはそうやって襲うのかなるほど」
「なんだこいつ!」
「グイ」
「イテテ」
「面倒じゃな、少し見せてやるかの 威圧!」
「ギャー ばけもの!」
「だからいやなんじゃ、コラ逃げるな!」
「シュン」
「ここにいたのか?」
「主」
「おお、こいつらかグラビティプレス」
「ズズン」
「グヘッ!」
学院の訓練施設、自分たちの方が強いと思っていた7人の魔族だったがダーラが少し魔力を解放しただけで怯むどころか腰が抜けてしまい身動きできなくなった。
そして先ほどまで診療所にいたマーシャはダーラの気が膨れ上がるのを感じ、一気に瞬間移動して来た。
「こいつらは妾に任せよ」
「もう少し遊びたかったのじゃが…」
「そうすると試合に出れなくなるぞ、良いのか?」
「あー それは嫌じゃ」
「ならばここは任せて控室で待つ方が良いぞ」
「しかたないのう…」
少し残念そうに控室へと戻って行くダーラ、とりあえずマーシャは魔族7人に隷属魔法を掛けると、魔族の作戦の残りを聞き出しすぐに将軍へと知らせることに。
その足で残る変身魔族がいる控室へと向かった。




