ダーラは自由人
ダーラは自由人
ダーラが魔法の試合へ出場するのは一応最後にしてある、そうしないとチームマーシャ以外の魔術の部参加者は全て棄権する恐れがあるから。
始めはダーラもおとなしく控室で待っていたのだが…
「あんたは王都から参加したんだ?」
「そうだが、おぬしは?」
「アタイはマールンキュラーソよろしくね」
「うむ」
「ところであんたの事ララちゃんに聞いたんだけど、強いんだって?」
「ララちゃん?」
「あー ラランカって子」
「あートワイ村の娘か、なるほど…」
「えーと、もしかして話すの嫌いだったりする?」
「嫌いではないが、おぬしのように臆せず話す者と会話したことがあまり無いのでな」
「そうなんだ、だったらお友達になりましょ」
「友か…久しいな」
「もしかしてお友達少なかったり?」
「うぬ ここ千年以上 友と言う者はいなかったな…」
「千年?」
「ラランカからは聞いておらぬのか?」
どうやらラランカは知り合いだとしか言っていないらしい、まあ暗黒竜だと言っても誰もそれが本当だとは思わないだろう。
「妾は…」
「おい、お前!」
「何じゃ?」
「お前どこの部隊だ?」
「部隊?」
「魔王国の間者ではないのか?」
「いいや妾はマーシャ様の従者じゃ」
「マーシャ!」
その名を聞いた所で西から参加した参加者に変装した魔族は固まった。
(こいつを盾にすればマーシャと言うやつを捕まえる事ができるかも)
周りにも数人いた変装魔族が目配せをする、どうやらダーラをどうにかすればマーシャを捕まえる事ができると踏んだらしい。
そこかしこでこそこそと話声が聞こえて来る。
「ちょっと顔を貸してもらおうかねえちゃん」
「妾か?」
「そうだよ」
いつの間にかダーラの周りに変装魔族が5人ほど集まっていた。
「何?何なのあんたたち!」マールン
「あ~まあ良い ここでは狭そうじゃ、どうせならばもっと広い場所へ行かぬか?」
「へへへ、いいぜそうしよう」
何を考えているのかは分からないが、既に変身魔族は3人が試合に出場済み。
今は2人が勝って一人が負けている、負けた魔族は他の審査員(将軍)の手により別室へと連れていかれており。
順次捕縛されると言う手はずなのだが、ここでイレギュラーな事態が起こってしまいそうだ。




