リカルド&ロキシー
リカルド&ロキシー
本来ならばマーシャとペアを組むためにお茶会に置いて話が有ると言ったはずなのだが。
いつの間にか魔族の皇女とペアを組まされてしまった。
まだ10歳のリカルドだが身長は165センチになった、まだ顔には幼さが少し残るリカルド。
ペアの相手は魔王国第二皇女のロキシー・タイロス・ウェザラード、その力は昨年の夏以降大幅に上昇していた。
マーシャに師事し、いつの間にか神聖魔法も覚え、転移魔法も使えるようになった魔族の皇女。
実はフランと比べても遜色ないほど、魔力量だけならばリリアナに相当するほどその力は向上していた。
但しマーシャの元に来るのは月に1回、あまり頻繁に王国へ訪れると魔王国で何を言われるか分からない、このことは一応秘密にしていたりする。
「それでこれはどういう?」リカルド
「一応ペアになりましたのでお互いの事をよく知っておかなければなりません」ロキシー
ロキシーは今年15歳になる、アマンダと同年齢であるが魔族の割にはさほど身長は高くない。
リカルドと同じ165センチの身長ではあるがスタイルはそれでもかなり良い。
竜魔族と羊人族そしてダークエルフの血を受け継ぐ、兄のマリオスも同じ血縁になる。
耳の上にはさほど大きくはないが角が生えており、長い黒髪から10センチほどの角がニョキッと飛び出している。
ここは学院にある迎賓館の隣にある宿泊施設、そのラウンジに置いてお互いの親睦を兼ねて語らいましょうと言う話になっていた。
リカルドとしてはマーシャとペアを組む話がいつの間にか、魔族の皇女とペアを組まされた上に断りようも無くなってしまい、仕方がなく今ここにいたりする。
勿論護衛も2名ちゃんとついている。
「俺らがなんで護衛を?」カバネル
「仕方ないだろ、姫様の友人で俺らも知っている皇女様なんだから」ロッド
そうなのだ、別に王城警備隊がいても良いのだが、警備隊は外を警邏する手前。
迎賓館の宿泊施設の中、しかも魔族の警備と言う事で、内部の警備に少し待ったがかかってしまった。
昨夜のことも有り、魔族に対しての風当たりも有るのでチームマーシャが内部警備をすると申し入れをした。
(我が友人に警備を頼んでおく)と。
「おぬし達少し手を貸してもらえないか?」
勿論この話を受けるに辺り報奨金も出すし、マーシャから例の腕輪(戦士の腕輪)を作ってもらえると言う話を聞けば断る事などありえない。
彼ら2名も剣術の部で大会に参加するのだから。
「リカルド様は純剣士なのですか?」
「ああ 一応ソードマスターは取得している」
「そうすると私の補助魔法であればポイントを稼ぐことは可能ですね」
「君はどこまで魔法を?」
「ロキシーです ロキとお呼びください、一応神聖魔法も使用できます、マーシャ様からは無属性魔法と土魔法そして風魔法の指導もしていただきました」
そう言いながら両掌を上に向け魔法球を掌の上で作って見せる、その大きさは5センチ程度だが、小さければ小さいほど力は凝縮され威力は増すのだとマーシャからは教えてもらった。
「マジか?」
「それができれば上級魔法師として魔法騎士になれるぜ」
「そうなのですか?私としてはこれを戦争に使おうとは思いませんが、身を守るためには必要だと思いましたので」
「そうか攻撃魔法も上級を使えると言う事なんだ…」
「私とペアを組んで残念だと思われるのでしたら心外ですが、私負けるつもりなどございません、リカルド様と組んで皆の鼻を明かして見せましょう」
「いいね~その意気は、昨年はどこかのお嬢様だったのにな~」カバネル
「茶化さないでください、私真剣ですのよ」
「す すみません…」
「分かったマーシャに頼まれた以上私も手を抜いたりはしない、マーシャにも私の力を認めてもらう」
「それではお互いの武器や防具を確認しておきましょう、足りないものが有ればマーシャ様に頼んでお貸し頂くつもりです」
既に何度かマーシャの元で訓練しているロキシー、いくつか防具や武具は作ってもらっていたりする。
但し、その防具や武具で本戦を勝ち抜けるかと言うと、それは難しいだろうと言う話。
現在ロキシーが持つ武具はオーブと言われる水晶玉に近い物だが彼女のオーブ術は少し使い方が変わっている。
三つ玉オーブ魔法術と言われる、同時に三種のオーブを扱うと言う物。
それが一番魔力量も魔法攻撃力も強く、同時に三種類の系統の違う魔法を使用できるので、簡単に複合魔法を使えたりする、彼女と魔法のみで戦う場合はかなり苦労するだろう。
そして防具は黒薔薇のドレスを装着し、紫紺のマントを纏う。
ドレスはマーシャ謹製だがマントは兄からプレゼントされた物だ。
実はローブ、Bクラスダンジョンでマリオスが手に入れた物だったりする。
たまに低階層のダンジョンでも結構良い物がドロップすることがある、このローブはその類と言った所。
インナーは言わずと知れた斑蜘蛛のインナータイツ、既に何着か購入しており今も身に着けている。
「分かったロキ、君と一緒に本戦を戦う、頑張ろう」
「はいリカルド様」
他の部屋ではチャッピーとマリオスが、そしてクロイスの部屋ではシロナが同じように本戦出場へとお互いの戦い方や立ち位置を話し合っている。




