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お茶会で決まった事

お茶会で決まった事


昨日とは違うおとなしめの生演奏が流れる、フルートとバイオリンそしてハンドベル。

お腹の減った者は目の前のケーキを飽く事なく食することで、本日参加したことを至福と感じる事だろう。

ケーキもお茶も普段では口にすることなど出来ない高級品だったりする。


「このケーキはプラウドショコラティアの物ですわね」

「え~もしかして超有名な洋菓子店のですか?」

「そうよ、一度食べたことがあるから間違いないわ」


どこかのテーブルでは本日出されたケーキの所在を確認すべく感嘆の声を上げたりしている。

確かに本日出されたケーキ類はその※プラウドショコラティアの物であり、実はその店アマンダの経営している店だったりする。

※アマンダが貢物として爵位持ちから譲り受けた食材を使用するケーキ屋、このケーキ屋はアマンダが運営しており、王国でも有名なパティシエを雇い入れた超一流のケーキ店だ。


「このケーキもお茶もお姉さまのお店の品ですよね」

「正解!さすがマーシャだわ、ケーキまでは分かってもお茶までは知らない人が多いのよね」

「南部のアプリコット地区はお姉様の息がかかった領地ですから」

「ドレスの件でかなり散財することになるから、これからまた頑張らないと…」

「やはりお姉さまも…」

「その後は言ってはだめよ」

「分かりましたお姉さま」

「別にマーシャの邪魔するわけじゃないわ、私には私の専門分野があると言う事です」

「分かりましたお姉さま」


アマンダは南の温暖な地域の利権を手に入れ紅茶の栽培や果物の栽培を手掛けていたりする。

さすが生前農家の嫁をしていたと言う所だ、ケーキの店もすでに10店舗まで増えており。

王宮御用達のお墨付きまで得ていたりするのだから、転生王女あるあるだ。

マーシャはそこまで手を出そうとは思わないので、わざわざアマンダの邪魔をする事は無い。

逆に手を結ぶことでさらなる利益を相互に得る可能性の方が、旨味があると言って良い。


「ああ、ここにいた」

「姫様ペアの件まだ空きはありますか?」

「申し訳ございません、私 今回の武術大会出場は辞退いたしますので」


談笑しているとあちらこちらから武術大会のペアのお誘いが数人からかかって来る。


「やっぱりペアは難しそうですね」リリアナ

「まあ最初アマンダ姉さまとリンダ嬢、2組の試合だったわけじゃからな」

「ああそうだ、マーシャ私の武具は?」リカルド

「兄上には私のコレクションから武具と武器をお貸しします」

「そうか、それならば安心だ」

「すぐに負ける事は許しませんが、そこそこ 勝ち進んでいただかないと王家の顔に泥を塗ることになりますので」

「そ そこまでになるか?」

「もしかしたら王族で順位を付けられてしまいますよ」

(本当か?うぬぬ…)

「あまりプレッシャーを与えない方が良いと思いますわよ」

「ですがお姉さま、簡単に勝つと八百長を疑われてしまいます」

「確かにそれもそうね…」

「ロキシーも、1年でかなり腕を上げているようですし、ペアの試合は楽しめそうです」


この日の晩、すぐに学院の大講堂前に置かれた出場申請書に各ペアの名前を書き入れることになった。

結局今回マーシャは出場を見送ることになったが、どの試合に出場しても他の試合を見る事が出来なくなるので、仕方のないところだろう。

そして翌日、王様からのお達しで何故かマーシャは審査員を任されることになった。


まずこの2日間でチームマーシャの中で婚約が決まった仲間はいなかった、かなり良いところまで行ったのはテンマルとミミーの2名のみ、この2人もこの後の恋文次第という話。

マーシャの元には後日、数十通を超える恋文が来るのだが、それは又別なお話だ。


「それでは皆様本日のお茶会はこれにて終了となります」

「明日からは別な催し物がございますが、王国従者一同感謝の気持ちを込め皆様のご健闘をお祈り申し上げます」


第三王子リカルド&第二皇女ロキシー

第一皇子マリオス&公爵家四女チャッピー

第三皇子クロイス&伯爵家次弟の長女シロナ

侯爵家長男フォルダン&第一王女アマンダ

第二王子トラム&公爵家長女リンダ

第一王子カイル&伯爵家長女ブレンダ

侯爵家次男カール&第二王女アリシア

王様ジェームス第二王妃ローゼリア


これが王国と魔王国のペア出場者一覧。

その結果ペアの部は首都で300組を超えるチームが出場することになるのだが、この数は暫定であり事前審査を通るのはいったい何人になるのだろうか。


舞踏会&お茶会編 終了


後書き


マーシャの舞踏会デビューはほぼ問題なく終了した、一応マーシャのお眼鏡にかなう男子はいなかったようだ。

まあマーシャより強い男子などいないのだから、婚約だとか恋文だとかはまだまだ先の話となるが。

この後の武術魔術大会においては思っていたより面白いことが起こりそうだ。

裏でなにやら画策しているグラッダ・ベノム・ジョーバリンが何をしてくるかも心配だが。

カチュアを使った計画が失敗したとしても、グラッダは悪だくみを辞めそうもない。

だがすでに悪だくみを考えているのが何処の誰かはマーシャの知る所となった。

一応大会開催中はマーシャもあまり動けないので様子を見る形になるが、大会が終われば即魔王国へとグラッダを懲らしめに行くに違いない。

もしかすると魔王国の奥深くへと行く事になるのか?次は大会編、お楽しみに!


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