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いざ出陣

いざ出陣


マーシャ以下7名が部屋から出て来ると、今まで廊下を走り回っていた各貴族のお抱えメイドたちが皆立ち止まる。


「うわ~~」

「ステキー」

「キャー マーシャ様よ~」

(う マジか…恥ずかしい…)


こういう事には慣れていないマーシャだった。


「照れてます?」フラン

「と 当然じゃ」

「主もおぼこいの~」

「パシッ!」

「アタッ!」

「姫様!」

「気にしておることを…」


勿論マーシャが着ているのは白とピンクの生地で作られた美麗なドレスであり足元はフレアタイプのスカートで全て覆われ、足には舞踏用の5センチヒールを履いている。

いわゆる白ゴス(シロゴスロリ)と呼ばれるタイプだが、あそこまでフリルはついていない。

頭には自作のティアラがキラキラと輝いている。


「それではまいるぞ!」


マーシャを先頭にメイド達が続き、その後に各部屋から次々と貴族の令嬢たちが続いて行く。

舞踏会の会場までは数分の移動距離になるが、寮の前にはいつの間にか馬車の列が出来ていた。


「お待ちしておりました」城小父のカール・トマソン


馬車は王族御用達の雅な造り、年に1回舞踏会や王様の移動にしか使われない高価な代物。

所々に金箔が張られており屋根や座席には魔法がかけられ不意な襲撃が有ったとしてもほぼ無傷で跳ね返せると言う8頭立ての最大級馬車だ。


「ご苦労様です」

「お美しい、さあお乗りください姫様」


この馬車には8人が乗ることができる、そこにマーシャとそのメイドそしてリリアナとフランが乗り込む。

学院の寮から出ると大通りまでは数分、そこからは大通りを王城までは直線で20kの距離。

路地を曲がると隣の寮からも同じような馬車が出て来た、その馬車にはアマンダと取り巻きたちが乗っているようだ。


「あちらの馬車にはアマンダ様が乗っていますね」フラン

「少し早く出過ぎたか?」


一応順番などと言う物もあるのだが、どうやらあちらの馬車にはアマンダのお相手であるフォルダンも一緒に乗っている様子。

そして今度は前を見ると男子寮からも次々と馬車が出て来る。

数台の馬車が真横に並びこちらを見てぎょっとする。

勿論魔族を見てではなくマーシャの姿を見ての驚き、そして数台が追い越していくと3台目ぐらいの馬車にまだお相手の見つからない男子が乗った4頭立ての馬車が近寄って来る、そしてこちらの馬車の横に並ぶと、そこには第3王子のリカルドと何故かカバネルとロッドの姿が。


「先に行くぞ!」


馬車の車輪と馬の蹄の音で真横に並んだところで話すことなど難しい。


「何を急いでいるのやら…」

「さ~何でしょうかね」


王城迎賓館に連なる大広間である舞踏館にはすでに魔王国から数人の魔族が来城していた。


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