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誰をペアにする?

誰をペアにする?


国を挙げて行われる収穫祭、その始まりがこの土日から始まる舞踏会。

その後各地で様々な模様し物がある、2週間後に国を挙げての武術大会が行われると言うお触れが各地方へと正式に交付されることになった。

まずは舞踏会の翌日、月曜日から各地区に置いて予選が始まる、国を5つに分け候補者を各分野別に3組ずつ選出し、次の週の日曜日に決勝と言う日程が組まれた。


「いよいよ明日ですねマーシャ様」フラン

「そうじゃな…」

「浮かない顔ですね、まだ何か問題でも?」

「舞踏会は問題ではないが、今度は武術大会が問題じゃ」

「そういえばマーシャ様は出場なさらないのですか?」

「それなんだが…」


マーシャはすでに剣聖の称号と魔賢者の称号そして工匠神の称号を得ていたりする。

つまり試合に置いて勝ち以外の未来があり得ない、それに今回の大会で賞品として王様に献上したお宝は80%マーシャが手に入れた物ばかり。

要するに勝っても賞品に関しては面白くもなんともないのだ。


「あ~確かにお宝はほとんどマーシャ様の手に入れた物ですもんね」

「それならば変装して出てみれば良かろう」ダーラ

「あ ダーラ様」

「ダーラでよいぞ、同じメイド仲間じゃろ」

「そ それは恐れ多いと言うか…」


学院の食堂にはいつの間にかチームマーシャが10人近く集まっていた。


「姫様が出ないのでは面白くありませんね」フロウラ

「姫様も出るのですか?」リンダ

「いや…まだ分からん」

「おお マーシャここにいたのか?」第三王子リカルド


いつの間にかリカルドが食堂へ来ていた、彼も今年3度目の舞踏会出場。

マーシャとの仲は今でもすこぶる良い、どちらかと言うと現在はリカルドの方がマーシャに寄り添う形が多いのが少し心配だが、仲の良いのはいいことだ。


「お兄様」

「いよいよ明日だな」

「はい」

「最初の相手は私らしい、この日が来るのを楽しみにしていたんだぞ」

「あ~はい…」

「なんだ?気のない返事だな?」

「どうやら舞踏会より武術大会の方がご心配なのでは?」

「そうか、確かに ならば武術大会のペアは私と出場してみないか?」

「えっ!」

「は~?」全員


確かに武術大会に恋人でなければいけないとか、婚約していなければいけないと言う規則は無いのだが、リカルドも今期アカデミーの高等科2年に飛び級し剣術に置いてマスタークラスを習得している。

ちなみに第二王女のアリシアは高等科1年に編入し婚約者であるカール・ホブルート(15歳)はまだ中等科3年だ。


「兄上はお相手がまだいないのですか?」

「いないぞ」


そう言って胸を張る、二年前までは割とおとなしかった彼だが、ここ二年ほどでメキメキと力を付け高等科でマスタークラスを取得してからは、自信と言う物が感じ取れるようになっていた。


「もしかして言い寄って来られる方、全てお断りしているのでは?」

「そ そんな事は無いが、どうしてもお前と比べてしまうのだから仕方ないだろう」

「は~ いつまでも私がそばにいられるわけではありませんよ兄上」

「それは分かっている、だが私にはマーシャ以外考えられないのだ」

「何をです?」

「リカルド様ここではその話…」

「それはシスコンと言う性癖か?」ダーラ

「ゴツンッ!」

「あた!」

「主様何を…」

「兄上 私はいつまでも妹でいるわけではありませんよ、いつかこの王城から出ていく覚悟でございます、それに兄上には今期の武術大会剣術の部に出場していただきます」

「何を勝手に!」

「私は魔法の部で出場いたしますので、ペアでの出場はあり得ません」

「そ そうなのか?残念だ…」

(本当ですか?マーシャ様)フラン

(嘘でもそう言っておかなければ収拾がつかぬだろう)

(ですが…)

(ならばお前がペアで出たらよかろう)

「は~?」


そう叫んでフランは口を押える。


「ウフフ」フロウラ

「まあ今回の武術大会ペアは王様と第二王妃様も出場なさると聞いた、あまり王族が沢山出場するとよからぬ事を考える者達に狙われるやもしれない」

「確かにそう言った噂も聞きますね」リリアナ

「分かった、今季は諦めよう」

「え~ 諦めるのですか?」チャッピー

「ん?」

「ならばチャッピー嬢とお兄様で出場と言う事で」

「な 何を言っているんですか~」


ちなみにリリアナでも良かったのだが、彼女は魔術の部にすでにエントリー済みで同時間帯に行われるペアの予選には出られない。


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