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王国執政会議

王国執政会議


そこは王様そして国政を担う政治家や貴族達が集まり政治を行う場でもある。

参加するのは各地方の貴族ばかりではなく、豪商や物作りで有名な工廠長達も集まる場でもある。

別名、秋の収穫会議とも言われている。


「今季の出来高を発表します、ローゼリア地区…」


各地区の執政官による作物や鉱石などの採掘量を発表し、今期の課税を決める会議でもある。

農産物も沢山取れたならば税を大目に支払うことになるのだが、中には辺境のジンジャー子爵領のような戦後補償が必要な地区もあり、税全てが徴収されるだけと言うわけでもない。

そして議題は新たに生み出された魔王国内のダンジョン運営へと進んで行く。


「ソード山脈のクラールダンジョンは現時点での収益は金貨323枚となります」財務官

「ジンジャー領の収益はそのうち金貨160枚と言うわけか…」農林大臣

「その程度ではまだ復興資金にもなりませんな」水産大臣

「まあまだ初めて3か月ですからな」農林貴族1

「予想以上に準備金が必要でしたからね」商業貴族1

「それはどの事業も同じことよ、だが先日第三王女様の部隊が60階層まで攻略したと言う話、そこでは大金貨千枚近い収益を上げたとか」農林大臣

「本当か?」水産貴族1

「ああ少なく見積もってもその半分の大金貨500枚相当だと伺いましたぞ」農林貴族2

「ザワザワ・・・」

ジンジャー子爵が挙手する。

(ジンジャー子爵)

「本当の話です、現在我が騎士団も10階層にてレべリングを行っておりますが、数日で一人金貨10枚近くの収益を上げております」ジンジャー子爵(農林貴族)

「誠か?」王様

「はい ですがあまりたくさんで押しかけると収拾がつかなくなるうえに、誰もが収益を得られるわけではありません」

「それはどういうことだ?」

「我が騎士団も防具や武具などは全て中級以上のものを使用しており、それらを事前に用意してさらにポーションなどの回復薬を十分に持参する必要が在ります」

「事前に沢山経費が掛かると言う事か…」

「準備に一人頭金貨10枚以上が必要になります、もちろん戦いの訓練も十分に行う事が必須です」

「それでも見返りは大きいのではないか?」

「それにクラールダンジョンには神聖魔法の使い手が必ず1名以上必要です、そうしなければ失敗することになります」

「ザワザワ」

「とりあえず我が騎士団からもすぐに攻略部隊を派遣しよう」農林貴族3

「うちも出すぞ」水産貴族2


「ところで先日マーシャから面白い話を聞いたのだがな」王様

「面白い話とは?」

「クラールダンジョン50階層で得たダイヤの指輪だ」


そこからはその指輪を掛けた試合が行われると言う話がされ、いつの間にかその試合が大会にまで発展してしまう事になる。

マーシャにとってみればどう転んでも面白い話にしかならないが、周りにとってみればお宝争奪戦が大会になったおかげで自分達にもその権利をよこせと言う話にまで膨れ上がって行く。

勿論のことながら、王族が持つお宝と言う事でよからぬことを考える輩まで出て来ることは防ぎようがない事。

何時しかマーシャの元に王命で護衛まで付くことになるほど大事に発展していくのだが。

王国あげてのお祭りはいったいどこまで大きくなって行くのだろうか。


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