59階層
59階層
やや疲れ気味のチームマーシャ、51階層から先は初めての事尽しな為、経験と勘で切り抜けるしかなくなっている。
まあ今回は60階層で帰路に就くため、気分的にはさほど重くは無いと言うのが救いだ。
「武器は傷んでは居なさそうだな」マーシャ
戦いに慣れてきたため武器を無理に使う事が無くなって来た、敵が武器無しの魔獣ならば皆その力でわけなく屠っている。
時折武器を持つ魔獣はやや注意と言う所だが、最初の頃と比べれば一目瞭然だろう。
「いよいよ後2階層じゃな」
「出たらゆっくり休みたいぜ」カバネル
「そうか?すぐに授業と訓練が待っておるはずじゃがな」
「わすれてた!」
「アハハ」
そういうマーシャもこの秋に開催される恒例の舞踏会に向けてフラン相手に練習しなければいけない。
事前の予想で、王族ではアマンダとリカルドそしてマーシャが今期の舞踏会参加者となる予定。
侯爵家や伯爵家からも数十人が参加する。
学院に通っている参加者が多いので皆知っている顔がほとんどなのだが、今回は魔王国からも舞踏会に参加すると言う話がある。
もしかしたらその時に又、マリオス皇子と会う事ができるかもしれない。
59階層への通路を進むと夜霧の墓場が見えて来た。
ご丁寧に不気味な屋敷まで作られており、雰囲気はお化け屋敷と言った所だが。
うっすらと漂う霧が何を語たっているのかは見た目だけでは分からない。
「ヒュ~」
何度となく屠って来たソウルイーター、だがその数はいつもの倍以上。
そして奥にいるのはその親玉なのかひときわ大きな影が仲間の目に映っていた。
「ホーリーガード、ソウルリカバリー」
「シェル、フィジカルアップ」
「ホーリーアロー」
「ホーリーレイン」フラン
いつの間にかフランが上位聖魔法を使用するようになっている。
もしかしたら今回の攻略中に上級聖属性魔法を使えるぐらいMP容量が増えたのかもしれない。
「エンチャントホーリー」
「あれはイビルデーモン」
「今までの悪霊とは少し違うようだな」マーシャ
聖属性魔法で身を固め闇属性の魔物を次々に屠って行く、今までの戦いでかなり闇属性のアストラル系魔物にも慣れてきたが。
悪魔と言う魔物に関してはそれほど出くわしていない。
ましてやイビルデーモンと来れば悪魔の中では中位のランクに入る。
「まずはこいつで様子見じゃ ホーリーランス!」
得意のホーリーランスをひときわ大きいイビルデーモンめがけて投げつける。
だがやはり59階層と言うことも有り、1発では屠るところまではいかない様子。
「シュン!」
「穴があくだけか?」
「もとに戻るみたいですね」
「今度は私が、ホーリーバレット!」
リリアナがいつも土系魔法で使う弾丸に聖属性を纏わせた。
聖属性の弾丸を無数に浴びてようやくその姿をチリ変える。
「ババババババ!」
「ピシュシュシュシュシュン」
「オア~~」
「グッジョブ!」
「イエ~イ」
「なかなかやるな」トラム
59階層は魔物の数はかなり多いがやはりチームマーシャの敵ではなかった。
この階層はマーシャがいなくても聖属性を使える術者が他に3人いるので、ほぼ任せても大丈夫と言う事が分かった。
「いよいよ次だな」
「皆油断はするな」
「オー」
59階層の安全地帯で各自武具や魔法具の点検をする、何度となく行って来たが今回の攻略は次の60階層でラストとなる。




