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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
ダンジョン攻略・後編
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56階層

56階層


天使の知らせがこの後どんな変化をもたらすのかは置いておいて、ダンジョン攻略はまだまだ終わりではない。

今回の攻略予定は60階層ボス部屋と言う事でマーシャ達は先へと歩を進める。


「又吸血鬼ですね」フロウラ

「だが少し棺桶が上等なようだぞ」マーシャ

「ホーリーガード」リリアナ

「フィジカルアップ」チャッピー

「エンチャントウエポンホーリー」フラン


武器や体に聖属性を纏わせて向かってくる吸血鬼達に前衛職が向かっていく。

その動きはもう慣れて来た様子で、相手が多少強くなろうとも臆する仲間は居なくなっていた。

拳で槍でそして魔法を駆使して的確にバンパイアロードを屠って行く。

一度戦った事のある魔獣はすでにチームマーシャの敵では無い。


「それにしても55階層はなんだったのでしょうか?」リリアナ

「もしかしたら神様が特別に休み時間をくれたのかも」フラン

「そうなら良いがな」


56階層は35分程度で攻略が完了しすぐに57階層へ。

現在時間はまだ午前10時と言う所か、57階層が終わった所で昼食を摂るかもしくは58階層の攻略後かは今のところ未定だ。


「次に行きますか?」リリアナ

「そうしよう、まだ皆余力がありそうじゃ」


57階層への扉を開けると一度見たことのある風景が目の前に現れる。


「草原だな」カバネル

「ユニコーン出た時と同じか」ロッド

「だがあれはどう見ても普通の馬?」


丘の上から見下ろすのは波打つ草原のダンジョン、ちょうど扉を開けたあたりから先は坂のようになっており見下ろすと数百メートル先には動物が群れている。

遠目からだと馬にしか見えなかったが、その動きはかなりおかしい。

通常ならば草原ならば草を食んでいなければいけない馬が、そうでは無い物を食べているからだ。


「あれはただの馬では無く吸血馬か?」トラム

「餌食になっているのはオーク?」


吸血馬の大きさは前回ユニコーンと一緒に見たことのあるユニコーンロードと大きさは同じ。

但しその口から見えるのはすりつぶすための歯ではなく、どう考えても鋭利な牙だった。


「こちらに気付いた様じゃな」

「迎え撃ちましょう」リリアナ

「皆用意は良いか、あれは少し厄介そうだ出し惜しみ無しじゃ!」

「はい!」

「フィジカルアップ」

「ホーリーガードタイプドーム」

「アタックディフェンスアップ」

「リジェネレーション」

「来た!」

「ドドドドド!」

「ブギャウガウガウ」


その大きさから普通に戦った場合こちらの剣先はようやく魔獣の胸に当るかどうかと言う所。

その馬体の大きさでこちらを踏みつぶそうとするが、一応聖なるバリアが効いており中々攻撃はこちらまでは届かない。

だが、20頭近くが群れて攻撃して来ればいつかはその体制も崩れてしまうだろう。


「でかすぎて中々うまく行かない!」

「槍の方が良いぞ!」

「確かに」

「こうか?」

「ズシュ!」

「ヒヒヒーンギャウギャウ」

「またしても水龍剣の出番か」

(はいお任せください)水龍剣


マーシャは50階層骸骨王を屠ったパーフェクトクリアのボーナスプレゼントである水龍剣を取り出すと、その体に飛翔の魔法を掛け上空へと飛ぶ。

そして水龍剣を吸血馬へ向かい一振り、続けて二振り、真上から吸血馬に向けて聖水を浴びせる。


「シュン!」

「ピピピシュン!」

「ヒヒヒヒーンギャーギャー」


効果はてきめんだった、水龍剣から放たれた聖なるしぶきは20頭近くいたブラッディホースに当たると、その黒い体を焼き溶かすかの如く煙が発生する。


「ジュワー」

「溶けだしたぞ」

「今だ!」


聖なるしぶき、聖水は人体には全く影響がないが闇の魔物に対しては効果的面。

吸血馬にはそれが毒なのだろう、20頭近くいたブラッディーホースはその場で苦しみだし。

それからは前衛の持つ槍や剣で対処するのも楽になった。


「水龍剣と言うより聖龍剣だな」カバネル

「まるでこのダンジョン専用に作られた剣みたいだ」トラム

「でもマーシャ様は聖属性の剣も他にお持ちなのでは?」ミミー

「聖属性は得意だから3本ほど在庫があるな」


神聖剣ネオブライト、神聖杖ゴッドアイ、神槍トリビュート等々。

いずれも劣らない破壊力を持つSSクラスの武器を用意してきたのだが、水龍剣のような特殊な機能は持っていない。

吸血鬼やアストラル系そして暗黒系の魔物に対してはかなりの破壊力はあるが全体魔法のような効果は無いと言って良い。

ましてや変身する剣などと言うのはマーシャもまだ作ったことが無い。


「妾も変身する武器は初めて手に入れたのかもしれんな」

「SSSクラスのURですかね」チャッピー

「うむそのぐらい珍しいと思うぞ」


Dクラスのダンジョンでこれほど珍しい物を手に入れられるのだから、Aクラスのダンジョンを攻略したならば、どれだけすごいお宝が手に入るのだろう。

全員同じことを想像する、だがそこはこのクラールダンジョンとはかけ離れた過酷な攻略を余儀なくされる戦場だと言えるだろう。

そうでなければ魔族がとっとと攻略して沢山のお宝を手に入れ、昨年の戦争でも簡単に勝利していたかもしれない。

魔王の長男であるマリオス皇子は現在B級ダンジョンを攻略中だと言う話だが、どうやらその攻略はあまり芳しくないと言う情報が入っている。

昨年王妃側の策略により国を追われた第一皇子マリオスと第二皇女のロキシー。

どう考えても半年でマーシャのような怪物に育っているとは思えない。

あれからマーシャの力でハンクル公爵には及ばずともかなり力を付けた第一皇子だが、それでもBクラスダンジョンの攻略は難しいと思われる。


「確か兄上もBクラスダンジョンに挑戦していると聞いた」クロイス

「Dクラスダンジョンでもかなり強力なお宝が手にはいるんだから、Bクラスならもっといいものが手にはいるんじゃないか?」カバネル

「しっかり攻略できたなら良いのだがな」トラム


57階層の吸血馬いや人食い馬と言った方がいのかもしれない、リポップするように設定されたオーク(豚の魔獣)を食べるシーンをこの階層では設定されていたようだ。

同じような吸血馬の集団が2回ばかりエンカウントするとマーシャの持つ水龍剣や聖属性をエンチャントした武器で難無く屠る、そしてようやく58階層への扉が見えて来た。


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