35階層
35階層
35階層はダークレイスも出没する、そしてこの階からはオークスケルトンとスケルトンウルフが群れで襲い掛かって来る。
だがその魔物でさえアシストされた前衛5人の足を止める事さえできなかった。
「たのし~」リンダ
バキンバキャングシャガン!
「楽しそうだね」トラム
「だっていつもなら4・5発入れないと屠れないのに1発よ1発!」
拳法使いのリンダが放つのは己の体を使った攻撃のみ、普通ならその拳1発で敵を弾き飛ばせはしても粉々に砕けるなどと言う事は無く、常に次の動作を予定して動くので、1匹やっつける為にはその場で数回敵を叩かないといけない。
だがマーシャの魔法を身に受けた後は、風のように走りながら次々に魔物を屠っていける。
バキャン!
ズシュザシュ!
ガン!
バキン!
前衛5人が走りながら目の前に現れる骸骨の群れを片っ端から屠って行く。
「この階層は走りながら攻略できる場所でしたっけ?」ドルチェ
「そんな階層は無いですよ」リリアナ
「マーシャ様のチームだけじゃないでしょうか」フロウラ
たまに出るレイスは前衛が遭遇する前にフランが得意な聖魔法で屠って行く、彼女は最近ホーリーアローを複数同時に射出する方法も覚えたらしく、嬉々として魔法を詠唱している。
その姿を見てマーシャも頬を綻ばせてはなにやら画策していたりするのだが、その話はまた別の機会にお知らせするとして。
この速さで魔物を屠っているとドロップしたお宝を拾っている暇もないのだが、ではどうやって拾い集めているかと言うと。
実はマーシャが魔法でドロップ品は全てピックアップして行くようになっている。
彼女の手には現在小さな杖が握られている、その杖はもちろん自分で作成した杖なのだが魔核や魔石、そしてお宝関係を自動的に収集しストレージへ収納する魔法がかけられている。
しかも収納するとき、ストレージ内のボックスへ自動的に個別集積されるように魔法がかけられている。
「作っておいてよかった、前回いちいち鑑定しなければならなかったからな」
「姫様には驚かされてばかりです」ジル
「複合魔法を覚えればさらに細かく仕分けできるようになるぞ、まあ妾のチーム以外では必要ない場合の方が多いがな」
こんな魔法を使わなければならないのはチームマーシャだけの事だ、本来ならばこのスピードで攻略できるわけがない。
辺り一面にドロップ品が残されているはずが杖を向けただけであっという間にピックアップしていくのだから。
35階層も10分ちょっとで攻略が完了し次の36階層へと進んで行く。




