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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
第2章 ダンジョン攻略・前編
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34階層

34階層


途中出て来るムカデを難なく屠り、フランやリリアナの聖魔法でレイスもあっという間にチリと消える。

マーシャは殆ど後を付いて行くだけ、この状況の中でだんだん退屈してきていた。


「この人数だと面白みに欠けるな」

「姫様、何言ってるんですか?」フラン

「はじめは良かったが、これでは腕がなまってしまう少しスピードを上げるとするか」

「え~」

「フィジカルアシストタイプスピード、ターゲットマイカンパニー」


マーシャが魔法を唱えると全員が淡い光に包まれ、そこからは全員のAGIとSPDが2倍になった。

通常ならばこの魔法で上がるのはせいぜい移動スピードだけだが、マーシャの唱えた魔法は行動全体にアシストがかかる魔法の為、全ての行為に対してスピードが2倍になっている。

一言で2倍と言ってもそうたやすく早くなるはずはないのだが、マーシャのアシスト魔法は唱えた魔法だけの効果では無い、なにせ彼女には各種のスキルが常にパッシブで発動しているのだ。

例えばLUK(幸運)やINT(思考)にもプラスのアシスト効果がかかっており、その恩恵は全員が受けられる。

目の前のムカデを先ほどまでならば3回の攻撃で屠っていたのが、マーシャの魔法を受けた後は1発で敵は霧散する。

攻略スピードは2倍どころか3倍にも跳ね上がる。


「すげー」カバネル

「まじか」

「なんだこの魔法は!」クロイス

「またですか」ジル

「まさか一つの魔法で4つ以上の効果があるなんて誰も思わないわよ」フロウラ

「4つ!」ドルチェ

「正確には4つの効果と7つの変化よ」リリアナ


魔法・行動・言語・身体にアシスト、幸運・力・速さ・思考・防御・気力・威力にプラス5以上の積算効果、その結果全てが3倍になると言う。

そしていつの間にか34階層へと進み、34階層の魔物であるスケルトンソルジャーとスケルトンマジシャンを秒殺していく。

そして特筆すべきは持続性、マーシャの魔法はアシスト系魔法であれば1時間は持続する。


「おいおい一撃かよ」

「まさか槍一突きでスケルトンが粉々になるとは」トラム


スケルトンがこちらに気付くより早く近寄りそして一撃で屠って行く、前衛の5人の速さはまるでハリケーンの様だった。

そして34階層を20分で攻略完了し35階層へと歩を進める。


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