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転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
第2章 ダンジョン攻略・前編
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33階層

33階層


最初危惧していた危険など終わってみればかなり楽に攻略できたと言って良いぐらいなのだが。

まあこの人数で、しかも全員が魔法具を纏っているのだから普通の階層は敵無しという所。


「ついたな」マーシャ


33階層前の安全地帯、そこには2人の魔族が疲れ顔で腰を落としていた。


「だれだ!」グロシュ

「私達はチームマーシャとその一行です」リリアナ

「アルフレア王国第三王女マーシャオースティンアルフレアじゃ」

「私はクロイス・コーパス・ウェザラードと申します」

「皇子!」ドルチェ

「ドルチェ!無事だったか」

「もしかしてマークルもやられましたか?」

「ああ死神に追われてな」

「あいつ強さ自慢していたのに、てんで役に立たなかった」グロシュ

「うちの従者を助けていただきかたじけない」

「次いでじゃから構わぬぞ」マーシャ

「フロウラ姉?」グロシュ

「お久しぶりですクロイス様」フロウラ

「なんじゃ知り合いか」マーシャ

「こちらはグロシュゾーヴィル私の弟です、そしてこちらが第三皇子のクロイス様です」


フロウラゾーヴィルはゾーヴィル侯爵家の長女であり、竜人族の血縁でもある。

そして弟はまだ魔王国の魔法学院に通う学生と言う話は聞いている。


「姉上なぜこんなところに?」

「何故ってこちらの姫様の従者として付いてきたのよ」

「姉様まだ従者を?」

「この前にもあなたには話したわよね」

「でも…」

「あ~積もる話もあるだろうが、又の機会にせよ、妾はこのダンジョンを攻略しに来たのじゃ」

「皇子様、この先へ私たちと一緒に行きますか?それとも帰りますか?」フロウラ

「いやこのままでは帰れぬ」

「では我々と同行しますか?」ジル

「よいのか?」


同行しなければ魔族3人でこの先へ行くのは難しいどころかすぐに1階層へ死に戻りするしかなくなる。

学院の先輩でもあるフロウラやカユーラ、そして噂の第三王女がいる部隊に加われば実績は上げられなくとも得る所は大きい。


「頼みます私たちも同行させてください」クロイス

「皇子!」グロシュ

「分かった、だが付いてくるのなら遠慮はしないからそのつもりで付いてくるが良い」マーシャ


またもやマーシャはそういうとニタリと微笑む、そのたびに男性陣は全員そして女性陣までわずかに心臓がチジミ上がる。


「また増えたよ」カバネル

「いつもの事だろ」ロッド

「よかったじゃない仲間が増えて」チャッピー


いつの間にか18人と言う大所帯にまで膨れ上がったチームマーシャ。

33階層は高低差のある坂のダンジョン、ゴースト系だけじゃなく虫系の魔物まで出没する。

特に出没するのは毒ムカデ、その大きさは全長3メートルと言う大ムカデ。

巻き付かれ噛まれると体がマヒして動かなくなると言う。

そしてゴースト系はレイスが出没する。


「まさか魔王国の第三皇子が攻略に来ているとは」トラム

「こちらは?」クロイス

「わが兄、王国のトラムシュバリオールアルフレア第二王子様です」フラン

「は~?」グロシュ

「要するにチームマーシャには現在第二王子と第三王女そして爵位持ちの子息が沢山参加していると言う事よ」リンダ

「そうだったのですか?」ドルチェ

「魔王国ならあり得ぬことだ」クロイス

「魔王国では王族がダンジョン攻略はしないのか?」カバネル

「特別な事情が無い限り下々のすることをまねる事はありません」ドルチェ

「そういう皇子は何故ここに?」リンダ

「…」

「魔王様からの命令ですか?」ジル


昨年マーシャによってクロイスの母であるスルベリア・コーパス・ウェザラードは王国との紛争に関わり、マーシャに天使の烙印を押されてしまった。

但しこの話は魔王国側では伏せられている、表向きは魔将軍2名の暴走と言う事で済ませているのだが、王妃の責任はかなり重い物だった。

ちなみにまだ天使の烙印は付けたまま、その方が魔王も都合が良いと言われ現状維持で構わないと言う話。

だが魔王の椅子をめぐっては今のままでは自分の子を次期魔王にすることができないと第三皇子に対してダンジョンにて修行するようにお達しが出たらしい、王妃もそれを了承している。

現在魔王国の各皇子皇女達はそれぞれに力を付けるため修行の毎日を送っている。


「違う…母上…スルべリア王妃からの命だ」


魔王国の現王妃スルべリアコーパスウェザラードは昨年マーシャによって天使の烙印を押された人物。

まさかこの第三皇子がマーシャによって周り回ってダンジョン攻略するように命令されたとは思わなかったが、それならばなぜこのダンジョンへ来たのか。


「皇子は何故ここのダンジョンに、魔王国にはあと9つダンジョンが有るのに?」リンダ

「それは…」

「理由は2つじゃな」

「2つ?」リンダ

「一つはこのダンジョンならば割と最初の階数は攻略しやすい、5階層までならば初心者でも経験値を稼げる」

「2つ目は?」

「王族が自国のダンジョンで経験値を稼ぐのは世間体が許さないと言う所じゃな」

「他のダンジョンも現在は攻略可能になっておりますが、その代わり平民の冒険者と同じように攻略しなければなりません」ドルチェ

「王族と言う傘は平民より優れているからこそ意味がある、もし平民より優れていないことが世間に知られれば威厳が保てなくなると言った所じゃな」マーシャ

「なるほど、ここなら当分平民の魔族は攻略しに来ないからな」カバネル

「昨年戦後の補償で王国に譲渡されたダンジョンでは魔族側も攻略しにくいのよ」フロウラ

「まあ良い、旅は道ずれじゃ」


この時、魔王国内のダンジョンは第一皇子がチームを組んで修行攻略している最中。

要するにダンジョン攻略ラッシュが始まっていた。

第一皇子の所属する攻略隊は20人近くの近衛兵を招集して行われている、こちらは今まで攻略していなかったダンジョンを王国側に開放している手前、王国より先に攻略してしまおうと言う物。

貴重なお宝を早く手に入れて自国の財力と戦闘力を上げてしまおうと言う事だ。

アルフレア王国もこのクラールダンジョンの攻略が終われば次は魔王国内のダンジョンへと攻略の手を伸ばしていくことになる。

33階層は人数のことも有るが前衛が6人に増え中盤も8人になり終盤は変わらないがバフ掛けも戦闘力も他のグループと比べた場合5倍以上の戦闘力が有る、もちろんマーシャを入れないでもの話だ。


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