15人
15人
この階層から先は闇魔法を使う魔獣の住処、その姿は小さな悪魔と言って良い。
蝙蝠のような羽を生やし、長い尻尾の先には槍のような鋭い刃がついている。
見る者によっては美しい女にも見えると言うインプ。
この魔獣は大きさはさほど大きくはなく、空を飛ぶため風魔法も少し使える。
そして空からターゲットに対して闇魔法、いや正確には音の魔法ともいえるだろう、超音波に近い呪文を唱えてターゲットの脳を刺激し攪乱させるのだ。
魔法抵抗を上げていればさほど怖くはないが、そうしておかないとすぐに体は言う事を聞かなくなり、彼らの思うがままに操られてしまう。
そしてもう一つの魔物がクアルー、姿形はネコ科の動物だが彼らはその鳴き声でかわいらしい動物に変身し相手を魅了する。
インプと違いこちらはターゲットを食べるために近づいてくる、生きながらに自分の血肉を奪われるのだからたまったものじゃない。
「さてそろそろ、あやつらが到着する頃だが…」
遠くの方から声がする、後ろを振り返るとカバネルとロッドそしてチャッピー達が走って来た。
(まってくれ~)
「まにあった~はあはあ」
「全くギリギリじゃないの~はあはあ」
そこには息を切らせて走って来た5人の元クラスメイト達がいた。
「おお珍しいとりあわせじゃな」
「姫様この度のダンジョン攻略に私たちも連れて行ってください!」
「よいのか?」
「はい ぜひ!」
新に加わった女子3人がチームマーシャのダンジョン攻略の参加願いをすると、マーシャはにんまりと微笑み口角を上げる。
「そうか、構わんぞ見知った仲じゃ」
(また姫様の虜になった従者が増えたわ)フロウラ
(いつものことね)ジル
(どこがいいのかしら)カユーラ
(お~今度は5人か、男もいるなマーシャの友人か?これで少しは肩身が狭くなくなるな)トラム王子
「よしそれでは26階層を始める前に、新たに同行する仲間の紹介をしようか?」
「はい」
「トラム第二王子様そして婚約者のリンダ様お初にお目にかかりますチャッピーコールマンでございます以後お見知りおきを」
「初めましてエルフ族首長が娘、ロジーホーリーウッドでございますお目にかかれて光栄です」
「お初にお目にかかりますアンドルトン騎士爵が長女ミミーオルレオアンドルトンでございます」
「お俺もか、ジンジャー子爵家長男、カバネルジンジャーと申します露払いは私にお任せください」
「空撃隊、見習い隊士ロッドアダムスと申します、わが力は必ずや王子のお役に立つでしょう」
「わ~皆マーシャ様のご友人なのね」リンダ
「そういえば学院の試合でよく見る顔ばかりだな」トラム
(またうざいのが来たわね)カユーラ
(いいのよあの5人がいる方が楽よ)フロウラ
(私のコマ使いが増えたわ)ジル
これでチームマーシャのダンジョン攻略参加者は15人にまで増えたことになる。
チームマーシャと軽く言うが、今ではクラン並みの所属(自称)人数がいる。
ほぼ学院の2クラスを超える友人達、一度マーシャと剣を交えた者達はもちろんの事、昨年夏の旅行以来魔王国の中にもマーシャと懇意にしている者が数人いて、時折り連絡をよこしては交流を続けている。
今回はそこに王族まで加わり出し、今では立派な騎士団にも匹敵するのではないだろうか。




