表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した王女はとんでもなかった(天使の過ちは丸投げです)  作者: 夢未太士
第2章 ダンジョン攻略・前編
106/461

第2王子の願い

第2王子の願い


魔王国から戦後の保証として手に入れたダンジョンは北のソード山脈のその向こうにあり、現在はアルフレア王国ジンジャー領トワイ村(旧魔王国コーバス領トワイ村)になっている。

すでにマーシャは転移魔法を使いこの村のダンジョンへは挑戦している。


「兄さまクラールダンジョンはまだ攻略中ですから、私と行くと大変ですよ」


すでにマーシャはクラールダンジョンへと挑戦し30階層まで攻略が完了している。

ダンジョンはDランクだが、このダンジョンは階層が100以上あると言う。

簡単に説明すると最下層までの攻略に順調に進んでも最低1年かかると言う話、魔族はこのダンジョンをこれまでに何回か攻略しようとしたが、最高で53階層までという話だ。

魔王国のダンジョンは10か所あるが、全部ダンジョンクリエイターによる魔法創造物と言われている。

中には自然にできた洞窟を利用した物もあるが中の階層や魔物の設定などは、創造魔法に長けた魔法使いが製作した物だと言う。

そして全部のダンジョンには規則がある、これらは魔法で作られているので維持するために魔力を必要としているらしい。

中に住む魔物は死ぬと魔核を残し消滅するが、魔核をある方法で戻してやると永遠に魔物をリサイクルする設定らしい。

だからダンジョン内で手に入れた魔核は集めて返さなければいけないと言う事。

それ以外のドロップ品についてはそのまま持ち帰りが可能となる。

ダンジョン内で自動生成されるドロップ品はダンジョン内の魔石や鉱物を糧として作られているので持ち出しが可能になるとのこと。

トラム第二王子はもしかしたらダンジョン内のお宝目当てで同行しようとしているのだろうか?。


「確か今は30階層まで潜ったのだったな」

「どこでその話を?」マーシャ

「ほとんど周りにいる小雀達からの話だ、それにマーシャと行けば他にもプレゼントがあると言う話も聞いているが」

「さて、何の話でしょう」汗


確かに昨年冒険に同行した友人や先生、そして魔王国にいる獣人達には、マーシャ謹製の魔道具を下賜したこともある。

その数はすでに100個を超え、風の噂になっていてもおかしくはないし、たしかに長兄である第一王子のカイル(23歳)にも性欲抑制の指輪をプレゼントしている。

まあ長兄は女難の相が出ていたのでそうしないと自分にまでとばっちりが来ると予測しての事なのだが。

第二王子はそれほど女癖が悪いわけでもなく、どちらかと言えばいたずら好きなやんちゃ男という感じなのだ、もちろんイケメンなのは変わらない。

彼もマーシャをかわいがってくれているし、第三王子のリカルドとも仲が良い。


「それと兄からも聞いている、マーシャの下僕で現在はメイドを勤めている3人娘、一度彼女らと話をしたくてな」

「お兄様も一度こっぴどくやられたいのでしょうか?」


昨年魔族との戦争が回避された折に向こうの軍から3人の隊長格をマーシャは奴隷化した。

フロウラ・ゾーヴィル27歳、サキュバス系の魔族で竜族と羊獣人の血を引く、召喚魔法と魅了系魔法に長けている。

ジル・チュラキュア26歳、ハーフドラキュラで蝙蝠族の因子を持つフロウラの後輩、召喚魔法と変身魔法を使い日の元でも活動できる。

カユーラ・ビラット29歳、元暗殺部隊隊長で兎人族、体術と強化魔法に優れている獣人。

3人共に美形だと言う噂さが流れており、確かに男子ならば見て触ってひっぱたかれたいと思う輩がいないわけでは無い。

あの後、第一王子も人の言う事を聞かず、性欲抑制指輪を外してこの3人にちょっかいを出して痛い目を見たのだ。

多分奴隷化の意味をしっかり把握していなかったのではと思われる、通常の奴隷化ならば主人に反抗することも抗う事もないはずなのだが、マーシャの奴隷化は信者化に等しい。

ゆえに、主人以外であれば反抗できないわけでは無い。

しかも事件後3人の女魔族らはマーシャに言われて修行を積んだ為、現在はかなりの強さになっている。

マーシャのいない間に第一王子は止めておけばよいのにフロウラに手を出し半殺しの目にあったと言う。

マーシャが駆けつけ神聖魔法で直したため体は元通りになったが、精神にはかなりのトラウマを抱えたと言う話だ、まあ彼にはすでに3人もの子がいるので、きついお灸を添えられて良かったのではと思うが。

その結果、現在第一王子は魔族の女性を見るとすぐに逃げ出すと言う。


「いやいやそうではないぞ、まあなくもないか…」

「やっぱり」

「ダメですよ、お兄様にも許嫁ができたのではないですか?」

「そのことなんだが、今回のダンジョン同行はその許嫁のリンダが同行したいと言ってきたからなんだが…」


そうなると話はかなり違ってくる、第二王子トラムの許嫁は南の町を収めるローラン公爵家のご令嬢リンダ・タム・ローラン17歳、体術と火魔法を使う太陽のような女性だ。

彼女はローラン家の長女であり、兄はジム・タム・ローラン23歳、第一王子カイルの学友。

一時彼女にも第一王子は手を出そうとしたこともあるが、彼女の体術でコテンパンにされたと言う。


「もしかしてリンダ様の腕試しに同行という形でしょうか?」

「おーさすがわが妹だ話が早い」

「今回ダメでも彼女は必ず挑戦すると言ってるから、どうしても同行しなければならないわけなのだよ」

「それならば妹の攻略チームに参加すれば良いだろうと言う事ですか?」

「ああ今の状況でダンジョンに行けるチームは王族ではマーシャのチームだけだからな」


民間の攻略チームであれば今5チーム以上が攻略しており、申告された限りでは現在35階層が最高到達点だ。

なんでもA級冒険者のチームが今は攻略中だと言う、ちなみに攻略の速さはマーシャのチームが一番早いと言う。

なにせ1日で30階層まで到達しているのだ、現在は多忙のため一時中断しているに過ぎない。


「民間の冒険者チームではだめだったのですか?」

「いくらAクラスの冒険者だからと言って公爵家の娘や王族が同行するのは難しいだろう」

「あ~そのようですね…」

「それにマーシャの所なら家一軒ストレージに持っていると聞いたが」

「はあ…お兄様それも知っているのですか?他言無用でお願いします」

「いやいや俺は許嫁から聞いたんだが」


多分この話は学友達から聞いた話だろう、それに知り合った魔王の第一皇子マリオス・タイロス・ウェザラードのメイドには別荘一つ丸ごとストレージに収めている者がいた事も、同行した学友たちからの噂話で広がっている。

マーシャもそれを見てまねしているだけなのだ、但しマーシャの場合は家どころか他にもストレージ内に所有していたりするが、その規模は家関係は4軒・温泉2種類・乗り物4種類エトセトラ。

それを期待してのダンジョン攻略なのか、確かにそう考えれば通常の旅よりはるかに楽だと考えられても無理はない。

但しマーシャはそこまで甘い攻略はしていなかったりする、まあそこは同行してみればわかる事だろう。


「はあ、それでは一応王様にもご連絡しておかなけれなりませんね」

「やはり連絡しなければだめか?」

「王様に知られるのはお嫌なのですか?」

「父に知られると攻略だけではなく他にも条件を付けられてしまう…」

「確かにそうなることもございますが」

「できれば自由に冒険してみたいと思うだろう?」

「多分それではお兄様のためにならないとのお考えでは?」


彼はいたずら好きなだけではなく、かなりちゃっかりしている。

自分はあまり手を出さず周りにさせてしまう、あまのじゃくでもあるのだ。

多分王様には彼と許嫁そして冒険者から数人見繕って修行を兼ねて、ダンジョン攻略へ行けと言われているのかもしれない。

そうなれば彼は実力以上の力を出さざるを得ず、かなり苦労することだろう。

マーシャが王に同行を告げれば、彼は又ズルをするのではと思われることは必至。


「いやそれはだな…」

「兄上、ダンジョン攻略で手を抜こうと思うのでしたら、私のチームに参加するのは逆効果ですよ」

「何故だ、みなマーシャのチームは快適で最高だと言っているぞ」


それは本当の事だ、ストレージの事もあるがマーシャと同行して一番の利点は経験値をMAX稼げることにある。

単純に言わせてもらうとマーシャのチームに参加すると、経験値の低い同行者ははっきり言って前衛をさせられるうえに、マーシャの許しが出るまで働かされることになる。

勿論各種バフ付きの魔法具を身に付けての修行に近い、能力も数段上げて挑むのだが。

それでもチームマーシャに参加経験のない者なら最初は地獄に落とされたと思う事だろう。

なんせ今マーシャのチームはSSS級(非公開・一応S級扱い)なのだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ