閑話 天使は待っていた
何とか2021年以内に第1章完結です!
閑話
天使は待っていた
ここは天界、天使達が働く魂の選別事務局、今日もたくさんの魂が選別の時を待っている。
「次の方」
魂の選別に掛かる時間は一魂約5分、多くも少なくも無いが、基本的に選別とは言うがただ右から左へと流すだけ、たまに先日のような難しい難題を抱えてしまう事もあるがそれは数年に一度あるか無いかという話。
「そう言えばこの間の試作スキルの魂どうなった?」
「ああそれなんだけどぜんぜん連絡来ないんだよね」
「あんたが変な事言うからじゃない?」
「やっぱり?」
「あまり調子に乗って地上の言葉使わない方がいいわよ~」
「だっていつもの口調だとつまらないじゃないですか」
「あなたね~もしそれで変な噂広まったら他の天使達が困るのよ」
「それよりあの試作スキルは上手く行ってるの?」
「えっ!」
「何?びくってんのよ」
「いやなんでもないよ」
間違って他の魂に付与したなんて事は口が裂けても言うことは出来ない。
まあ手は打ったのだし任せるしかないのだが、それにしても失敗を隠すために送った魂からの連絡をこれほど待たなけりゃいけないとは。
「ああそう言えばあのスキル、スキル捕食だったわね」
「はいスキル捕食とスキル同化ですね」
「知ってた?スキルの設定に仕掛けがあるって」
「何ですかそれ聞いてないですよ」
「特に捕食の方だけど、悪性スキルを優先的に捕食するように設定してあるそうよ」
「そうなんですか、全く聞いてないですよ」
「スキル同化のほうも同系列のスキルは5個までしか同化出来ないみたい」
「そうなんですね」
(なんだよそれなら、あんなにスキルつけなくてもよかったじゃないか)
なんと捕食スキルはそのまま放っておいても問題なさそうな事がわかったが、それを分かったとしてどうする事もできない、できれば後で転生した晴乃香さんに知らせてあげたいが。
こちらから直接地上人へ伝える事はできない、だから教会と言うシステムがある。
人族と教会の関わりは実は天使が作った通信システムだったりする、よく見ると携帯電話の基地局に似ているのは気のせいだろうか。
密命を帯びた使徒に連絡する場合、教会に立ち寄れば通信できるという神の作った伝達システムを天使が応用しているのだ、勿論人はその本来の理由を知る事は無いが、天使から地上にいる使徒へ連絡する唯一の方法である。
そして天使はマーシャからの連絡を今か今かと待っているのだがすでに7年が経ち一向に連絡の気配すらしてこない。
「何故連絡してこない」
もちろんマーシャが天使の事を信用していないと言う事も有るのだが、もう一つ物語には欠かせない事がある。
それは神聖騎士団を傘下に持つ神聖ロマール教会、要するに聖女をあがめる教団だ。
マーシャは最初からこの宗教組織に強い懸念を持っている、それは単純に神に対する考え方なのだが、天使を信用できないのだから神に対しても同様の考えを持っていたとしてもおかしくは無い。
王様も教会に対して毛嫌いしているところもあり、この時代王家は教会をあまり快く思っていないようだ。
そして現在の教会のトップは教皇だが、そこが割りと強い権限を持っていたりする。
現在の教皇は平和理想主義のため、あまり表立って国王のすることに口は出してこないのだが。
それを快く思わない教会のナンバー2が次の選挙で教皇の座を狙っているのだという。
その理由は国王が魔族や獣人との融和政策を取っていることに教会のナンバー2以下数名が反対している事にある。
この事からすでに数ヵ月後の選挙で教皇が交代すると言う話しが出ている、現在の教皇の下に5人の教皇候補が居るわけだが。
通常教皇になるには48人居る教会のトップが多数決による投票で決めることになっている。
だが、それをひっくり返す方法がある、それは聖女を見つけること、要するに聖女の後ろ盾になればそのまま教皇の道が開けると言う訳だ。
そう、この後マーシャはその騒動の中へ巻き込まれていく事が確実なのだが。
それは又今度の話しでお伝えしよう。
この小説は最近の流行に対し、一石を投じるために書き始めた、というのは大げさだが。
今の流行りは逆境に抗いそして苦労をして成長するのが殆ど、まあその方が受けがいいからだと思う。
今の現代日本は平凡だらけで、非凡な日常を求める読者はそう言うシチュエーションを小説やアニメに選びがち。
でも、ぼくはあえて最上から書いてみることにした、しかもかっこいい男の子でもなく綺麗なだけの女の子でもない。
題材としてはそれほど変わった物語ではないと思うけど、その中に自分の考えをいくつか入れてみることにした。
それは、どうすればいじめが無くなるか?どうすれば争う事が無くなるか?
そういう疑問を言葉にしてみる、自分の小さな力では出来ることなどほとんどない、この身がスーパーで不死だったなら出来るのにと何度思ったことか。
何も物語は下から這い上がらなければいけない理由など何処にもない、ならば王道を王のごとく、そして当たり前を当然のごとく行っても良いのではないか?
書き始めたらあっという間に6ヶ月、結構書き進めることが出来た、第2章も掲載するつもりだが、今のところ保留しようと思う。
誰だ!血がドバーッと出るシーンが無いって?、いやいやそれは少年誌じゃ出せないって。
えっ?今はいいの?じゃ性教育は?だめ?嘘!おかしくないか?
そう思うなら一票を投じてください。
他にもある、男尊女卑はいつ無くなるのだろう、なんて小さな疑問・これらを変えない限り世の中は良くならないと思うのは僕だけだろうか?
僕は女性の味方です、だって女の子にもてたいからそれが永遠のテーマでしょう。
書きながらいくつかのテーマを言葉にして書き綴ってみました、新人作家の世迷い事が多いかもしれませんが、そこはご勘弁ください。
何よりここまで読んでいただきありがとうございます、物語はまだ続きますので次の章もよろしくお願いいたします。




