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罪に願いを 新世界の先駆者  作者: 綾司木あや寧
二章 赤陽世界編
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ギイム 5

「魂の譲渡は主従契約の側面もある能力で、例えばマモンちゃんが戦いで傷を負った場合、その半分を私が受け持ったりする事も出来るんですよ?」

「え、どういう事…なんですか?」



「通常の主従契約は、主人が従者に命令をし、従者自身の力で戦うのに対して、魂の譲渡による主従契約は先述の説明に加えて、主人の魔力を使用したり、自身が受ける傷の半分を主人が受け持つ事で長期間の戦闘を行えやすくしているんです。

 まあ、魂レベルでの主従契約ですし、それくらいは出来て当然ですけどね〜」

「…………」


 その説明に呆然とするマモン。


「つまりだ、俺たちの言うことを聞いてれば、全盛期より更に強い状態で暴れ放題ってわけだ」

「それをアナタやアマテラス様が許してくれるとは思えませんけどね……。

 それに、あの恐ろしい戦神も……うぅ……」


 マモンは思い出したように震える。


「戦神?」

「ルイの事だよ」

「あ、オーちゃんですか! 確かにあの子は悪魔や邪神にはとても厳しい面がありますからねぇ〜」

「厳しい面というか、殺意しかないでしょ!!あっ……ないじゃないですか……」

「うふふ……良いですよ、タメ口でも」

「えっ…?」

「さっきから言いづらそうにしながら気を使ってくれてたんですよね」

「いや……でも……」

「俺の時はそこまでよそよそしくなかったのに、相手が天照大御神様となると随分謙遜するじゃないか」

「さまようホームレスであるアナタならまだしも、ステラさんなら言い方に気をつけるのは当たり前です!」

「誰がさまようホームレスじゃいっ!!」

「ふふっ……なんかRPGのモンスターに出て来そうですね〜」

「ったく……。 で、本題に戻すが、ベルゼブブの目的は何なのか予想はついてるのか?」

「えぇ〜……どうしてアッくんはすぐそっち側に話を振っちゃうんです〜?」

「振っちゃうもなにも、俺の目的話してなかったっけ?」

「婚約と式を上げるため……ですよね?」

「はい、違いますね。 六大世界滅ぼそうとしてる七つの大罪の力を封印するためですね」

「あー……惜しかったですね……」

「掠りすらしてねーよ!」

「仕方ありません……アッくんには特別、暴食の悪魔の目的を教えましょう」


 ステラは手で四角い形を作り上げ、別空間に隠していた木箱がその場に現れる。

 その箱の蓋を開くと、そこには古びた鏡が入っていた。

 興味津々にそれを見るマモン。 アルハはおおよその予想は出来ていたのか、「やっぱりか」という表情をしている。


八咫鏡(やたのかがみ)。 遥か古に、二大創造神グラン・クロノス、アフラ・マズダ・スプリウムが、この赤陽世界の均衡と安寧を齎さんと造った三種の神器の一つです」

「うわぁ……なんか……パッと見ホコリまみれになったガラクタみたいな見た目なんですね……」

「この世界を治めるために必要な神器によく言えるな……」

「これの管理と所有権を私が。 そして、この八咫鏡以外の神器、草薙剣(くさなぎのつるぎ)八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)をスーくんとツーくんがそれぞれ管理、所有しています」


 マモンが顔を耳元に近づける。


「アルハさん、先程から出てくるスーくんさんとツーくんさんとは?」

「ステラの弟のスサノオとツクヨミの事だよ」


「神の力を行使できる私とは違って、神の力をイザナギに封じられている弟たちの方が都合が良いと考えたのでしょう、彼は私から居場所を聞くと、その二つを得るために富士山へと赴きました。

 これが、お二人が来るまでに起こった出来事ですよっ☆」

「あの、質問いいですか?」

「はいっ! マモンちゃん、何でしょうか?」

「どうしてステラさんはベルゼブブを止めなかったんですか? 神の力を使えば簡単に解決できると思うんですけど……」

「神の力は、同類である神か、不自然に発生した異常時しか使用を許されていないんです。

 なので、人、又は天使などが解決できる事案である悪魔の所業に対して、私たち神は基本的に静観という選択になってしまうんです。

 ちなみに、それに離反した場合、神の力や権限が失われてしまうので、破ろうとする方はあまりいないんですよ〜ぉ」

「そう、だったんだ……」

「じゃなきゃルイも不意打ちで力を奪われる事は無かっただろうしな」

「あ…そっか……」

「オーちゃん脳筋ですからね〜ぇ。 最悪、神の力使ってても盗られちゃってそうですね〜(笑)」

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