ニルプス 4
ニルプス城奪還。 並びにニルプス王国の洗脳開放から数日が経過した。
あの後、強欲の悪魔の頭部を再生させて、話を聞こうとしたが、彼女は一向に口を割らなかったらしい。
今は地下牢に幽閉してるらしいが、アイツは本当に大罪の悪魔なのだろうか?
若干の違和感を覚えた俺はルイに頼み、地下牢へと向かう事になった。
「お前、やりすぎなんだよ」
「国を奪われた事が無いからそんな甘い考えでいられるんだ。 貴様は昔から自由だったから分からんだけだ」
「うっ……否定できない……」
その道中でルイの行き過ぎた行動に苦言を呈するも甘ちゃんと一蹴されてしまった。
「つーか、あんな簡単に倒せたのに国奪われるとかおかしくないか?」
「貴様が私に与えた魔力があったから快勝したんだ。 あれが無ければ、私はそこいらのガキと同等の力しか振るえなかっただろう」
あ、そういやそうだったな。 うん?
「お前、俺が来る前にも何回か城に侵入してたんだよな?」
「ああ。 それがなんだ?」
「え、まさか、そこいらのガキと同等の力しかなかったのに取り返そうとか思ってたわけ?」
「私なら出来ると思ってな」
わお、なんて驕り。
「お前もよくやるな……」
「この傲慢さは貴様の影響だ」
「もう少し柔らかくなった方がいいぞ?」
「メリットが無い事はしない主義なのでな、その」
「へいへい、俺がその方が好きってだけですよ〜」
「……善処しよう」
「善処するんかい」
そうこうしてる内に強欲の悪魔が囚われている地下牢へと到着した。
地下牢……というか、地下全体には魔法陣が張り巡らされており、絶対に悪さをさせないというルイの確固たる思いを感じる。
「…………」
牢屋の奥では背を向け、膝を抱えている少女の人影が見える。
「あの姿、契約した人間のものか? 前に見た時とは違うし……」
「だろうな。 数日前に玉座で見た強欲の悪魔よりも華奢な体つきになっている」
「の、わりに胸はデカいな。 多分F」
「貴様も刺し殺してやろうか」
「あ、冗談ですすんません」
「どうする? 牢屋に入るか?」
「えっ、ルイたそ、かなり怒ってる!?」
「……話をするなら近い方が良いと思って言ったのだが、そんなにブチ込まれたいなら……」
「ジョーダンだって! ムキになんなよ〜」
茶化しながらルイの旋毛を突っつく。
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「……」
「アナタ、バカなんです?」
「開口一番バカ呼ばわりは傷付くなぁ。
アイツとは友達だし、ガチ切れされるわけないかなー……って、思ってたんだよ」
結果、槍で穴だらけにされて身動きが取れなくなった後に強欲の悪魔の牢に入れられたアルハであった。 他人事みたいに言ってるが自分の事なのが……。
「友達、ですか……」
こちらの言葉に思い出した様にポツリと呟く強欲の悪魔。
青みがかった黒色の髪や瞳、ポニテが横の方で出来てるのは……サイドテール? というやつか?
華奢ではあるが年齢は十代半ばぐらい……。 ま、願いを叶えるなら、それぐらいの子供が適当か。
「可愛いな」
「うわ、キモ……。 ロリコンのお世辞とか嬉しくないです」
「お前じゃなくて、お前が願いを叶えて奪ったその体を褒めたんだ」
「……」
言葉を噤む強欲の悪魔。
「お前、優しいんだな」
「……え?」
「死にたいと思ってる奴を選んで、その願いを叶える代わりに肉体を……なんて、普通の悪魔ならやらないぞ?」
「っ! どうしてそれを……」
俺は自分の頭を指差す。
「頭……もしかしてアタシの記憶を?」
「そういうこと」




