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罪に願いを 新世界の先駆者  作者: 綾司木あや寧
五章 水明世界編
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神の正体 3

「アルハさんが……」

「創造神……」

「アフラ・マズダ……」

(やはりか……)

「え…………あッ! も、もしかしてアッちゃんヒミツにしてたノ!?」

「言ってたら揃いも揃って呆然とはならないだろ」

「あんらァ〜!! どうしましょ!? ネ、どうしましョぉ〜〜ッ!!」

「よし、説明するためにもお前は少しお口チャックしろ」

「……ハッ! そうネ!」


 親指と人差し指を合わせ、唇の端から端へなぞるよう指を動かす。


「あ、あのっ……!」


 トーマの一人劇団が閉幕したことで呆然としていたマノが口を開く。


「本当……なんですか?

 アルハさんが……その……」

「……そうだ。 俺が創造神アフラ・マズダ・スプリウムだ」

「……隠していたんですか?」


 言葉を詰まらせながら核心を突いてくるマノ。


「そうだな。 その方が色々と都合が良かったし」

「アッちゃんが隠す理由ってあるのォ〜?」


 オカマスターのチャックは十分と持たずに開かれてしまったようだ。


「人間の状態にまで力を落としても、創造神が人のために動いてたらーとか騒ぐ奴らがいるだろ?」

「あァ〜……」


 理解したように頬に手を当て、明後日の方向を見るトーマ。


「あの三バカ、まだアッちゃんの自由行動にイチャモンつけてんのネ……」

「戒律厳守石頭のラーは別として、ゼウスは容姿をガキに変えられた腹いせ、シヴァは『放浪する暇があるなら俺と戦え!』って、事らしい……」

「じゃあ、アタシが信用出来なかったとかでは……」

「んなわけ無いだろ」

「……」


 こちらの解答に安堵し、穏やかな顔を見せるマノ。


「……ま、今ここで俺の正体を聞いても驚かなかった誰かさんは、大方の予想はついてたんだろうけどな?」

「驚かなかった……えっ!」


 俺の視線の先にいる男は一切反応せずに突っ立っていた。


「志遠さん知ってたんですか!?」

「っ……」


 首を縦に振り……。


「いや、口で言えよ」

「…………曖昧な記憶だが、俺が元いた世界の神が人に力与える事はあったし、最終的に人が最高神になるという事もあった。 だから、その線も考えられた」

「そうだったんですね……」


 志遠のやつ、仲間の記憶は消えてるのに世界の仕組みについては覚えているらしい。


「神様が……尽力…………」


 そんな志遠の話を聞き、何か思う事があった璃空は消え入るように小さく呟いた。


「と、まあそういう訳だ。 どんどんあるはしゃんを敬うがいい……!」

「……たちまちカリスマ性が消えていきますね。 最初から無かったですけど」

「おい!」


 ーーーーーーーーーー


「ゴクン……ゴククン……ゴククククン……プヒャー! アヴネミテゼアの水、最&高ッ! ありがとネ、由利ちゅわん♡」

「ううん。 みんなの話聞いててもなんにも分からないから……私にも出来る事を少しでもしたくて……」

「なんて健気なのかしラ……。 アテクシ、涙がチョチョ切れちゃいそッ!」


 喉が乾いたという事で、由利が用意したカップに入った水を受け取り、主張強めの嚥下音(えんげおん)を響かせながら一気飲みしたトーマ。

 現状、このオカマスターボディにティアマトの魂が宿っているから、水分が足りなくなる事は無いはずだが……まあ、いいとしよう。


「で、この酒場に来たバアルついてなんだが……。

 トーマ、お前の主観で良いから何か気になる点を上げてほしいんだけどさ……」

「あァっ! そうネ、その話。 気になる点……そうねェ……。

 ……あ! バアルって娘がアテクシに一度だけ触れてたワ!」

「!……。 その時、何か変な気分とかになったりしなかったか!?」

「確か……触れられた時、黒い霧……というか闇? みたいな物を体に入れられた気がして、その瞬間に色々な機能が停止したノ」

「……それ、大丈夫なのか?」

「ええ、平気ヨ! その闇のせいで眠っていたけど、ティアマトの魂をこの肉体に移したことで追い出せたもノ」

「そうか、ならよかった」

「…………ぽっ」

「お、八尺様の真似か。 結構似てるな」

「照れてんのヨ! さっきの流れにしたくないからって、ボケないでもらえるかしラ!?」


 ーーーーーーーーーー


「でも、闇か……。 って事は、相当厄介な相手だな……」

「誰か分かったんです?」

「ん。 旧支配者で闇を操るって事はアイツしかいないだろ」


 マノに恐怖を植えつけ、未だ絶えない黒霧を放ったバアルの正体。


「バアルの神としての名は、邪神ガタノ──」

「ガタノゾアよォ〜!!」

「…………」


 真面目な展開になりそうなタイミングでこれだ。

ご覧いただきありがとうございました!

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