魔剣使徒編 エピローグ
「で、月光世界から赤陽世界へ転移して、ステラさんに回復系の異能力使ってもらって、今に至ります!」
「ステラに回復系の異能力……って、事は……」
「……アタシも受けました。 ほぼ全裸な状態でエッチな夢を見るやつです……」
「大変だったな」
「他人事みたいに言わないでくださいよ! アルハさんが神の力一気にバーン!って使えば、アモちゃん瞬殺!レヴィさん瞬殺!アタシは苦しむこと無い!で万々歳だったんですよ!?」
「一気に使ったら天上世界の神に俺の正体や神の戒律に反している事がバレるんだよ。
それにアスモデウスは確かに俺が一気にバーン!で転生聖奥使って終わりでも良かったとして、レヴィアタンに関してはお前が逃してんじゃねぇか!」
「良いじゃないですか! アタシは無意味な殺生はしない主義なんですぅ!」
「俺もだわ! つーか、話長すぎて俺以外、全員寝てるし!」
「え? あ……ホントですね……。
そんなに長かったですかね?」
「長いわ! あっても一時間弱かと思ってたら十時間の長編聞かされてた身にもなりやがれ種族中途半端系女!」
「なっ……! 反論したいけど、悪魔だと思ってたら人間で、ただの人間じゃなくて創造神の娘とかいう凄いポジションだったから、どう返せば良いか分かんないじゃないですか!」
「…………。
……そうか」
「? アルハさん?」
マノのツッコミで何かを思索するアルハ。
「マノ、やっぱりお前も水明世界に行った方が良いかもしれないな」
「えっ?」
「ルイーー!」
部屋の窓を開け、外で居眠りをしているルイを呼び出す。
「……」
「おう、相変わらず仏c……」
「グングニル」
「痛って!? おまおまおま〜ッッ!?!?!?」
不機嫌そうにアルハ達の居る部屋にやって来ると、グングニルをアルハの脇腹を複数回突く。
「うわぁ……お腹が血まみれ……」
「それで、なんの用だ」
「これから水明世界に行くんだけどさ……」
「え、話し続けるんですか!? お腹の手当ては!?」
「心配無い。 残念な事に、この男はこの程度では絶対に死なん」
「んまぁ、そういう事。
それでさ、マノの正体が美徳の聖者らしいからさ、アイツに会わせたいんだよ。 そのためには……」
「なるほど、水明世界でも行動しやすいよう身分証明書を作って欲しいと……。
たしかに、奴ならマノの事に関して、私達よりも情報を多く持っているだろうな」
「さっすがルイ! よく分かってんじゃーん!」
ルイの頭を撫で回し、即座にマノの後ろへと隠れるアルハ。
「逃げるなら最初から私の頭を触るな」
「怒った?」
「ブチ殺したいほどにはな。
マノ、そこのアルハ……間違えた。ゴミクズと、守護者と、あと……黒井由利だったか? 四人で外に作っておいた魔法陣の近くで待っていてくれ。 十分もあれば身分証明書が作れるはずだ」
「了解です!
さ、行きますよアルハさん」
「うぃーーっす」
「未代さん、起きてください」
「っ……」
マノに体を揺すられ、目を覚ます志遠。
「話終わったので、いよいよ水明世界に向かいます。
外にある魔法陣の所にレッツゴーです」
「っ……」
首を縦に振り、マノの言葉を理解した事を示す志遠。
「で、後は由利さんですけど……」
「連れてきた」
「早っ……。
流石はロリコ……アルハさんですね!」
「おい、隠せてないぞ」
「アルハさん……これからどこに行くの?」
「ん〜?」
不安そうにする由利の目をじっと見つめるアルハ。
「…………あ」
神王の瞳を見た由利は意識を失い、再び深い眠りにつく。
「これでよし」
「ロリコンな上に催眠とか……いよいよR18指定かかりそうな事してますね……キモ」
「怖がってたから寝かせたの!」
なんだかんだで四人は魔法陣の元へ向かってから十分が経過した。
「出来たぞ」
「おっ、ジャスト十分!」
「ホントに十分で身分証明書作っちゃうんですね……流石神様……」
「そこで神としての評価上げられるのはあまり嬉しくないが……。
これがマノの分で、これが黒井由利の分だ」
「一つあたり五分で作ったんですか!? 神様、凄すぎます……」
「君の中での神としての評価基準どうなっているんだ……。
ま、それがあれば水明世界でもある程度の自由は得られるはずだ。 無くさないように肌見放さず持っておけ」
「はい。 ありがとうございます、ルイさん!」
「んじゃ、マノの情報と、そのついでに大罪の悪魔に灸を据えに行くわー」
「それを最優先にしろ!」
「あはは……。 行ってきます!」
こうして、アルハ達は大罪の悪魔の討伐、マノの過去についてを調べるため、水明世界へと渡るのだった。
第四章【魔剣使徒編】はこれにて終わり、次回から第五章【水明世界編】となります。
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次回投稿日は2月14日18時です。




