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罪に願いを 新世界の先駆者  作者: 綾司木あや寧
四章 魔剣使徒編
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アメジスト 3

「っと……なんとか到着。

 未代さんたちは……いた!」


 レヴィアタンを退け、ニルプス城へと戻ったマノは、自身が装着する魔宝石の腕輪を志遠達の亡骸へと翳していた。


(ガイムさんはさっき触れたし、イオさんも眠ってる時に合わせたから問題無い……よね? あとは……)「聖奥解放」


 右手を空に掲げ、左手を志遠達へと伸ばす。


「天より地を照らす輝き、一切の邪悪を祓う、清浄の光芒となれ!」


 右手には冷たい色の光が集まり、マノの体を巡って左手から志遠達の肉体へと送り込まれる。


(……本当に言ってたとおりになった)

「お嬢さん!」

「っ! ガイムさん、イオさん……」

「大丈夫ですか、マノ様!」

「はい、アタシは……」

「? ッ……!」

「まさか……そんな……」


 地下から遅れてやってきたガイムとイオは、そこで起きたであろう惨状に息を呑む。


「団長が……副団長が…………!!」


 二人の遺体へと駆け寄り、膝をつくイオ。


「これを全部、あの悪魔が?」

「すみません……。 アタシが来た時には、もうみんな……」

「でも、どうにかなるんですよね!?」


 涙を拭い、イオが問いかける。


「はい。 アタシの見立てが間違っていなければ、きっと……」

「へぇ〜……どうにかなるって、どうやって?」

「『!?』」


 ニルプス城正門に見える人影。

 おぞましさを醸し出す螺旋状のオーラを放ちながら彼女は佇んでいた。


「レヴィさん……」

「あの人……聖域でガイムが一緒にいた人だよね?」

「なんで気付けなかったんだ……って、ツッコミはすんなよ?」

「しない。 団長たちがやられるぐらいだから、ガイムじゃ騙されてもしょうがないし」

「……それはそれでちょっと落ち込む納得の仕方なんですけど」

「ふふっ……。 そこの二人は相変わらず仲が良いね」

「やっぱりフリだったんですね」

「もちろん。 最初の聖奥は凄い威力でビックリしたけど、あのぐらいなら硬化魔法でどうとでもなる。

 それに、先に紫の魔宝石を使うフリをしたのはマノちゃんだから、お互い様でしょ?」


 レヴィアタンは柔らかな笑顔で答える。


「……笑顔、引きつってますよ?」

「!……」

「アタシに騙されたのが相当悔しかったんですね」

「……マノちゃん、どうしてそんなイジワルな事を言うのかな?

 私はマノちゃんを私のモノにしたいだけなのに……」

「その言葉の前後に全人類の殲滅と世界滅亡って言葉が無ければ、別にそれでも良かったです。

 でも、今のアナタは人類の……ひいてはアタシの敵です。

 だから、その願いに応える事は出来ません」

「……ソイツらがいるから?」

「えっ……?」

「そっか! ソイツらがいるから、マノちゃんは自分を圧し殺して、良いヒトのフリをしてるんだね!」

「? 意味が分かりません……アタシは――――」

「そっかそっかー! じゃあ、気を使わせちゃう悪い人間は、殺さないとね!」


 手元に数十センチの亜空間を生み出し、そこから魔剣を取り出す。


「あれは……!」

「ガイムの魔剣……それにレーバテインまで!」

「やっぱり継承していたんですね……」

「ふふっ……。 邪奥解放……」


 抜刀術の構えをするレヴィアタンが、直線上にマノ達を見据える。


「ガイム、あの構えって……」

「団長の魔剣聖奥……。

 お嬢さん、ここは僕達に任せて逃げてください!」

「何言ってるんですか! 二人共、怪我してるし、武器だって……」


 その直後だった。


「邪奥解放……」

「えっ……」


 抜刀術の構えはそのままに、二本手にしていた筈の魔剣は一本だけになり、その魔剣はティルフィングでもレーバテインでもない魔剣へと形容を変えていた。


「ガイム、今、魔剣が……」

「一つになった……!?」


 薄汚れた黄色い剣が目にした者の恐怖心を煽る。


「本来の半分の威力、魔力無効化、必中……。

 原典よりは性能的に劣るけど、殺すには十分過ぎるかな……」


 新たな魔剣の登場に、ただ立ち尽くす三人。


「……………。

 ……………。

 ……………! 二人共、下がってください!

 聖奥解放!」


 ハッと我に返ったマノが真紅色に染まる騎士の化身を顕現させる。


「黄昏の剣よ、世界に終焉を……ラグナロク」

「紅宝聖剣!」


 先制して放たれた赤い騎士の剣撃が、発動直前の抜刀術を弾き、レヴィアタンを退ける。


 …………退けていたはずだった。


「ゲホッ……ゲホッゲホッ……。

 な……何が…………」


 次に意識が戻った時、マノは自分が倒れ伏す事に戸惑いながら周辺を見渡していた。


「!……。 ガイムさん! イオさん!」


 マノのすぐ後ろには、ガイム、イオの両名も先程以上の傷を負い、倒れている。


「なんで……」

「これが、北欧魔剣の本来の姿」

「ッ!」


 前方では薄汚れた黄色い剣を手にするレヴィアタンが佇む。


「どうして魔剣が四本だったのか、答えは簡単。 一本では強すぎて人の手には余る代物だったから。 だから、力を分散するために四本に分けた。

 じゃあ、どうして魔剣を作り出したオーディン自らが手にしていなかったか……」


 そこまで言い、刀身に頬を寄せる。


「手にできる訳が無い。

 この剣は、オーディンを殺すためにオーディン自身が作り出した剣だもん」

ご覧いただきありがとうございました!次回投稿日は12月16日12時です。

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