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作者: 君月 満

遠くに

遠くに聞こえる微かな音

それはただの風の音だけど

なぜか寂しい冬の音


身を切る寒さを携えて

風が季節を運んで来る

冷たい空気は凛として

鋭い痛みが肌に突き刺す


見上げた空は灰色

そこから白色の形…雪

空から舞い降りる軌跡は曲線

揺れに揺れては、やがて人の形に触れて

ただただ溶け消えてゆく

一粒の水たまりだけを残して…


背中をまるめ道行く人

家路に急ぐ足跡

振り返らずに

また一歩

また一歩と

頬の赤みと白い吐息

それは

人の温もりが伝わる時

人の情熱が伝わる時


あの道端の猫はどこに行った

あのキツネの親子はどこに行った

懐かしく思えば思う程に

遠ざかるのは幼子の心だけ


己の内面に向き合う季節


12月に向かう心は


まだ贖罪にある


時の刻みに耳をすませば


聴こえてくるのは


あの冬の音



































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