キョウドウ
会議場に2、30人ほどのスーツを着たもの達が待機している、演壇が用意され、誰かを待っているようだ
演壇側の扉が開いた
扉から4人の男達が歩いてきた
ひとりは壇上の中央に立ち、他は横に用意された椅子に腰かけた
席が2席空いている
「待たせたな」
中央で立つ男が待機していたもの達に向け話し始めた
「我々の活動は国に認められた、これからは公で活動ができるようになった」
そういうと紙を一枚取り出して話を聞くもの達の方へ向けた
おおっ
歓声が湧いた
国からの活動許可申請書だった
「能力を持つ者は能力を持つ者が裁く、私達はそれを公的に認められたんだ!」
男は誇らしそうに口角を上げた
次に別のものが代表と変わり話しはじめた
「いいか、俺らに必要なのはまずは力だ、能力を身につけて凶悪な犯罪を犯す奴らも出てきている、それに負けない力を身につける必要があるからな」
聴いてるもの達に緊張が走った
「あとひとつ、これだけは守ってくれ」
遠くの方からバタバタと音がする、こっちに向かってきているようだ
「俺らは能力を持っている……そんな俺達が能力を持たない一般人を傷つける事は絶対に許されない」
険しい表情で脅すように警告をした
聴衆は静かに息を飲んだ……
バタン
壇上側の扉が開いた
「すまん、遅れた! ターゲットと間違えて一般人を倒しちまった!」
キョウドウだった
会議場の空気は凍りついた……
発表会は終了し、壇上にいたもの達とキョウドウは別の部屋で集まっていた
この団体はこの5人が仕切っている組織だ
はじめに発表を行ったのがリーダーの『サンゲン』次に発表したのがサブリーダーの『カミウマ』補佐に『セタ』と『トドロキ』がいる
「だから言ったろキョウドウなんかにまかせるなって!」
ドアが揺れるほどの大声でトドロキは怒鳴った
「っるせーなぁトドロキ、で、キョウドウよぉ、大事な発表を遅刻して、俺らに恥もかかせて、なんか成果はあったのかよ」
セタもキョウドウに対する苛立ちが隠しきれずにいるようだ
「すまん、無い!」
キョウドウは力強く答えた
「なぁサンゲン、今からでも遅くねぇよ、キョウドウは組織から外そうぜ、こいついらねぇだろ」
セタのイライラが爆発した
トドロキ、セタとは対照的にサンゲンは落ち着いていた
「キョウドウ、失敗っていうのは怖いよな、一回の失敗でも印象っていうのは真逆になってしまうこともある」
サンゲンはキョウドウの肩に優しく手をおいた
「俺がみたいのはいつまでも失敗を恐れずに向かっていくキョウドウだ、そんなお前だから俺はお前に幹部になって貰ったんだ」
キョウドウは唇を噛み締めていた
「倒した一般人ってのは大丈夫だったのか?」
今度はカミウマがキョウドウに話しかけた
「あぁ、近くにいた女子高生が能力で治していた」
キョウドウの言葉に全員の表情が変わった
全員がキョウドウに詰め寄った
「お前なんでそれを最初に言わない!」
「その娘は今どこにいる?」
キョウドウは勢いに押されながら
「どこかはわからないが、あの制服は確かチトセ高校のだったはず」
と答えた
「活動許可証は明日から有効になる、やるなら今日しかないぞ」
サンゲンはセタに目を向けた
「ああ、まかせとけ」
キョウドウは立ち尽くしていた
俺は何を言ってしまったんだ?
いきなり全員いなくなってしまった