新居
仕事を続ける事を心に決めた今日子は、貴司と共に新居探しを始めた。
絶対条件はペットOK。
今日子は実家で犬1匹と猫2匹とで、暮らしていた。
犬は非常に臆病な性格で、今日子と両親以外にはまるで懐かず、夫となる貴司との共同生活は難しく思えた。
猫のうち1匹は、かなりの高齢で急激な環境の変化についていけないだろうと考え、やはり実家に置いておく事にした。
もう1匹の猫は人懐っこく、貴司にもよく懐いており、新居に連れて行っても問題なく思えた。
今日子は生まれた時から、動物のいない生活を経験していない。
いるのが当たり前なのだ。
貴司も動物は好きだった。
実家を出て一人暮らしをするようになってからは、飼えなかったが、実家にいる頃には犬を飼っていた。
とても可愛がっていたという。
この条件はなかなか難しかったが、今日子の職場近くで、実家からも程近く、貴司の通勤にも便利な場所で、手ごろな賃貸マンションが見つかった。
今日子と貴司は、そこを新居と決めた。
先に貴司が入居し、今日子は入籍と結婚式が済んでから、入居する事となった。
結婚前の同棲は、今日子の親が許さなかったのである。
ただ、友人達にはいろいろ言われた。
同棲もせずに結婚して良いのかと。
同棲してお互いにやっていけると判断してから、結婚すべきではないか?
そんな意見もあったが、割と古風な考え方をする今日子は、親の意見に従い、貴司もそれで納得した。
実際に貴司が新居に入ってから、入籍と式を済ませて、今日子が入居するまで、2ヶ月程の時間がかかった。
その間、今日子はせっせと新居に通い、荷物の整理におわれた。
しかし、それは楽しい作業であった。
もうすぐこの部屋で貴司との暮らしが始まる。
そう思うと、今日子はウキウキしていた。




