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diary  作者: ヤブ医者
3/4

いざ!遠足へ…

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soutatym3

「ただいまー…」

渉は誰もいない部屋に入った。

引っ越しが終わり渉は退屈な日々を送っていた。

昼頃におきて飯を食べ、夕方までゴロゴロし飯を食べて寝るという、不健康過ぎる生活を営んでいた。

実際今日外に出たのも今近所のコンビニに夕飯を買いに行ったくらいで、それ以外は一切外に出ていない。

まぁ、それも無理はない渉は新社会人になるまでのやることが無いのだ、だから退屈になる。

そのため渉にはある習慣がついた。

それは日記を読むことだ、時間はマチマチだが読み始めたら止まらなくなる。

渉は今日も日記を開いた。

日記の日付は5月17日、文面はこうだ、

『5月17日、楽しみにしていた遠足。目的地は東京!東京観光だ、東京は行き慣れてるから楽しみでも何でもないが皆と騒げるのが楽しみだ。奏にも東京を案内してやろう…」

この日は…っ!

渉は苦い思い出を思い出した。

この日渉と奏はひょんなことでで行動していた。

だがその時あるクラスメイトに

「付き合ってる」

だとか

「見せつけてる」

だとか酷いことを言われからかわれたのである。

しかし渉はこの時笑って誤魔化してしまった。

奏を庇うこともしなかった、そのせいで奏を傷つけてしまった。

これは渉が奏に覚えている後悔のひとつだ。

渉は自分の嫌な部分を押しつけられたみたいで胸が締め付けられた。

「逃げるな…」

渉は一言そう呟くとページを開いた。

ふいに渉の意識がとんだ。


ヂリリリリっ!

渉の頭に目覚ましの音が響く。

頭がガンガンする。

渉は片手で目覚ましを探り音を切った。

「朝か…」

渉は寝ぼけかけの頭で起き上がった。

昨日は確か…。

そうだ荷造りをして引っ越しして、それで日記を読んで…。

あれ?それから何した?

渉にはそれ以降の記憶がなかった。

徐々に意識がしっかりしてくる。

「ここは…!」

そしてようやく気がついた。

そうその部屋は引っ越した新しい部屋ではなくかつて住んでいた、実家の一室、自分の部屋だった。

しかもその部屋は妙に生活感があった。

だが今その部屋は引っ越しの為家具や荷物を全て出したのですっからかんだ。

だがこの部屋は違う、家具が全て揃っておりしかも散らかっている。

それはまさしく昨日まで誰かが暮らしていたようだった。

渉は改めて辺りを見回した。

すると更におかしな事に気がついた。

「制服がある…。それに参考書…。おかしい、これじゃもう高校生の部屋じゃないか…!」

渉は訳が分からなくなった。

自分の身に何が起こったのか、なぜ起こったのか。

そんな渉に追い打ちをかけるように下から声が飛んできた。

「渉ーっ!学校遅刻するわよっ!」

「学校っ!!」


あれから今一状況が掴めないまま。

制服着せられ家を放り出された。

だがやはりまぁそう言う事って事だろう。

ここは、俺の『過去』だ…!

認めざるを得ない。

でもなぜ?

トリガーは何だ?

俺は何のためにここへ来た?

「あー…。頭がおかしくなりそう」

渉は頭を抱えた。

その時だった。

なつかしい声が渉の体を貫いた。

「渉…!酷いよ先に行くなんて!」

渉はその声に絶句した。

この声は紛れもない、忘れはしない!

この声は…!

「か、奏…っ!」

渉の後ろには奏が息を切らして立っていた。

「もう、なんで先に行ったの?」

奏はそう言うと渉の頭をコツンっと拳で叩いた。

その様子から本気で怒っているようでは無いようだ。

「ご、ごめん…」

渉の声はこもっていた。

「分かればよろしい!さっ、行こっ?」

奏は笑顔でそう言うと先を歩き出した。

まさか…?

嘘だ…!

もう会えないと思ってた…。

でもいま奏は俺の目の前にいる、生きている!

じゃあやっぱりここは過去だ!

あの高校2年生なんだ…!


「おっはよ~!」

教室に入るや直ぐに愛梨が挨拶をしてきた。

「おはよう」

「おっす」

二人も挨拶を済ます。

先に奏と会って良かった。

最初から誰とも会わずに教室に入ったら久々の高校生のテンションに押し潰されていただろう。

何とかこの登校での奏との会話でそのテンションにもなれた。

とりあえず怪しまれずに済むだろう。

渉は席についた。

「おっは~!渉っ」

「よっ、渉」

「おはよう、渉!」

博人、宏哉、夏も席に集まってきた。

「おはよう」

渉も挨拶を返す。

皆と顔を合わすのも久々だ。

まさか過去で再開するとは思っても見なかったが…。

「遠足楽しみだな?」

唐突に宏哉が言った。

「遠足…?」

渉は聞き返した。

その言葉に周りの皆が驚いた。

「え、渉忘れたの?」

と愛梨。

「お前、そりゃないだろ」

と博人。

「あんた、あんなに楽しみにしてたじゃん」

と夏。

「遠足は一大行事だよ」

と奏。

皆揃って目を丸くしている。

え、嘘?

今日遠足なの?

まじかよ…!?


「来たぜっ!東京っ!」

宏哉が言った。

どうやら今日はあの遠足の日らしい。

まさか今日がその日とは…。

となるとトリガーも何となく分かってきた。

「おいおい!皆もっとテンションあげろよ!」

「そうだよ!楽しまないと!」

宏哉と奏が皆に促した。

それに夏が、

「あんたねぇ。あんたは東京初かもしれないけど私らはもう飽きるくらい来てるのよ…」

と飽きれ顔だ。

「それに宏哉、お前は何なんだ?」

博人も飽きれ顔で言った。

「いや、皆ではしゃげるんだぜ!?」

宏哉は両手を広げ皆に必死に問いかけている。

それに皆が、

「いや、いつもはしゃいでんでしょあんた」

「つか、町中ではしゃぐな」

「我が校の恥ね」

ときつい言葉を返す。

「みんな…、そこまで言わんでも…」

宏哉にはそうとう答えたらしい。

でも、宏哉の言う通りかも知れない…。

東京何て俺達は飽き飽きしてるが、奏にとっては未知の世界でそれ故にウキウキもするだろう。

それに、せっかく過去に来たんだなら少しでも後悔を無くそう。

心を軽くしよう!

「そうだな、宏哉!楽しもう、奏の為にもさ!東京案内してやろう!」

渉はガッツポーズをした。

皆の目のどことなく輝いてる気がする。

「よっしゃ!じゃあどこから行く?」

「愛梨、やはりここはまずは東京タワーでしょ?」

「うっわベタすぎ博人、まずはショッピングでしょ」

皆が、いつもの皆に戻った。

「渉゛ーっ゛!あり…がとう!大好きだっ!」

宏哉が泣きながら抱きついてきた。

「うっわ!やめ、やめろっ、宏哉!気持ち悪いっ!」

懐かしいなこの感じ。


自由時間が始まってから3時間程経った。

渉達は奏を様々な所に連れていった。

「いやー、いろんな所いったな」

宏哉が言った。

それに夏が、

「そうだね、いっぱい買い物も出来たしもう文句なしだね」

と満足げだ。

「私もすごい楽しかった!いつもの東京なのに何か違うみたいだった」

愛梨も同様だ。

皆そうとう満足したらしい。

もちろんそれは渉も一緒でつい羽目を外してはしゃいでしまった。

そういえば奏はどうだったんだろ?

楽しかったかな?

「奏!楽しい?」

渉は尋ねた。

奏は右手でピースを作り。

「うん!すごく楽しい!」

と言って満面の笑みで笑った。

「なら、よかった」

渉も満面の笑みで答えた。

良かった、楽しんでくれて…。

渉は心からそう思った。

「そろそろ、ごはんにしようよ!」

愛梨が言った。

確かに腹が減った。

「そうだな、そうしようか」

と答えたのは宏哉。

みんなはそれを契機にどこで食べるかの議論に入った。

「コンビニで買って外で食うってのはどうだ?」

唐突に博人が言った。

その案に皆のテンションか上がった。

「良いね!それ、博人珍しく良いこと言った!」

と愛梨。

「珍しくってどういう事だよ!?」

「まぁまぁ、気にしなーい気にしないっ!」

二人のやり取りが面白くて皆がクスクスと笑った。

「じゃあ、決まりだな!場所とりしとかないとヤバくない?」

と言ったのは宏哉。

その言葉に渉はふと気がついた。

あ、俺弁当持ってる。

なぜか母親に朝持たされたんだ。

じゃあ場所とりするか。

「俺やるよ。弁当あるから」

渉は言った。

それに宏哉は、

「良いのか?ありがとう渉!」

と言って頭を下げた。

「でも一人で大丈夫?」

夏が怪訝そうな顔で尋ねてきた。

確かに一人じゃちょっと心細い。

その時、

「じゃあ、私も一緒に行くよ。弁当あるし」

そう名乗り出たのは奏だった。

渉は胸に何かズシンっと落っこちた気がした。

そうだこのときだ…!

奏と二人っきりになったのは、このときだ…!

「え、奏いいの?」

やめろ、愛梨!

奏を止めてくれ…っ!

「うん、全然大丈夫!」

大丈夫じゃ無いんだよ奏っ!

頼む今からでも間に合うから!

「じゃあ、渉と奏に頼むか!ありがとな」

ふざけるな、宏哉!

今だけは頼む、誰か…、誰か助けてくれっ!!

「うん、まかせて」

「お、おぅ」

嫌がる俺の心とは裏腹に口の方はひねくれてて強がりだけが発せられた。

結局俺達は二人っきりになった…。


皆と別れて十数分、予定の公園への道のりがやけに重く苦しい。

まだか?

まだ来ないのか?

いや来たらどうする?

また奏を傷つけるのか?

渉は奏をみた。

奏はいつもと変わらない様子だ。

そりゃそうだ奏がこれからおこる事なんて知るよしもない。

その時、ふと奏が俺の視線に気がつきニコッと笑った。

渉にはその笑顔が今は鋭いナイフでしかなかった。

「あれ、渉じゃね!」

少し先で声が聞こえた。

来たっ!?

渉の握った拳に汗が滲む。

「あっ!ホントだ、しかも女と二人っきりじゃね!?」

声が近づいてくる。

3人か、喧嘩になったらどうしよ。

「よっ!お二人さん、何だ女って奏かよ」

遂に声は目の前に現れた。

渉は目を合わせられず俯いた。

「なにお前ら付き合ってんの?」

唐突に投げられた言葉は渉の心に突き刺さった。

奏、今どんな顔してる?

傷ついた?

「つか、奏ってあっちで男遊びし過ぎたからこっち来たんでしょ?」

「え、それまじ!?だとしたらヤバイくない?」

「まじまじ、何か聞いた」

「つか、二人で東京デートとか見せつけてくれるよねぇ」

やめろっ!やめろっ!

何を恐れてるんだ俺!

きっと今奏は泣いてるぞ?

俺は現実から目を逸らして、また愛想笑いを浮かべるのか?

その後どれだけ傷ついたか覚えてるだろ?

踏み出すだけでいい!

一歩踏み出すだけで!

過去を変えろっ!!

「そんな事ない…!」

かろうじて出た声、かすかだけど勇気が沸いた。

「は…?何つった?」

「だから奏は男遊び何てしないって言ったんだ」

ようやく相手の目が見れた。

「何でそんな事が分かるんだ!?」

「ずっと見てきたからだ、少なくともお前らよりは見てきた。だから奏の事はわかる、奏は男遊び何て出来ない一途に愛し続ける奴だから」

「一途ねぇ?それはどうかな?」

「疑いたいなら疑えばいい!俺は何が合っても奏を見守り続ける!だから奏を傷つける奴は許さないっ、泣かしたら俺がお前を泣かすぞ!」

明らかに相手は気圧されている。

俺は奏の手をとり、

「行こうっ!」

と言って3人の前から姿を消した。

「ありがとう…」

歩きながら声が聞こえてきた。

「どうって事ない。俺はただ後悔を消しただけだから…」

「でも嬉しかったよ、渉が私を見ていてくれて。私も見てるからね渉のカッコいい所とか優しい所とかカッコ悪い所も全部…!全部見てるよ!」

渉はふと奏をみた。

奏はその視線にニコッと笑った。

ふと渉の目に涙が浮かんだ。

嬉しい、嬉しい筈なのに…。

何で?


『奏…。居なくならないでよ…!』


渉はハッとした。

気がつくと自分の部屋で涙を流しながら座っていた。

日は完全に落ちている。

ここは、過去?

渉は辺りを見回す、だがその部屋は引っ越した新しい部屋だった。

帰ってきたのか。

ふと手に日記を持っていた事に気がついた。

これは?

もしかしたらトリガーは日記かもしれない。

そして、このタイムスリップが後悔を消すことならきっとまたくる。

奏への後悔は沢山ある、それをひとつひとつ消していかないといけないんだ。

奏の『自殺』を防ぐまで…。

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