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守ろうか
アイゼンガルドの視線の先には、隣国の王子…の従者が武器を手に構えていた。
レミリアお嬢様に昆虫食をしたかを問われ、ゲテモノ喰いはしないと答えたが、隣国は割かし、昆虫食の文化が有ったなぁ…と思い出した。
情報源は信頼出来る…なんたって、義理の息子だしな
あ、蟲…こっちに気付いたのか?
「ウィル…あれを討ち果たせ」
「仰せのままに」
「…困るわぁ、貴重な素材の塊なのよぉ」
「あんた…」
「は…お二方は、ご帰還すべきです」
「危険ですって…お嬢様一人で戻れますでしょ?」
「戻れるけど、あんた私を投げ出す気!?」
「…何のことです?」
「あんた…あること無いこと、色々言われそうってことぐらい解ってんでしょー!!」
なんだそんなことか…
「でしたら…後ろに居てくださいな、守りますゆえ」
武器を握る手に、自然と力が入ると言うものだ。