少女はオッサンに嫁いだ
記憶を取り戻したのは7つになった頃…
弟が生まれ、両親の気を引きたくて木登りした挙げ句の落下…
大怪我とは言わないまでもしばらく外に出ることを禁じられた。
今生の…アイゼンガルド・ミュラーとしての生家は、商家…
嫁ぎ先も商家だろうと、読み書き・算術を教え込まれた。
そこらへんに関しては、問題ではない…
12で嫁ぎ、夫は半年ほどで亡くなった。
そもそも、夫には愛人も数人居て、私と同い年の子供も居たのだ。
亡き夫がロリコンでなくて良かった。
しかし手を出されなかったとは言え、×がついたのは事実…
泣き落とし…よりかは泣き脅し、と義理の息子(年上)がボヤいた。
黙れ、こちとら死活問題なんだよ
婚家のつて…いや義理の息子の恋人が伯爵家のメイドだそうで、そちらに雇ってもらえるようになった。
表向きは行儀見習いだ
メイドって、メイド喫茶とは業務内容がまるで違うのね…解ってたけど
まぁ、メイド喫茶のカラフルで可愛らしいデザインでも、こちらでは可愛さ振り撒く暇がねぇですよ…
私はまだ年若いため紺色だけど、周りのお姉さま方は黒い膝下のメイド服に白いエプロンだ。
掃除、洗濯に細々としたお使い
料理は料理人がいるし、それ関係の準備は見習いがこなしてるのよね…
来客の予定がある時は、応接間や玄関に花を活けたりするわけだ。
家格やら品位に気を使いまくるのだ。
まぁ、伯爵家だし仕方がないのかも知れない…