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文学

夫婦円満の秘訣

作者: 千路文也

 とある街に、夫婦円満の家庭があった。在日アメリカ人で妻と夫共に黒人だが周りの人間からは特に何も思われていない。いつも笑顔でいるからこそなのかは知らないが、全く嫌な噂は流れていなかった。幸せそうで何よりだと言われるぐらいだ。ところが幸せそうに思える二人には秘密があった。それは互いに不死の存在だという事実だ。昔から怪我をすればあっという間に完治して痛みなど感じない。感じる間もなく怪我が完治してしまうのだ。そんな特殊能力を持っているのは自分だけだと、ある種の孤独感も感じていた。だが、お互いにそうだと知ると孤独感は消えてく無くなり、それ以降はストレスなど感じない夫婦仲を築き上げた。


「コヨイモステキナイチニチニナリソウネ」


「アアソウダネ」


 二人は笑顔を見せながら互いの心臓にナイフを突き刺していた。だが、当然のように傷は完治してしまうので痛みなど感じない。一般では暴力行為だと思われている行為も不死の二人にとっては愛撫に等しい。朝一番に起きてナイフを互いの身体に突き刺すのは愛情確認に過ぎなかった。チェーンソーを使って首を切断しようが、内臓を引っ張り出そうが痛みなどない。1秒未満の世界で怪我が完治されるのだ。勿論、この事は誰にも話していない。言っても信じてもらえないのは子供の時から身に染みているからだ。故に二人の夫婦は自分達だけのやり方で愛情を確認していた。これから先も起床してナイフを突き刺す毎日が続くだろう。異端な行動も見方によっては正常な行動になりえるのだから。



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