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オルパラ  作者: masami
5/7

<6>

○そして、部屋から出たんだ。他にどうすればいい?何にもないじゃないか。

牛に案内されるのは、そうイライラする。前を歩いてるだけだが、イライラする。

「乗ってもいいですよ」だと?ケツをけとばしてやろうかと思った。

なぜこんなにイライラするのかといえば、ふざけているからだ。

廊下はずっと永遠に続いてるようで、先が全くみえなかった。ただのまっすぐな廊下。

両側の壁はガラス張りだが中はよく見えない。暗いからだ。光の点滅してるのはわかった。

人間ドックとやらか。

しかし病院にしてもあまりに広すぎる。そこに特有の匂いや雰囲気はどこからも感じ取れない。

耳をすましたが、どんな音も聞こえてはこなかった。誰の姿も見えない。

説明を待っていたが、牛男は何も話さない。こいつに話しかけるしかなかった。

仕方なく、とりあへず思い付いた事を俺は聞いた。

「何人ぐらいいる?」

「100789204にんです」

「日本人全員、ここにいるみたい」大げさに言ったつもりだった。

「すべています。こどもからろうじんまで」

けりつけてやりたかった。そいつは振り向きもせず、のっしのしと歩いていく。

何を言われても驚かないつもりだったが、どうやらそうはいかない。

ガラスごしに中を見たが、やっぱり光の点滅しか見えない。

中へはいってやろうかと思ったが、どこにも入り口がなかった。

「中へ入れる?」

「はい」

「どうやって?」

「入り口から入ればいいです」

けりつけてやる。びくともしない。


もう一度中をよく見た。夢を見てるのかと思った。

「人間ドックです」はじめて向こうから口を開く。

人間ドック。なんでも思い通りとかいうやつ。

「地球に13あります。」

13しかないのか。少ないのか多いのか考えようとする自分を恥じる。

そんなことが問題なんじゃない。全世界の人間がこんなとこに入ってる?冗談じゃない。

ここで夢を見る、いや、夢を見させられる。信じられない。

あのまま歩いてたら、どうなっていたのか?どこかで終わりがあったのか?

「どこまで続くの?」

「終わるまでです」

「あとどれくらい?」

「終わるまでです」

「あと何分くらい?」答えやがらない。黙ってやがる。ふざけやがって。

俺は、天を見上げた。さっきの廊下はどこまでも続き先が見えない。

海より空の方が広い、その事実を論理的に納得した時が何故か思い浮かぶ。

たしか、小学生の頃だったか。そう、世界地図を見た時だ。海と陸地が分かれてる。陸地は海ではない。

海の上には空があり陸地の上にも空がある。陸地の分だけ空は海より広い。

冷静だし、頭の回転も鈍くなった訳ではない。俺が変な訳ではないんだ。

「この上には何がある?」

「コンピューターがあります」

「コンピューターに支配されてる訳か」

「人間をしはいするコンピューターをつくれるほど人間はかしこくないです」

「じゃあ、誰が支配してる?」

「だれがもうけているかですか?」

「支配だ!」

「あなたがたは不思議なかんがえをもってる。だれも支配されることをのぞまないと考えるのは、

支配されてるからだとおもいこんでる。言葉に支配されてます」

言葉に支配されてる?意味がわからない。

「外はどうなってる?」

「ありません」

バカにされてる。絶対そうに決まってる。でも、なんでこの俺がバカにされなきゃならない?

牛やネズミごときに、この人間様がここまで言われなきゃならない?

天井裏に隠れて、きっと笑ってやがる。


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