そして、転生した。
目を開けてみると眩しくて、周りがぼんやりとしか見えなかった。しかし、声が聞こえていたので、俺の周りに誰かいることがわかった。
「マ、マリヤ、見ろ。クロヴィルが目を開けたぞ!!」
「本当!?
私がママですよ~。分かるかしら?」
そう言って、俺の顔を覗き込むように(ぼやけて見えるので多分としかいえないが)顔を近くに、って、
ーちょっと待て、え、え、え、なになになに、何でこんな状況に?・・・OK、OK、少し落ち着いた、
「ちょ、ずるいぞ、マリヤ。俺だってクロヴィルの顔を見たいんだぞ!
俺がパパだ。わかるかな~。」
ーうるせぇ、少し考える時間をくれよ。・・・ふう、思い出してきた。確か、俺は転生したんだったな。おそらく、クロヴィルとは俺の名前だろう。しかし、クロヴィル?どこかで聞いたことがあるような気がするな?っと、考えるのは後でいい。何かしら反応を示さないと、不安がるな。よし!
そこまで考えて、両親だとおもわれる人に手を伸ばして、声を出してみた。
「オギャー。」
うまく声が出せないことに俺はちょっとだけ驚いたが、すぐに冷静になった。
ー生まれたばかりで舌がまわらん。むしろ、生まれたばかりで舌がまわったほうが怖いか!
などと、どうでもいいことを考えていた。ちなみに、この時の両親の反応は、
「!?
あ、あなた、見て、私の方に手を振ってくれたわ。しかも、返事までしてくれた。頭がいいわ。流石は私たちの子ね♪」
「いやいや、俺の方に手を振ってくれたんだよ、マリヤ。頭がいいのは、俺たちの子だからさ!!」
超がつくレベルの親バカだった。ここにきて、ようやく、周りが見えるようになってきた。母親は、茶髪で小柄だった。美人というよりは可愛い人だった。父親は黒髪でそこそこ大きかった。美形だったが目が鋭すぎて、悪役の凄腕の暗殺者みたいな、かんじになっていた。
ー父親、いや親父よ。母親、否、母さんに手を出したのか。母さんはよくいえば、小柄、ぶっちゃけていうと、ロリだぞ。あんた、ロリコンだったのか。ちょっと、俺の将来が不安になるぞ。親父のDNA引き継いでるから。それに、周りから色々と言われそうな気がするぞ。おもに、俺の性癖にたいして。
そして、母さん、あんたもあんただ。よくあの悪人面の親父に惚れたな。ある意味すごいぞ。親父にたいして、正面から言うこともな。普通のやつなら、目をそらすか、なるべく関わらないようにするぞ。
「はっはっは!マリヤ、クロヴィルの視線は俺の方に向いてるぞ!」
ーすまん、親父よ。単に親父の性癖にたいして考えていただけだ。
「負けられないわ。ほらほら、クロヴィル。こっちに珍しいものがあるよ~♪」
ー母さんよ。そんなに必死にならなくても顔くらい向けるぞ。
そんなこんなで、俺はこの世界、<エンテファブリア>に転生した。
ー神様よ。俺はこの世界で楽しく生きていくぜ!
も、ダメ(チーン)