そして、青年は死んだ。
大学からの帰り道、俺は寮へ向かっていた。
ー今日は<エンテ>のlevel:9999へ到達することができる。長かった、長かったぞ、ここまでの道のりは!!ふふ、フハハハハハハハハハハハハハハハ、ヒャッッッッッッッッッッッッッッハーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
おおっと、嬉しさのあまり興奮しちまったぜ。でも仕方ないだろ。ここまで来るのに本当に時間かかったんだからさ・・・。(遠い目)
<エンテ>とはVRゲーム<エンテファブリア>の略である。ちなみに<エンテファブリア>はゲーム好きなら誰もが持っている超人気ゲームだ。やりこみすぎて、廃人になった人も数知れずにいるが・・・。
そんなことを考えながら歩いていると目の前で子供が車道に出てきた。しかも、ものすごい勢いで車まで出てきた。
ーやべぇ!!
そう思ったときにはすでに体が動いていた。子供を突き飛ばして車道に出ていた。
ーああ、これなんてテンプレ。
そして車に激突した。が、まだ生きていた。
ーまだだ、まだ<エンテ>を極めていない。死んで、死んでたまるか!!
が、無情にも血が勢いよく出ていた。このままでは確実に死んでしまうだろう。なので最後の力を振り絞り、近くにいた泣いている子供に言った。
「お、俺の親に言ってくれ。<エン・・・テ>を<エンテ>を頼、む。友・・・人に聞けば、わかる、と・・・。」
子供が驚きながらも、首を勢いよく振ったのを見て青年は意識を手放した。
そして、青年はこの世界で死んだ。
最後に死ぬときは、自分の一番好きなゲームを極めてから死にたいので、こんな文章にしてみました。