Mr.ボマー
俺の名前はボビー・マグダネル。
だが、人は俺をこう呼ぶ。『爆弾魔』と。
そう、俺は爆破のアーティスト。
爆破専門の殺し屋さ。
今回の依頼は、とあるホテルにお忍びで宿泊中のK国の高官を爆殺する事。
そのために俺は、とっておきの新型指向性爆弾を用意した。
小柄なクセにとびっきり過激でヤバい奴だ。
おっと、忘れちゃいけない。髪の毛より細い、糸状信管もちゃんといるぜ。
こいつをエレベーターのドアの内側にセットしておくんだ。
するとどうだ。
ターゲットがエレベーターを開けた瞬間、こいつは勢いよく目を覚ます。
バックドラフトのような炎と爆風が、ターゲットを一瞬で天国のママのところまで吹っ飛ばすって寸法さ。
乱暴者の爆風はエレベーターと廊下を黒コゲにするが、他の宿泊客の部屋には一切手をつけない。
狙うのはターゲットだけさ。
どうだい? サイコーにクールでアーティスティックだろ?
と、いう訳で俺は朝早くからホテルに侵入し、エレベーターに爆弾をセットした。
こいつは思春期のティーンエイジャーよりデリケートでナイーブだ。すぐにカッとなるから、一度セットしたら最後、天才の俺でも外せねえ。
さて、後は間抜けなターゲットが罠にかかるのを待つだけだ。
俺はアジトのソファーに腰かけ、上モノのブランデーをやる自分を想像した。
ブランデーをやりながら、自分の芸術をワイドショーで眺めるのが、一仕事終えた後の楽しみなんだ。
工具を片付け、いそいそとエレベーターを出ようとしてふと気づいた。
俺はここからどうやって出ればいいんだ?
Good bye Mr. Bomber
08年ごろに書いた作品です。
思い入れは……とくに無いですねえ。




