プロローグ
三年前くらいに書いた小説を投稿してみました
よかったらみていってください
《下賤な人間どもよ、この我にひれ伏すが良い。我こそは、神に恵まれし最強の超能力者なのだ!》
……か、何だこいつ。
その自称超能力者は、エ◯ンゲリオンの偉い人みたいなポーズをして、そんなことを言ってる。
かけているその眼鏡からは、キラーンという効果音が聞こえてきそうだ。
色んな意味で、その厨二病くん(今名付けた)のいる場所は、別の世界のようだった。
八割方何言ってるか分からないし、わかりたいとはあまり思わない。
まあ厨二病は大体こんなもんか。
うーん、でもなぁ。
超能力だとか言ってるし、普通の厨二病は『我の右手には、世界を滅ぼす兵器が宿っているのだ!』みたいな感じで、こんなのよりもっと抽象的なイメージだしなぁ。
本物かなぁ。
やっぱ胡散臭いなぁ。
不安な気持ちを抱えながら、私はその厨二病くんの元へ行き、話し掛けてみる。
「ねぇ君。超能力は使える?」
《か、可愛い人きたー!》
おい。
こりゃダメだ。
やっぱり、偽者かぁ。
その言葉に、私は、もう確信していた。
「フッ。つ、使えるとも」
もう、その言葉を聞いても、正直言って、期待なんて気持ちは微塵もなかった。
さっきの言葉で、私の中の期待値がほぼゼロに近い状態になっていたからだ。
目の前の厨二病くんがかけているメガネを上に上げてこう言った。
「わ、我が力に気づくことが出来るとは、なかなかやるではないか。そんなに我の封印されし力が見たいのか?」
そして、そんな言葉を掛けてきた。
さっきの言葉で呆れ果てた私はもう、正直にいうと期待はしてないし、見たいというわけではない。
でも、もしかしたら、良い友達、仲間になれるかもしれない。
この危機的状況に、光をさしてくれる存在になるかもしれない。
そんな希望をのせて、私は、言ってみせた。
「見たい!」
《かわいいいいい!》
厨二病くんが顔を赤くして口を開けている。
《よ、よし。此処は一つ、僕の超能力でかっこいいところを見せて、一目惚れさせるぞぉ!にしし。
格好よく決めた後に、僕が彼女にこう言う。
『これが我の超能力である。どうだ? これで良いか?』
その超能力とめちゃくちゃ格好いい言葉に、彼女は、ダイヤモンドよりも美しい透き通った碧眼で僕を見つめながら、かわいい綺麗な頬を赤くして言う。
『うん。あ、あのね? 私、君のことが、す、す……』
なーんて。ぐへへへへへ》
このこ大丈夫かな?
将来が少し心配だ。
絶対厨二病の口調で見栄張ってるだけのコミュ障だろ。
「で、では、我の力を見せてやろう」
そう言って、厨二病くんはスクールバッグから鉄のスプーンを取り出す。
これ、いつも持ち歩いてるんだ。
絶対ナンパとかする時に『すごぉい!』とか言わせるために持ち歩いてるんだろうなぁ。
まぁ第一にナンパできるほどコミュニケーション能力があると思えないし、この国の女はスプーン曲げ程度でホイホイ付き合うとも思えないが(逆に殴られそうだな)。
厨二病くんは、そのスプーンを両手で持ち、口を開けて叫んだ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
すると、スプーンはぐにゃりと曲がった。
まるで熱で溶かされたみたいに。
「ど、どうだ。ハァ。わ、我の力に、ハァ。あ、圧倒されたか。ハァ」
厨二病くんは、マラソン大会の後みたいに、汗をダラダラ流して、息を切らしている。
初めて見た。
他の超能力者だ。
まぁ、でも。
こんなもんか。
この子のおかげで面白いものが見れた。
お礼に。
「君、犬は好き?」
「ハア。あっ。は、ハイ!」
あーあ。
口調が厨二病口調じゃなくなっちゃった。
疲れちゃったのかな?
「じゃあ、ちょっとこのスプーン使うね」
私はさっき厨二病くんが曲げたスプーンを、手に持ち。
ぐにゃりと曲げた。
その曲げたスプーンを、犬の形にした。
厨二病くんは、口を上げて固まっている。
まぁ、驚くのも無理はない。
ほとんどの人間は、スプーン曲げなどできないだろうから。
私は、彼と同じ。
超能力者なのだから。
見てくれてありがとうございましたー!




