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女神と魔神のギフトより勘違い特性が最強のスキルだった件~神魔覆滅させるもの~  作者: まん丸


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第百七十二話 北の森の騒乱と、風と炎の助っ人


ユウマと別れ、北の『古の森』へと向かったガガルとアイ。

用意された馬車の中は、早くも不穏な空気に包まれていた。

「いいか、アイ殿! グリフォンは空を飛ぶ! まず俺がヤツを引きつけ、地面に叩き落とす! そこを、貴殿の矢で仕留めるのだ!」

ガガルが、熱っぽく作戦を語る。

「えー、めんどくさ。普通に、ウチが、遠くから、目ん玉、射抜けば、終わりじゃん?」

アイは、爪を磨きながら、けろりと言った。

「それでは、武人としての、誉れが立たぬ!」

「はあ? 別に、誉れとか、いらないし」

早くも、連携に、暗雲が立ち込めている。

そんな、ちぐはぐな会話をしているうちに、馬車は、森の入り口にある、小さな村へと、到着した。

村は、閑散としており、家々の窓は、固く閉ざされ、人々は、怯えたように、遠巻きに、二人を見ていた。

「おい、人間ども!」

ガガルが、威圧的に、声を張り上げた。

「グリフォンは、どこだ! 我らが、退治してやるぞ!」

その、あまりにも、強面な(そして、上から目線な)言い方に、村人たちは、さらに、怯えて、後ずさる。

「ちょ、ガガルっち、怖がられてんじゃん!」

アイが、慌てて、前に出た。

「だいじょーぶだって! うちら、ちょー強いから! あの、グリフォン? パパっと、やっつけて、ちょーだい!」

彼女の、あまりにも、軽いノリもまた、村人たちの、不安を、煽るだけだった。

結局、まともな情報は、得られないまま。

二人は、ため息をつきながら、グリフォンが出没するという、森の奥へと、足を踏み入れた。

森の中は、不気味なほど、静かだった。鳥の声も、獣の気配もない。

ただ、時折、上空から、甲高い、鳴き声と、巨大な翼が、風を切る音だけが、聞こえてくる。

「…いるな」

ガガルの、目が、鋭くなる。

「んじゃ、さっさと、終わらせよっか」

アイが、弓に、矢を、つがえた、その瞬間。

キエエエエエッ!!

頭上から、三体の、巨大なグリフォンが、急降下してきた!

その爪は、鋼鉄をも引き裂き、その嘴は、巨大な岩をも砕く。通常の個体よりも、明らかに、凶暴化していた。

「来たか!」

ガガルが、雄叫びを上げ、一体のグリフォンに、飛びかかる!

アイもまた、別のグリフォンに向かって、正確無比な矢を、放つ!

しかし、グリフォンたちは、単独ではなかった。

彼らは、巧みな連携で、互いを庇い合い、空と、地上から、二人を、翻弄する。

ガガルの、パワーは、空を舞う、敵には、届かず。

アイの、精密な射撃は、ガガルの、巨体によって、しばしば、射線を、塞がれてしまう。

「邪魔だ、ガガルっち!」

「貴殿こそ、もっと、考えて動け!」

連携は、最悪だった。

ついに、ガガルが、一体のグリフォンの、爪に、肩を、深く、切り裂かれた。

「ぐっ…!」

「ガガルっち!」

アイが、援護しようとするが、残りの二体が、同時に、彼女へと、襲いかかる!

「(やば…! 多すぎだって!)」

アイの、脳裏に、ユウマの言葉が、蘇った。

(『危なくなったら、遠慮なく、あの人たちを、呼んでいいから』)

「しゃーない!」

アイは、覚悟を決めると、空に向かって、叫んだ!

「助けてー! 風のねーちゃーん!」

その、あまりにも、軽い、呼びかけ。

しかし、契約は、絶対だった。

ごうっ!

森全体が、揺れるほどの、突風が、吹き荒れた!

そして、その風の中から、不機嫌そうな顔をした、シルフィードが、姿を現した。

「…なによ、あんたたちだけで、呼び出すなんて。…で、あたしのライバル(ユウマ)は、どこよ?」

彼女は、状況を、一瞥すると、さらに、眉をひそめた。

「…はあ? グリフォン、三匹に、手間取ってんの? ダッサ…」

「うるさい! いいから、手伝え!」

アイが、叫び返す。

「仕方ないわねえ…」

シルフィードは、面倒くさそうに、指を鳴らした。

その瞬間、グリフォンたちを、取り囲むように、巨大な、真空の刃が、いくつも、発生した!

グリフォンたちは、逃げる間もなく、その、見えない刃に、切り刻まれ、羽毛を、撒き散らしながら、墜落していく。あまりにも、一方的な、蹂躙だった。

「…ふん。こんなもんね」

シルフィードが、満足げに、頷いた、その時。

「待てい!」

今度は、ガガルが、空に向かって、叫んでいた!

「風だけでは、芸がない! 我が主君の、威光を示すには、やはり、炎も、必要であろう! 出でよ、炎の姉御よ!」

「はあ!?」

シルフィードが、呆れた声を上げる。

しかし、契約は、絶対だった。

ボオオオオオッ!!

空間が、歪み、灼熱の、炎と共に、サラマンダーが、降臨した!

「あたしを呼んだのは、誰よ! って、あんたたちだけ? ライバル(ユウマ)は?」

彼女もまた、シルフィードと、全く同じ反応だった。

そして、サラマンダーは、すでに、虫の息の、グリフォンたちを見て、目を輝かせた。

「へえ、ちょうどいい、サンドバッグじゃない! 修行の、成果を、試させてもらうわよ!」

彼女は、嬉々として、燃え盛る拳を、墜落したグリフォンたちに、叩き込み始めた!

ドガァァン! バキィィン!

森の中に、破壊音が、響き渡る。

ガガルと、アイは、その光景を、ただ、呆然と、見つめていた。

自分たちが、苦戦していた相手が、二人の、精霊によって、オーバーキルされている。

「…なんか、うちら、いらなかったんじゃね…?」

アイの、呟きが、虚しく、森に、響いた。

こうして、北の森の、グリフォン騒動は、ユウマの仲間たちの、活躍とは、全く、関係のないところで、二柱の、強力すぎる、助っ人(?)によって、解決(?)されたのだった。

ガガルとアイは、一抹の、虚しさを、感じながら、とりあえず、村へと、報告に戻ることにした。

もちろん、自分たちの、手柄として。

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