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女神と魔神のギフトより勘違い特性が最強のスキルだった件~神魔覆滅させるもの~  作者: まん丸


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第百三十四話 般若の説法と土精の乱入


『…フン、ツマラヌ感情ニ、時間ヲ費ヤシヤガッテ…』

喋る般若の面その目は禍々しい赤い光を宿し書庫の中央でふよふよと浮遊していた

「「「「「しゃべったあああああああ!?」」」」」

ユウマと仲間たちの絶叫がまだ響いている

般若の面はそんな一行を鼻で笑うかのように続けた

『喜ビ? 悲シミ? 平穏? 下ラヌ! 全テハ破壊ニ通ズル! 怒リコソガ至高ノ感情ヨ!』

完全にユウマの負の感情が増幅された説法が始まる

「なっ! 貴様ユウマ様の怒りから生まれた分際で何を偉そうに!」

ガガルが戦斧を構える

『黙レ筋肉ダルマ! 貴様ノ脳ミソモ破壊シテヤロウカ!』

般若の面から殺気が放たれる

健太郎だけが冷静だった

「なるほどな強い感情は疑似的な人格すら生み出すか…これは想定外だったな」

彼は般若の面という「現象」を興味深く観察していた

ユウマは自分の怒りから生まれた厄介な存在を前に頭を抱えていた

(どうすんだよこれ…! 俺が生み出したのか…!?)

その時だった

ゴゴゴゴゴゴ……。

書庫の床の大理石がまるで粘土のように盛り上がり始めた

そしてそこからひょっこりと小さな人影が現れた

くすんだ茶色のローブ深く被ったフード膝を抱えた少女

土の精霊ノームだった

「…呼んだ? マスター」

ノームはフードの奥からユウマを見上げたその瞳はわずかに眠そうだ

「ノーム!? なんで!?」

ユウマは驚愕した精霊王との契約で呼び出せるはずだが呼んだ覚えはない

ノームは部屋の中央で偉そうに説法している般若の面を一瞥した

そしてその石でできた面に宿る歪んだ「創造」のエネルギーを感じ取った

「…あ」

ノームは般若の面を指さした

「…なってない」

『ア?』

般若の面が不機嫌そうにノームを睨む

ノームはゆっくりと立ち上がると般若の面の前に立った

「…その形…感情のベクトルは面白い…でも」

彼女は首を横に振った

「…魂がこもってないただの怒りのハリボテただ硬いだけ脆い」

『ナンダト貴様! コノ私ヲ侮辱スルカ!』

般若の面が激昂しノームに襲いかかろうとする

しかしノームは動じない

彼女は近くにあったただの土くれを手に取ると指先でこね始めた

「…本当の『創造』はね…」

彼女の手の中で土くれはみるみる形を変えていく

「…もっと静かで温かいもの…」

数秒後ノームの手の中にあったのは手のひらサイズの可愛らしい土人形だったその人形はまるで生きているかのようにノームを見上げにぱっと笑った

「…こういうこと」

ノームは般若の面にその土人形を見せつけた

『……ッ!』

般若の面は言葉を失ったように後ずさる自らの存在意義を根本から否定されたかのように

「おお! ノーム殿! 見事な創造!」

「ちょー可愛いじゃんそれ!」

ガガルとアイがノームの作品に感動している

「あ! こらノーム! あんた勝手に人の修行邪魔しないの!」

どこからかシルフィードの声が聞こえてきたどうやらユウマの様子を覗き見していたらしい風が吹き込みシルフィード本人も姿を現す

「うるさい風紀委員」

ノームはシルフィードを一瞥し再び土をこね始めた

「なによその言い方! あたしはユウマの心配を…!」

シルフィードとノームの言い争いが始まる

『ワガ創造コソガ至高! 破壊コソガ真理!』

般若の面も負けじと叫ぶ

ユウマは目の前で繰り広げられる般若 vs ノーム vs シルフィードという謎すぎる三つ巴の戦いをただ呆然と見つめていた

アリアは「皆様落ち着いてくださいませ!」とオロオロしリリスは腹を抱えて笑っている

健太郎だけが冷静にメモを取っていた

「感情の具現は他の理と干渉し新たな創造や衝突を生む…精霊の召喚トリガーはユウマの感情だけでなくその具現物にも反応するか…実に興味深い…」

ユウマは思った

(俺の修行もうめちゃくちゃだ…)

彼の自己分析はもはや個人の問題ではなく世界の理と精霊たちをも巻き込んだ壮大なカオスへと発展していた

トーナメントへの道はますます遠のくばかりだった

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