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女神と魔神のギフトより勘違い特性が最強のスキルだった件~神魔覆滅させるもの~  作者: まん丸


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第百二十二話 魔都の洗礼と、第四の選択


「―――ここは、俺たちの、シマだ!」

「―――上等だ、コラァ!」

魔都の中央駅。その、荘厳であるはずの、大理石のホームは、ユウマが、到着した、その瞬間から、血と、怒号が飛び交う、無法地帯と化していた。

革ジャンを着た、角付きの魔族たちと、筋骨隆々の、獣人たちが、入り乱れて、大乱闘を、繰り広げている。

そして、その、カオスな光景の、ど真ん中で。

ユウマは、三つの、標識を前に、完全に、フリーズしていた。

ウィルナス王の、大使館ルート。

ザラキエル(ベルゼビュート)の、七大公ルート。

エンマの、お役所ルート。

どれを選んでも、地獄しか、見えない。

「(どうしよう…どうしよう…!)」

ユウマが、パニックに陥っている、その横で。

彼の、頼もしすぎる仲間たちは、すでに、臨戦態勢に入っていた。

「ユウマ様! まずは、どちらの、チンピラから、血祭りにあげますか!?」

ガガルが、戦斧を、ぶんぶん、と振り回しながら、目を輝かせている。

「いけません! この、無益な、争いを、止めなければ…!」

アリアは、聖なる光を、その手に、集め、大規模な、鎮静魔法を、放とうとしていた。

「うわ、マジで、やってんじゃん! 超リアル! てか、どっちが悪者なの!? 主サマ、どっちを、応援する!?」

アイは、完全に、プロレス観戦の、ノリだった。

(やめてくれ…! 何も、しないでくれ…!)

ユウマの、心の叫びも、虚しい。

このままでは、仲間たちが、この、ギャングの抗争に、介入し、事態が、さらに、悪化するのは、目に見えていた。

その、時だった。

乱闘の中から、吹っ飛ばされた、一人の、巨大な獣人が、ユウマたちの方へと、転がってきた。

そして、起き上がった彼は、八つ当たりとばかりに、そこにいた、最も、強そうに見えた、ガガルに、殴りかかった。

「邪魔だ、コラァ!」

「フン! 愚か者が!」

ガガルが、その拳を、戦斧で、迎え撃とうとした、その、瞬間。

「―――やめなさい」

凛とした、しかし、絶対零度の、声が、響いた。

リリスだった。

彼女は、一歩、前に出ると、殴りかかってきた、獣人の、顔を、じっと、見つめた。

ただ、それだけだった。

「ひっ…!」

獣人は、まるで、蛇に睨まれた、蛙のように、その場で、凍りついた。

その、本能が、告げていた。目の前の、美しい女は、自分たちが、絶対に、手を出しては、いけない、格上の、捕食者であると。

乱闘していた、全ての、魔物たちが、リリスの、その、圧倒的な、存在感に、気づき、動きを、止めていく。

「…分かったら、さっさと、消えなさい。…目障りよ」

リリスが、静かに、そう告げると、魔物たちは、蜘蛛の子を散らすように、一目散に、その場から、逃げ去っていった。

あっという間に、ホームには、静寂が、戻ってきた。

「…さて、と」

リリスは、やれやれ、と首を振ると、呆然としている、ユウマたちを、振り返った。

「いつまで、突っ立ってるつもり? 王様たちの、言う通りに、動くなんて、芸がないと思わない?」

彼女は、三つの、標識を、鼻で笑った。

「大使館に行けば、監視される。七大公の屋敷に行けば、飼い殺しにされる。お役所に行けば、書類仕事で、一生を終える。…どれも、つまらない、結末よ」

リリスは、楽しそうに、笑った。

「こういう、街ではね。誰かの、引いた、レールの上を、歩くのが、一番の、自殺行為なのよ」

彼女は、ユウマの、腕を、ぐい、と引いた。

「行くわよ。…私たちが、進むべき、第四の道へ」

「え、どこへ…?」

リリスは、悪魔のように、微笑んだ。

「決まってるじゃない。こういう、混沌とした街で、一番、情報が、集まり、一番、力が、ものを言う、社交場へ」

彼女は、駅の、出口の、向こう、ひときわ、高く、そして、妖しく、そびえ立つ、摩天楼を、指さした。

「魔都、随一の、大カジノ、『奈落の天楼アビス・カジノ』。…そこが、私たちの、本当の、スタート地点よ」

ユウマは、その、あまりにも、不穏で、あまりにも、魅惑的な、響きを持つ、建物を、見上げていた。

彼の、仲間たちは、すでに、その、新たな、提案に、目を輝かせている。

ユウマの、意思とは、関係なく。

彼の、次なる、舞台は、この、魔都で、最も、深く、そして、最も、欲望が、渦巻く、場所へと、決定してしまったのだった。

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