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女神と魔神のギフトより勘違い特性が最強のスキルだった件~神魔覆滅させるもの~  作者: まん丸


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第百七話 明かされた真実と、掌の上の器


『正規の、ルートがある!』

冥王の宝珠から響く、エンマの、断固とした声。

『そんな、面倒な手続き、不要だ』

ホログラムの、ウィルナスが、それを、冷ややかに、一蹴する。

二人の、王が、ユウマを、挟んで、壮絶な、舌戦を、繰り広げていた。

一人は、世界の、秩序を、守るため、ユウマを、安全な道へ、導こうとし、

一人は、自らの、好奇心を、満たすため、ユウマを、危険な道へ、突き落とそうとしている。

進むも、地獄。

戻るも、地獄。

二人の、王の、あまりにも、面倒な、板挟み。

「もう、いい加減にしてくれ!」

ついに、ユウマの、堪忍袋の緒が、切れた。

彼は、二人の王に向かって、魂の底から、叫んだ。

「なんで、たった一つの、宝玉のために、こんな、面倒な、板挟みにならなきゃいけないんだ! もう、どっちの言うことも、聞かないからな!」

それは、彼の、初めての、明確な、反抗だった。

その、あまりにも、子供じみた、しかし、真に迫った、叫びを聞いて。

二人の王は、一瞬だけ、その、舌戦を、止めた。

やがて、冥王の宝珠から、エンマの、心底、呆れたような、ため息が、漏れた。

『…待て。…貴殿らは、根本的な、勘違いを、している』

エンマの、声のトーンが、変わった。

『ウィルナス、貴様もだ。いつまでも、的外れな、実験計画を、立てている場合では、ないぞ』

『…何が、言いたい、石頭』

ウィルナスが、訝しげに、眉をひそめる。

エンマは、静かに、そして、決定的な、事実を、告げた。

その声は、ユウマの、胸元にある、宝珠から、直接、響き渡った。

『―――魂の宝玉なら、今、おまえが、持っておるだろう』

「…………………はい?」

ユウマの、口から、気の抜けた、声が、漏れた。

その場にいた、全員の、思考が、完全に、フリーズする。

エンマは、淡々と、続けた。

『貴殿の、胸にある、その、灰色の、宝珠。私が、『魂縛の宝珠』として、与えた、それこそが、七つある、創世の宝玉の一つ、『魂の宝玉』の、真の姿だ』

「なっ…!?」

「マジで!?」

仲間たちから、驚愕の声が上がる。

『本来、創世の宝玉は、我が、冥界の、最深部に、厳重に、封印されている、最重要管理物だ。それを、貴殿のような、特級危険案件に、易々と、渡すわけには、いかん』

エンマは、まるで、役所の、手続きを、説明するかのように、言った。

『だが、あの時、貴殿は、友の魂を、蘇生させるという、前代未聞の、秩序違反を、起こした。魂を、現世に、繋ぎ止めるには、それ相応の、強力な、『器』が必要だった』

つまり、こういうことだった。

エンマは、ガガルの魂を、現世に戻すための、『魂の器』として、『魂の宝玉』を、利用した。

そして、それを、「監視装置(枷)」という名目で、ユウマに、持たせることで、世界の理を乱す、二つの、危険因子ユウマとガガルを、同時に、自らの、管理下に、置いたのだ。

それは、規則を、絶対に、曲げない、官僚王エンマが、ひねり出した、究極の、規則の、抜け穴であり、苦肉の策だった。

「…そういう、ことか」

リリスが、全てを、理解し、面白そうに、口の端を、吊り上げた。

「あんた、とんでもない、爆弾を、あの子に、押し付けたわねえ」

ウィルナスは、しばし、絶句していたが、やがて、腹の底から、高らかに、笑い出した。

『は、はは…。はーはははは! 面白い! 実に、面白いぞ、エンマ! 貴様の、その、石頭なりの、やり方も、そして、この、茶番も!』

彼の、ゲーム盤は、開始一手で、盤ごと、ひっくり返されてしまったのだ。

しかし、彼の、好奇心は、むしろ、さらに、燃え上がっていた。

その、全ての、混沌の中心で。

ユウマは、ただ、自分の、胸元で、静かに、輝く、灰色の、宝珠を、見つめていた。

これが、『魂の宝玉』。

ガガルさんの、命を、繋ぎ止めている、光。

そして、自分が、これから、探さなければならないと、思っていた、伝説の、お宝。

それは、ずっと、ここにあったのだ。

二人の王は、それぞれの、やり方で、満足したのか、通信を、切った。

後に残されたのは、静寂と、あまりにも、衝撃的な、真実だけ。

ユウマは、そっと、宝珠に、触れた。

温かい。

ガガルさんの、魂の、温もりを感じる。

「…そっか…」

ユウマは、静かに、呟いた。

「…なんだ。じゃあ、もう、探す、必要、ないじゃないか」

彼は、心の底から、安堵していた。

面倒な、宝探しゲームから、解放された。

ただ、それだけを。

しかし、彼の、仲間たちは、分かっていた。

一つが、見つかった、ということは。

これから、残りの、五つを巡る、壮大な、物語が、本格的に、始まる、ということなのだ、と。

ユウマの、意思とは、関係なく。

彼の、平穏への道は、やはり、どこにも、なかった。

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