Green Winter
「先輩、アレで良かったんスかね」
いくら俺がヒロシだからって、五郎みたいな喋り方をしなくていいんだぞ。
「ああ。俺は誰の指図も受けない」
本当に生きているかどうかも、興味が無い。
「藪からスティックどころじゃないっスよね、彼女」
親父との関係だけは気になるな。
「どこかで見たような気がするんだが・・・」
TVだったかXだったか。
「ボクとしては振り出しに戻って良かったですよ」
『台風に飛ばされてスタートに戻る』という美文を考えた人物の顔を拝みたい。
「ただ、出張は結構あるんだ。またそのうち地方へ行くことになるだろう」
海外支店もあるかもな。
「それは景気が良いっスね!」
エンペラーホールディングスはギャンブルだけじゃ無く、総合アミューズメントカンパニーだからな。
「俺はゲーム好きが昂じてここに厄介になったんだよ。ファミコンボーイなんてあだ名もついたほどだ」
「ああ、あの互換機っスね。いくらなんでも年代が合わないと思いましたよ」
俺はキョン子と話してると、たまにばあさんと喋ってる錯覚に陥るぞ。
「コンピューターニカルちゃんって女の子が昔話題になりましたよね」
あっ。
「それだ、ニカルだ!」
なんでもっと早く思い出せなかったんだろう。
「例の彼女、科納エレクトロニクスの御令嬢だぞ」
ちゃんと名乗ってたのにな。
「そんな風には見えませんでしたね」
機嫌が悪そうだぞ。
「俺もよくあの科学番組を見てたんだよ」
「ずいぶん楽しそうっスね、先輩!」
(ただでさえ狙ってる子が多いのに、あんなポッと出に負けてらんないよ!)




