第十一話【正義】
お久しぶりです。今回はアルトリア視点です。アレン達と別れた後どうなったのか?
今回は短いですがよろしくお願いします!
「も〜なんなのよ!こいつらしつこすぎない!?」
アルトリアがアレンと別れてから、既に数十分は経過していた。
襲い来る無数の虫モンスターから、ミニミニゴーレムと岩蛇と共に逃げる彼女だが、冒険者では無い者が全力で逃げ続けるには、体力が心許なく流石に疲労の色が、濃く見え始めていた。
加えて、後ろからはモンスター達が迫りつつあるのだ。
彼女の頬を冷や汗が流れ落ちる。
「ゴゴッ!」
「シャー!」
「うん。大丈夫だよありがとうミニ太、シャー君」
ミニミニゴーレムのミニ太と岩蛇のシャー君(メダリア命名)は、彼女に寄り添うように一緒に走りながら、心配そうに見つめる。
その頭を撫でて安心させてやると、彼女は気丈にも笑顔を見せる。
次々に来るモンスター達を戦えないアルトリアの代わりにミニ太とシャー君が撃破していくがどんどん体力を消費していき、モンスターとは言えかなり疲弊していた。
そしてついに──
「きゃあ!!」
疲れで足下に転がっていた小石を踏んでしまい、バランスを崩して転倒してしまう。
「痛っ……あっ……」
何とか立ち上がろうとするが、もう体は限界だった。
先程まで彼女を追い回していたモンスター達は今まさに距離を詰め、目の前まで差し迫っていた。
「私ここで死ぬのかな……」
「ンゴ!!」
「シャー!!」
ミニ太とシャー君がアルトリアを守ろうと決死の覚悟で前に立ちはだかるが、アルトリアは迫る死への恐怖からか自然と涙が溢れてくる。
その時、
「行け、僕の天使達よ」
そんな声と同時に飛来した何かが、彼女達を喰らい尽くそうとしていたモンスター達に突き刺さり爆散させる。
何が起きたのか分からず呆然とする彼女が見上げた先にいたのは、一人の男だ。
黒いシルクハットを被り燕尾服に身を包んだ男は片手に杖を持ち優雅に佇んでいた。
「お嬢さん怪我はないかい?」
男が口を開くとその端正な顔立ちが露わになる。
年齢は20代前半くらいだろうか?黒髪に切れ長の目にメガネをした整った容姿の男だ。
「えっと……はい大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」
彼の言葉にアルトリアは、戸惑いながらも答える。
「それは良かった。では僕はこれで」
それだけ言うと彼はその場を去ろうとしたが、ふと思い出したかのように振り返った。
「ああそうだ。お嬢さんの幼なじみのアレン=ジースによろしくと言っておいてくれないか」
「えっ!?どうしてそれを……。あなたは何者なんですか?」
驚き尋ねる彼女を尻目に男は微笑み、一つだけ教えてくれた。
「ククッ。僕は“僕の正義を執行する者”とだけ教えておこう」
そう言い残し去っていく男の背中を、見送るしかできなかった。
それから数分後、息を整えたアルトリアが立ち上がり改めて辺りを確認してみると、そこには無数のモンスターの死体があった。
「あれだけの数のモンスターを倒したってこと?あの人がこれをやったっていうの!?どうやって!?」
信じられなかった。
彼自身はアルトリアと会話をしており、攻撃も何もしていなかった。
強いて言うなら『行け僕の天使達よ』と発した後、モンスター達が爆散した事だ。
そんな目の前にある光景が、あまりにも現実離れしていて。
だが、それが事実なのだと言うことは理解できた。
(凄い!こんな強い人がいるなんて……)
彼女の心の中で、憧れに近い感情が生まれつつあった。
そして同時に思う。
(また会えるといいなぁ……)
あの時感じた不思議な感覚を思い出すように、胸の前で手を握るのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
さて、また出ましたねシルクハットの男。この男何者なんだ…色々謎ですね
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