第九話【レイド戦】
ステータス
アレン=ジース 性別 男 種族 人類種 Lv20
【才能】無し 職業【魔物使い】
体力6000 攻撃力240
守備力250 魔法攻撃力180
魔法防御力180 速さ140
武器
防具 無地のシャツ 青のズボン
メダリア=ファーム 性別 女 種族 獣人Lv16
【才能】??? 職業【奴隷】
体力4600 攻撃力200
守備力190 魔法攻撃力40
魔法防御力150 速さ280
武器
防具 ワンピース
スキル
同化時【白の舞】
怒号、悲鳴、喧騒。
街中で様々な人の感情が渦巻いているスラスト国内部。
街の中心には、大型の虫型モンスターと大型モンスターに付き従う中型モンスターと退治する勇者、スラスト国内の実力者達が協力して激しい戦いを繰り広げている。
だが、街の中心以外にもモンスターが冒険者達の隙を掻い潜るかの様に出現しており、モンスターから逃げる街民の悲鳴や逃げ惑う声が聞こえていた。
「くそっ!何なんだよコイツら!?」
「こっちに来るんじゃねぇよ!!」
「おい、そっちに行ったぞ!」
「誰か止めろぉー!」
「ぎゃぁああああっ!!?」
街の至る所で響き渡る悲鳴と断末魔の声に虫型モンスターの不快な羽音。
その光景はまさに地獄絵図と言っても過言ではない程だった。
「メダリアッ!何処だ返事をしてくれ!」
「メダリアちゃんどこに行ったの!?」
そんな阿鼻叫喚の人の濁流に飲まれ、行方が分からなくなったメダリアをアレンとアルトリアは必死になって探し続けていた。
「クソッ、あの時俺がメダリアから目を離さなければこんな事にはならなかった筈なのに…ッ!」
遡ること一時間前───
アレンとメダリア、アルトリアの三人は食材の買い出しをするために出店や露店が建ち並ぶ西地区に訪れていた。
そこは活気溢れる人で溢れており、アレン達と同様に老若男女、様々な年齢層の買い物客の姿が多く見受けられた。
「えへへ〜♪いっぱい買っちゃいましたね〜」
「ああ、これだけあれば暫くの間は大丈夫そうだな」
「ふふっ。そうだね」
両手一杯に抱えられた大量の食料を見て嬉しそうにするメダリアにアレンとアルトリアも笑顔を見せる。
「よし、それじゃあ次は何処に行くか……」
「私としては服屋に行きたいかな?いい加減メダリアちゃんの服を買わないとだし?」
「確かに…。メダリアの服はアル姉のお下がりだったからな」
現在、普段着として着ている青色のワンピースも昔、アルトリアが着ていたものを着ており、少しサイズが大きくぶかぶかではあるが、メダリアの愛用着となっている。
「えっ!?本当にいいんですか!?」
「うん、勿論だよ!だって可愛い服を着たメダリアちゃんを見てみたいもん!」
「ありがとうございますアルトリアお姉様!」
メダリアは、満面の笑みを浮かべながらぴょんぴょんとジャンプし喜んでいた。
(……やっぱり姉妹みたいに見えるよな)
そんな二人のやり取りを見ながら、アレンは微笑ましいものを見るかのように見つめていた。
「よし!じゃあ服屋に行くとするか」
「はい!」
こうして、三人は服屋に向かって歩き出したのだが、進行方向から何やら怒号が聞こえてきた。
「この役立たずッ!何の役にも立たないな!!」
どこかで“見た事があるような気がする貴族の男”が、大声で“フード付きのボロ布を纏った奴隷らしき子供”に怒鳴り散らしていた。
子供の身体は、ボロ布で見え隠れしているが傷だらけで、明らかに暴行を受けた痕が見える。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
奴隷の子供は、ただひたすら謝っていた。
「えと、ご主人様…あの子」
「アレン…」
「ああ、分かってるよメダリア、アル姉」
遠くで見ていたアレン達はいたたまれなくなり、貴族の男と奴隷の子供の所へ行こうとしたその時だった。
空が急に雲一つない綺麗な青空から禍々しい程の赤い空に、赤く赤く塗りつぶされていく。
やがて、塗りつぶされた赤い空を覆い尽くす様なスクリーンが出現。
そのスクリーンには一人の人陰が映し出されていた。
誰もが知るそのスクリーンに映し出された人影の正体は───
『やあ、Real life and fantasyの世界のみんな。元気かな?』
「お前はッ!?」
人々は、その人物を知っている。
何故なら、地球に住んでいた人々をゲームの世界に転移させた張本人であり、この世界をクリアするために倒さなければいけない人物。
それは───
『ゲームマスターのこの僕が第五十回全世界同時レイド戦を記念して君たちにお知らせに来たよ』
「くッ!」
この世界を操り、支配しているゲームマスターと名乗る男だ。
『第五十回ともなると流石に皆も飽きてきているよね?超巨大なドラゴンだったり、魚だったり
色んなモンスターで襲わせたけど、皆強くなってきていて僕は嬉しいなぁ』
レイド戦は、それぞれの種族の拠点となっている場所を拠点外のフィールドで出現したモンスターから守るイベントで、不定期に行われるゲームマスターの暇つぶしであり、人々にとっては命懸けだ。
『でも、まだ僕を倒せる強さを持ったプレイヤーはいないみたいだから、皆にはもっともっと強くなって貰わないと困るんだよね』
『そこでだ。人は、何か守るものがあれば強くなれるらしいよ。という事で、今回のレイド戦は君たちが拠点にしている場所にモンスター達を出現させるから君たちは、守りたいものを守りながら戦ってね』
何かとんでもないことを残していくと、スクリーンに映されていた男はブツンと消えたと同時に、アレン達の周囲に異変が起こる。
「おい!空を見ろ!なんだあれ!?」
誰かが放ったその言葉の通りアレン達が空を見るとそこには、大量の魔法陣が描かれており、その魔法陣の中から大中小の虫型モンスターが軍勢となって出現した。
「嘘だろ……ッ!」
「こんな数どうしろっていうんだよ!」
「嫌だぁあああっ!!」
「死にたくないぃいいいっ!!」
「キャァアアッ!!」
人々は、恐怖に支配されパニックになり、逃げ惑う中、虫型の巨大モンスター達が街や人々に襲いかかる。
逃げ遅れた人が踏み潰され、建物が崩れ、炎が上がり、人々の悲鳴と断末魔、虫型モンスターの羽音や死肉を食いちぎら音が響いている。
「くそッ!落ち着け!落ち着くんだ!…ぐあっ」
アレンの必死の呼びかけも虚しく混乱は収まることはなく、アレン達は人々の流れに飲まれていく。
「アル姉!メダリア!大丈夫か!?」
「私は平気だよ!メダリアちゃん大丈夫?」
だが、メダリアの返事がない。
「おい!メダリア!どこだどこにいる!?」
アレンは、人々の流れに飲まれながらメダリアの姿を探すが見当たらない。
「アル姉!メダリアがいない!」
「そんな…」
アルトリアもメダリアを探しているようが、見つからない。
「クソッ!一体何処にいるんだ!?メダリアーッ!」
そして現在に至る。
「アレン今は自分を責めてる暇はないみたいだよ」
アルトリアが青ざめた表情で指差した方向を見ると、そこには虫型モンスターがこちらに向かって飛んできていた。
「くそがッ!」
アレンは舌打ちしながら、ステータス画面を開き、剣と盾を構えながら呪文の詠唱を始める。
「我と契約せし者よ・我の元へ現れよッ!召喚ッ!ガルーフ!ミニミニゴーレム!ゴロゴロ!岩蛇!」
アレンが詠唱を始めると、アレンが立っていた場所に魔法陣が四つ描かれ、その魔法陣からアレンがテイムした四体の魔物が現れた。
魔物使い専用召喚魔法【モンスターゲート】だ。
「ミニミニゴーレムと岩蛇は、アル姉を守りながら安全な場所に避難させてくれ!ガルちゃんは、メダリアの捜索と安全の確保だ任せたぞ!ゴロゴロお前は、俺と一緒にこいつらを倒すぞ!」
アレンが、モンスター達に指示を出すとモンスター達は任せろと言わんばかりの仕草をとった。
「アレン一人で本当に大丈夫なの?私と一緒に逃げた方が…」
アルトリアは、心配そうな顔をしながらアレンに尋ねた。
「俺は大丈夫だ。それに救える命があるなら少しだけでも救いたい。俺だって一応冒険者だからな」
「アレン……分かった。絶対に無理しないでね」
「ああ、分かってる」
アルトリアは、心配そうな表情でそう言うとミニミニゴーレムと岩蛇に連れられて避難して行き、ガルちゃんもメダリアを探すため駆けて行った。
「さて、行くぞゴロゴロ!」
「ゴゴ…!!」
アレンと共にゴロゴロは、虫型モンスター達へと向かっていった。
「うおおおおおおぉぉお!!」
アレンは、次々と飛来してくる虫型モンスターを斬って斬って斬って斬りまくり、ゴロゴロは、土魔法【フォールンロック】で岩の雨を振らせ撃ち落として、撃ち落として、撃ち落として、撃ち落としまくる。
「くそっ!キリが無いな」
倒しても倒しても次々に飛来してくるモンスターにアレンは、悪態をつくがモンスターの勢いは止まらない。
それでもアレン達は、モンスターを倒して前に進んでいく。
だが、モンスターの数は多く、アレン達がモンスターを倒している間に新たなモンスターが飛来してきてまたモンスターが押し寄せてくるが、救える命を増やすために戦い続ける。
「はぁ…はぁ…くそッ」
「ゴォ……ッ」
アレン達は既に、満身創痍だった。
だが、アレン達とは裏腹にモンスター達は増えていく。
他の所で戦っている冒険者達も、同じようにそれぞれが次々に来るモンスター達と死闘を繰り広げていた。
アレン達が戦闘を初めてしばらくした後、アレン達の前にどこからか中型の虫型モンスターが現れた。
黒い円筒形の身体に頭部には獲物を噛みちぎる大あごと二本の触覚、脚は六本で鋭い爪と毒針を持ったアリ型のモンスター。
アントアントだ。
どうやら中央の戦域から離脱した個体で、甲殻には無数の傷跡が付き、六本ある脚の後脚と前脚の二本が欠損している手負いの状態だ。
しかし、それでもアレン達よりも格上の強さを持っている。
「ここが踏ん張り所だ!相手は手負いだが、気を引き締めて行くぞ!」
「ゴゴッ!」
アレン達は気合いを入れ直し、武器を構えて臨戦態勢に入る。
お互い睨み合う両者の間に緊張が走る。
そして───
戦いの火蓋は切って落とされた。
「ゴオオッ!」
先に動いたのは、ゴロゴロだ。
ゴロゴロは、土魔法【ストーンバレット】を発動させ、石礫を複数放ち先制攻撃を放つ。
『キシャ──!』
不意打ちに近かったこともあり、反応が遅れたのか、アントアントは数発の直撃を受けた。
「よし!いいぞゴロゴロ!」
「ゴゴ!」
さらに畳み掛けるように、アレンは剣で斬りかかり、ゴロゴロは後ろから岩の槍を放ち追撃をする。
『ギギ!』
だが、アントアントもアレン達の連続攻撃を喰らうわけもなく、素早く身を翻すとアレン達に、大きな身体を使って体当たりをしてきた。
「ぐッ!」
「ゴガァッ!?」
咄嵯の判断でアレンは盾で受け止めたが、ゴロゴロは避けきれずまともに受けてしまい吹き飛ばされる。
「ゴガッ!……グッ!!」
ゴロゴロは体勢を立て直そうとするが、追い討ちをかけるかのようにアントアントが口を大きく開き毒液を吹きかけてきた。
ゴロゴロは、なんとか岩の体でゴロゴロ転がりながら回避するが、完全に避けることができず毒液を浴びて毒状態になってしまった。
「ゴアッ!!……グゥ……」
「大丈夫か!ゴロゴロ!癒しの光よ・彼の者の毒を取り除け」
「ゴ……ゴッ……」
アレンはすぐに駆け寄り、白魔法【ポイズンヒール】を唱えると淡い光がゴロゴロの身体を包み込み、アントアントの毒をゴロゴロから綺麗に取り除いた。
「よし、これで大丈夫だな」
「ゴ……ゴゴ!」
アレンは安堵するとすぐに立ち上がり、剣を構える。
「いくぞ!」
「ゴォ!」
アレンは走り出すと、アントアント目掛けて剣を振り下ろすが堅い甲殻に攻撃が弾かれてしまい、無防備な状態を晒してしまう。
『キッ』
無防備な状態のアレンを見逃さず、アントアントは爪でなぎ払おうとするが、
「ゴゴッッ!」
さっきはよくもやってくれたなと言わんばかりに土魔法【ストーンバレット】を撃ち放つ。
岩の弾丸がアントアントを襲い命中。
『ギギギッ!!』
ほとんどが堅い甲殻に弾かれるが、幾つか腹部の傷が付いていた甲殻に突き刺さり、甲殻がポロポロと少しずつ剥げ落ちる。
「ゴゴッ!」
さらにゴロゴロは、土魔法【アースランス】を発動し数本の尖った石を出現させると、それをアントアントに向かって放った。
『ギィイイッ!!』
何本もの石の槍がアントアントに襲いかかり、甲殻が剥がれ落ちた柔らかい身体の内側を抉っていき、大ダメージを与える。
「いけるぞ!」
「ゴゴッ!」
アレン達は、手負いのアントアントに対して何とか優勢に立ち回り、確実にダメージを与えていった。
『ギ……ッ』
「トドメだ!うおおおおおお!!」
「ゴォッ!」
アレンとゴロゴロは、先程ゴロゴロが大ダメージを与え、甲殻が剥げ落ち弱点となった箇所に同時に攻撃を叩き込む。
『ギ……シ……ャ?』
アレン達の同時攻撃を受けたアントアントは、力なく地面に倒れ伏し魔障を吹き出しながら消滅した。
「やったぞゴロゴロ!お前のおかげで手負いとは言え格上のモンスターを倒せた。ありがとう。だが、休んでいる暇はないな。次行くぞゴロゴロ!」
「ゴゴっ!」
(頼むメダリア無事でいてくれ…!)
アレンとゴロゴロは、休むことなく次の場所に向かった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!今回はレイド戦という事で少し長めのお話になります。メダリアは大丈夫かなぁ。どうなっているんでしょうね。そして途中出てきた奴隷の子供誰だろう…
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ステータス
アレン=ジース 性別 男 種族 人類種 Lv20→21
【才能】無し 職業【魔物使い】
体力6000→6150 攻撃力240→245
守備力250→260 魔法攻撃力180
魔法防御力180 速さ140
武器 鉄の剣 盾
防具 皮の鎧
メダリア=ファーム 性別 女 種族 獣人Lv16
【才能】??? 職業【奴隷】
体力4600 攻撃力200
守備力190 魔法攻撃力40
魔法防御力150 速さ280
武器
防具 ワンピース
スキル
同化時【白の舞】
ゴロゴロ 性別 ? 種族岩石型モンスター Lv17
体力5500 攻撃力120
守備力260 魔法攻撃力210
魔法防御力240 速さ100
スキル
土魔法【フォールンロック】
土魔法【アースランス】




