3話 明晰夢
どうもこんにちわ!
読んでいただきありがとうございます。
投稿頻度はおさっしの通り遅いです。
ご了承ください。
夢を見ている。
それはどこかの風景だった。
のどかな田舎町が見える。
子供達の賑やかな笑い声が聞こえる。
美しい花が咲き乱れ、穏やかな風が吹き、スローライフを送るなら、一番に住みたい。そんな場所だった。
景色は変わる。
それはどこかの路上だった。
一人の女性が絵を描いている。
美しい絵だった。
平和を表したような森の絵だった。
動物、植物、太陽、空、川、全てがきらめいていた。
景色は変わる。
何かが燃えていた。
闇が支配する中、何かが燃えていた。
それは轟々と燃え広がり、どんどん大きくなる。
何かが聞こえる。
何かが燃える中、何かが叫んでいる。
それは人の声だった。
耳を澄ましてみる。
聞こえてくる。人の声。人の声。人の声。
男性の声、女性の声、子供の声、叫んでいる。
何かは人だった。燃えていたのは人だった。
月明かりが闇を払う。
燃えていたのはあの田舎町だった。
轟々と燃える町。
炭となっていく町。
それを見て笑っている人がいる。
愉快で仕方が無いと嗤っている人がいる。
『あぁ、美しい。なんて、なんて..キレイ』
絵を赤と黒で描きながらワラッテイタ。
三日月の様に歪んだ笑みを携えてこちらを見る。
『ねぇ、あなたもそう思うでしょう?』
「ーー!!」
声になら無い声をあげてトーマは飛び起きた。
服はグッショリと汗を含み、動悸は止まることを知らなかった。
少ししてようやく落ち着いた彼はゆっくりと周りを見渡す。
「...どこだ、ここ」
あぁ、最悪の目覚めだよ。なんだったんだ、あれ。というよりここは..?
辺りはどこかで見たことのある、そうつい最近見た覚えのある。オンボロな...家..?
「へ?ドラゴン?!」
チラリと見えた窓の外に紫色のドラゴンがいる!あぁっ!
「異世界!!」
そうだ、俺はあの二足の魚に、、殺されて、、
「転生した?」
でも初めてだ。同じ場所で目覚めた。
いや、全てが夢だったのかもしれない。明晰無ってやつ?
そうだ。そうにちがいない。
未だに恐怖に震える体を動かし、ボロボロなベットから身を下ろし、玄関に向かって、異様に重い扉を開けて外に出る。
そこにはあのドラゴンが居て。奥の方に小川が流れているのが見える。
「たまたまだよな?」
ゆっくりと草木を掻き分け、小川の方に進む。
そこには二足の魚と....
キレイな赤い花を咲かせた、脳天がカチ割られた、もう動くことの無い、死体があった。
「 」
まだ彼の地獄は、始まったばかりだ。