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5、4歳の誕生日と魔法1

 午後の体力づくりも終わって自室に戻り夕食までの息抜き時間。

  この時間が一番ゆっくりすることが出来、魔力操作に専念できる。


  私は勉学、体力づくり、魔力操作に励み努力を継続し続けて数ヶ月と経った。

  明日にはもう4歳になる。


(……とはいえ、5歳のお披露目まで誕生日を祝うような風習はこの国に無いのですが)



「早いものですね〜。フィリセリア様も明日で4歳になられるんですね……。……まだ、4歳ですよね?既にマナーは社交界に出ても大丈夫そうなくらい完璧。勉学は初等部の分はもう終わってしまいそうなのに……」


「でも、体力面はそこらの5歳くらいの男の子と同じくらいしかありませんし。運動面もほかの子どもよりはできるという程度でしょう……。とても文武両道とは程遠いですわ」


「いえいえ凄すぎますって……。そうだ!フィリセリア様に婚約者の話が上がってきているのをご存知ですか?」


「ふぇっ!?」


「んふふ。ふぇって……クスクス。マナー完璧でも取り乱すとそんな声出すんですね〜」


「そ、そんな事はいいわ!待って、まだ5歳のお披露目もしていないのよ?他家は私のことを知らないはずよ?」


「フィリセリア様は公爵家のご令嬢ですし、才能目覚しいお方ですから。お披露目はまだでもついつい親族の方々が自慢なさってちょっとした話題の人ですよ?」


「いやよ!やめてぇー。目立ちたくて頑張ってる訳では無いのに!」


「えっ!少なからず目立ちたい思いあっての事かと思っていました」



(待ち受ける焦燥感の果てがどうなるか分からないから色々と備えているだけだったのに!

 公爵家の令嬢で、勉学の習得が目覚しく、マナーも完璧?その上に騎士を目指すかの如く木刀を振り回す?)



「……確かに目立つ事をしてきているわね」


「間違いないです」


「でも、婚約話だなんて!……いずれは仕方ないとも思っていたけれど話が早すぎるわ」


「でも、いい相手には早いうちに唾を付けるようにってーーあっ、すみませんつい汚い言葉を……」


(……それ、いい男に対して使う言葉よね?私、女よ……)



  ついリリアにジト目を送るも公爵家に産まれた以上、縁組に自由は無いとある程度覚悟もしていたので驚きはしたが、実はそれほどショックでは無い。



(どこに嫁がされてもやって行けるくらい色々と身に付けておきましょう。最悪の場合、身分も帰る国も無くなってしまってもやっていけるくらいに……)



「あああ。そんな暗い顔なさらないでください。心配しなくてもフィリセリア様なら大丈夫ですよ!」



  故郷を追われても生きていけるようにしようなどと考えているうちに無意識に暗い顔をしていたようだ。

  自分の発言のせいで婚約に対して要らぬ心配を主にかけさせたとリリアが慌てふためいた。



「ふふ。ええ、大丈夫よ。どこに嫁がされても上手くやれるように今はただ出来ることをやり続けるだけだわ」


「はぁ〜……フィリセリア様は本当にすごいです。私、尊敬します」


「もう……3歳児相手に何言ってるんだか。ふふ」


「……そういうところが3歳児に見えないからですよ多分」



 ****


  翌日の4歳の誕生日は祝う風習がないので仕方ないが何も変わらない1日だった。



(少しばかりは期待していたのですが……それも夢で見た人生の影響ですね。それまでは何ら疑問に思わず毎年を過ごしていたのに……)



  すっかりあの時見た夢の中の人生は自分の物ののように思えており、どれだけ日数が経っても不思議なことに全く色褪せる事はなかった。


  日中に勉強や運動の傍ら魔力操作の訓練を続ける事で魔素をかためて魔力とする事は難なくできるようになった。



(でも、ある程度まとめるのに早くても3分程はかかってますわね……。実践にはとても向かなそう)



「でも、ある程度の量にはなっているからもしかして……」



  私は日課の午後の運動の後、いつもは自室に戻るところを息抜きをしたいので1人にして欲しいとリリアに言い、庭へと足を運んだ。


  庭は各所ごと暖色の可愛らしい花が咲くエリア、青い花が慎ましく咲いている落ち着いたエリアなどいくつかに分れており全てに東屋が設けられている。

  春先ということもありどの庭も見事な花畑が出来上がっていた。


  その中でも私が足を運んだのはお気に入りの暖色の花が咲くエリアの東屋だ。


  暖色の花の低木に囲まれている。


  腰を曲げ花々に顔を近づけると私のミラージュヘアーが鮮やかな色彩のグラデーションに染まっていった。

 

(4歳にもなるとある程度は髪が長くなったからようやく自分でも見られる。本当に色を写してる、綺麗……こんなに鮮やかに色を写すのね)



  私は伸びた髪の端を手ですくい。


  まじまじと自分の髪を眺めた。


  リリアや母様がよく褒めてくれるミラージュヘアーも自分の視界にはっきり入るほど髪が伸びていなかった。

  そのため景色の色を写すところは自分の目で直接見ることは出来なかったのだ。


(部屋の姿鏡に写る姿は部屋の色だからいつも通りだし、ここ最近は勉学、運動でいつも忙しくて全然庭に来なかったものね……)


「人払いもしてあるし……試してみますか」



  私は魔素で集めた魔力を使って、初めて魔法を使ってみる事にした。


続きが気になる、頑張って欲しいなど思っていただけましたら

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