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29、魔素魔力と精霊魔法

おまたせ致しました29話です!


ブックマーク、評価つけて下さった方

有難うございます!m(_ _)m

「待ってくれ。魔素で魔力をつくった?どういう事だ?」



  精霊達との出会いを説明するために魔力の話から始めたら陛下が魔素魔力に興味を持ち、質問をしてきた。



「本当は自分の魔力で魔力操作の訓練がしたかったのです。けれど、収魔のブレスレットを外すところを見られるのは良くないと思い魔素を操作する事で魔力操作の訓練をしていました」


「収魔のブレスレットを外しているところを目撃したという報告は2回程度だというのに、魔力操作の精度が高かったのはそれが理由か……」


「魔素を操作する事自体がまず魔力操作より難しそうだが、魔素が魔力になるのが分からぬ。説明できるか?」



  どうやら、魔素で魔力操作の訓練をしたり魔素を元に魔力を作ったりする事も常識外れな事のようだ。

  ということは、圧縮も一般的にはしないのかもしれないと思いながら続きを話した。



「魔素をできるだけ集めてそれを圧縮するのです。魔素は固めると魔力になるので、私は仮に魔素魔力と名付けました。それを使い、この間は公爵の前で魔法を使いました」


「魔力圧縮を既に習得してるのか!?」



  公爵が驚いて大声を上げる。


  だが、その様子を見るに魔力圧縮という考えは既にあるような反応だ。

  なら、なぜ驚くのだろう?



「フィリセリア、魔力圧縮をしているのは魔素だけか?それとも自分の魔力も?」


「はい。最近は自分の魔力も圧縮しています。けれど、魔素よりも圧縮が簡単で自分の魔力の回復が出来次第行なう感じなので、訓練としては手応えがありませんけれど……」



  そう私が答えると、再び2人が固まったかと思うと次の瞬間にはシンクロため息をした。



「……シディス、君の娘は聞いていた以上の規格外のようだ」


「私も今それを実感しております……」



  2人がしみじみ分かちあっている感じの空気を醸している。

  このままでは話が進まないと思ったので、私は勝手に話を進めた。



「えっと、話を続けますね。魔力圧縮を自分の魔力に施すにも魔力の回復が遅いからあまり訓練できないのが気になってしまったのです。なので、次に魔力回復速度を上げたいと考えました」


「意図的に魔力回復速度を上げる方法があるのか!?」


「まだ、試している最中なので結果は出ていませんが恐らく……。一般的に収魔のブレスレットを外し魔術訓練をするようになってから魔力回復速度は上がっていくのですよね?」


「そうだ」


「そして、魔術をよく遣う魔術士達ほど魔力回復速度は早いと聞きました。なので、私は仮説を立てたのです。魔力は使えば使うほど魔力回復速度を上げられるのではないかと」



  そこで、公爵の眉間にシワが寄った。



「フィリス、私は魔術を使用するのは師となる魔術士をつけてからと言ったはずだが?」


「もちろん守っておりますよお父様。お父の言い付けがあったので、私は魔法を使う代わりに自分の体から魔力操作で魔力を一気に引き出すという事を行ってみたのです」


「なるほど、魔術使用時に魔力が引き出される状況を意図的に行ったのか」


「はい。精霊達と関わったのはその魔力回復速度を上げることを試すための魔力操作訓練をしている時でした」



「……そういえば、本題は精霊魔法だったな」



  皇帝陛下も公爵も精霊達との契約について話を聞いていたということを忘れていたようだった。



「自分の魔力を出しては圧縮解放を繰り返して、自分の魔力が空っぽになるほどーー」


「圧縮……解放?解放とはなんだ」


「空気中に霧散させるんです。自分から取り出した圧縮魔力をさらに圧縮しては部屋で霧散させてました」


「「なんだと!!!?」」



  説明をしていると2人が話の途中でガタッ!と立ち上がって叫んだ。



「そんなとんでもない濃度に圧縮された魔力を締め切った部屋に撒き続けたのか!?」


「なんて事だ!すぐにでも騎士団を編成ーー」


「だ、大丈夫です!その魔力は全部、精霊達が吸ってしまったので!」



  高濃度の魔力が溜まっていると魔物が集まってくるから、魔物が帝都に押し寄せて来るぞと精霊立ちからも言われた事を思い出して慌てて説明する。


  私の言葉を聞くと、2人は脱力したように椅子に座った。



「つまり……高濃度の魔力に釣られてやって来た精霊達がフィリセリアの魔力を吸い、契約に至ったと?」



『そんなに食いしん坊じゃないよー!』


『高濃度の魔力に釣られたというより、フィリスの魂に惹かれてたどり着くと高濃度の魔力が溜まっていたので頂いただけですわ』


(え、そうなの?)



「精霊達は、私になんとなく惹かれて見に来て、見に行った先で高濃度の魔力が溜まっていたので吸ってくれたようです」


「精霊方が来てくれ、魔力を吸ってくれたのは偶然だったのか……」


「まぁ、はい。そのようです……。その後、精霊達が高濃度の魔力をそのままにしておくと魔物が沢山来て危ないから同じ事を続けるつもりなら契約した方が良いと……」


「………精霊方に心から感謝せねばならないな」



  皇帝陛下が脱力仕切ってそう呟くと、公爵が即座に謝罪し、私も慌てて謝罪した。



「陛下、面目もございません」


「!申し訳ありません陛下……」


「いや、以後は安全なようでその点は安心した。……して、その時に風と光と闇の精霊が契約に応じたのか?例の件との関わりは?」


「いえ、朝になって風と光の精霊にその話を聞いて契約に至りました。朝には既に闇の精霊が傍に居なかったので、その時は契約に至りませんでした。闇の精霊は、拐われた先で光も風も無いため精霊たちが呼べず困りきっている時に会ったのです」



  私が説明を続けていると、私が拐われた時の事を思い出したためか公爵は渋い顔をしながらその時の事を呟いた。



「拐われた状態は縛られ袋に入れられてだったな……それで、風と光の精霊ではどうしようもなかったと」


「はい。闇の精霊は、魔力はもらってあるから契約に応じても良いと言ってくれました。そして、私を影の中へ隠してくれたのです」


「影の中へ……それが闇の精霊の精霊魔法なのか。だが、その時点では影に入っただけか?」


「その通りです。闇の精霊は、夜になれば影が増えるから移動しやすいと言いました。それで夜まで待ち、いつになったら移動を始めるのかと思っていたら闇の精霊がもう屋敷に着いたと……」


「影の中で移動もせずただ待っていたら遠距離移動していたと?影の中では距離が関係ないというのか?」


「えっと……」



  詳細がわからずどう答えたらいいかと困っていると白妃が助け舟を出してくれた。



『距離によって消費する魔力が違うはずですわ』


(ありがとう白妃)


「……距離によって消費する魔力が違うそうです。拐われた先から屋敷までの距離は契約時の魔力でも足りず、後からさらに魔力を吸われました」


「なるほど……そうそう使えるものでもないのか」



  皇帝は、気づいた様子もなかったが公爵は彼女の反応に違和感を感じた。



「……フィリス。もしや今、精霊様にこの場で聞いたのか?」


「あ、はい。そうです」



  私がそう答えれば、その質問を聞いて一瞬キョトンとした顔をした皇帝も質問した公爵も部屋のあちこちに目を走らせた。



『あははは、全然違うとこ見てるし!』


『翡翠、笑うのは良くありませんわ。それに、私達が見えないのはいつもの事ではありませんか』



  私も翡翠に釣られて笑いそうになってしまうので2人にやめてもらう為に、翡翠と白妃の場所を教える。



「風の精霊は私の左肩に乗り、光の精霊は私の右上で浮いております。闇の精霊は、陰の少ない時間なので不在ですわ」


「………そうか。精霊方、改めてフィリセリア嬢と契約をなしてくださり感謝する」


「………精霊様方、娘をよろしくお願い致します」



  2人ともあらぬ方向を見て探していた事が恥ずかしいようで、耳を若干赤くしながら私の方向を向き感謝を述べた。

続きが読みたい、応援したいと思っていただけましたら


ブックマーク、評価★★★★★のほどよろしくお願いします!

(´∀`*)

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