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13、魔力の訓練法2

 偽の収魔ブレスレットを貰ったその夜、日中に気づいた魔力回復速度を上げる方法をなんとかして出来ないか考えていた。


  収魔ブレスレットに吸われる速度では回復速度を上げるのに不足。

  魔法使用をたくさんすることで回復速度は上がる。



(ならば……短時間での魔力大量消費が条件なのでは?)



  もし、それが条件なのであれば魔力操作で一度に多量の魔力を取り出すことを続ければ、回復速度は上がるのではないかと彼女は考え着いた。



(魔力を取り出す操作は収魔ブレスレットの時と同じでしょうし、やってみましょう)



  偽ブレスレットに替えてから続けていた魔力圧縮の時の2倍ほど魔力を取り出してみる。

  魔素魔力で比べるなら10倍だ。


  身体から一気に魔力が抜けた感覚がするがまだまだ体内魔力に余裕があるように感じる。

  それをできる限り圧縮した上で、その場で霧散させた。



(一気に魔力を取り出して圧縮して霧散する事は可能ですね!この調子で続けていって様子見しましょう数日で回復速度上昇が実感できるといいのですが)



  その晩は、体内魔力を取り出しては圧縮霧散を繰り返した。

  ほぼ体内魔力が空になる頃には、無気力になるような脱力感でいっぱいな状態になり眠りについた。


  部屋の中は濃い魔力で満たされ、月明かりが差す窓の外には翡翠色、漆黒色、白色の三色の光が集まって来ていた。



 ****


  翌朝目覚めると、昨日の魔力放出した時の気怠さはすっかり抜けていた。



(いつの間にかに寝てしまったみたい……)



  窓の外を見ると、まだ日が昇り始める所のようで薄暗い空に朝日の橙色の光が見えてきているところだった。

  昨夜は、魔力がもう無くなってきていると感じる辺りから気怠くなり、もう無くなると思ったら気を失うように眠ってしまった。


(日中に魔力が無くなるほど魔力放出する訳にはいきませんね……。まずは、程々の放出具合を把握する事にしましょう)



  そんな事をベッドの上で考えていると突然声が響いたので、その場で飛び上がる事になった。



『 あっー!やっと起きたのね!』


『そのようですね』


「えっ!?ど、どこ」



  私はベッド周りやドアの方を見るが誰も人が入って来ていない。



『そっちじゃないよー!』


『窓の方です。お邪魔しますね?』



  その言葉を聞いて窓を見れば翡翠色の光と白色の光が窓をすり抜けて入って来た。


  近づいてくると光の中に光に合わせた色のワンピースを着た小さな人が見える。

  翡翠色の方は外ハネの短い緑の髪をして活発そうな顔をしている。

  白色の方は長いストレートの白髪でおっとりしてそうな顔付きだった。



「え……もしかして」


『多分思っていることで合ってらっしゃるかと』


『昨日はごちそうさま!』


「ごちそうさま……?」



  思っていることで合っているという事なら精霊で間違いないという事なのだろうと思う。

  だが、ごちそうさまの意味がわからず私は直ぐに聞き返した。



『いっぱい魔力貰ったからね!』


『昨日、部屋いっぱいにあった濃い魔力をいただきました。先程まで居た闇の精霊もいただいたのですが朝日がさし始めたのでどこかへ行ってしまいましたわ』


「ああ、あの魔力を……。朝までに自然に無くなったわけじゃなかったんだ」



  確かに朝起きたら部屋いっぱいにあった濃い魔力は無くなっていた。

  時間が経ち消えたのだと思っていたがどうやらこの精霊たちが食べたから無いらしい。



『そう!だから私たちはあなたの味方になってあげる!』


『魔力を放出するだけして寝てしまわれたので貰っていいと思いいただきましたわ。でも、魔力をいただいたからには契約成立です。あなたの力になりますわ』


「け、契約?」


『勝手にいただいたのは申し訳なく思っていますの……指名されてもいないのにいただいてしまいましたもの』


「ううん。貰ってくれたのは全然いいのよ?捨てるつもりで放出してたんだもの」


『魔力を貰ったら力を貸す!それが決まりだからな!何すればいい?』


「何するっていきなり言われても、今して欲しいことなんてありませんの」



  そう私が言うと精霊たちはお互い見合わせて困った顔をした。



『あんなにたくさんの魔力はなかなか食べられない。こうして進級出来たくらいだし……できたらもっと……どう思う?』


『そうですね。私も賛成です。あなた、私達と精霊契約致しませんか?』


「精霊契約!?」


(それって、精霊術師が精霊と行うというパートナー契約じゃ……)



  そう考えていると精霊2人がニコッと笑った。



『その精霊契約だよ!あんたなら大歓迎だ』


『魔力は相当量いただいていますから条件は満たしていますわ。あとは私達に名をくださるだけです』


「えっ今私、声に出していな……」


 コンコン


「フィリセリア様、起きていらっしゃいます?」



  そこまで問答していたところで、リリアが様子見に部屋へ来てしまった。

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