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ちょっと番外 どうやって外に出るのか

「というわけで、外出許可が欲しいんだけど」


 俺は今、城に来ている。


 王に直談判して、外出許可を得れば、あとはダンジョンを攻略するだけだ。


「何がというわけ……じゃ。 目的さえ聞かなければ許すが……よりによって魔王のダンジョンとはのう」


「なに、だめなの?」


「レムよ。 あそこがどういうところかはわかっておるのか?」


「一言で言えば……ラスダン?」


「強いと言えども、お主はまだ子ども。 子どもをそこへ行かせるほどわしも耄碌はしておらんぞ」


「ふーん。 で、どうしたら行ってもいい?」


「話ちゃんと聞いてた?」


「いいや。 だって、流石に外出許可が下りないのは俺にとって都合が悪すぎるよ」


「お主というやつは……分かった。 そのわがまま、一度だけ書いてやろう。 ただし、条件がある」


「なに、またそういう感じなの? 間に合ってるんだけど」


「まぁそういうな。 簡単なことじゃ、そこで手に入れたものを全て国に差し出すこと……どうじゃ?」


「この強欲ジジイめ。 ひとつだけ、譲れないものがある」


「なんじゃ?」


「そこのアーティファクトだと思う。 ある書物だけは俺のものだ」


「魔王の遺産か……そのほかの魔石がもらえるからくれてやろう」


「取引成立だな。 じゃあ俺いくぜ?」


「まぁまて。 このまま死なれては大損じゃからの。 お供とかは……」


「いらないね」


「……そうか、ならせめて、これを持って行くがいい」


「これは……なんだ?」


 針のような金属が渡される。


「これは、国宝なんじゃが、コンパスというアイテムでのう。 魔力を通せば自分の求める地へ指し示してくれる。 ちゃんと返すんじゃぞ?」


「へぇ。 いいもん貰った。 ありがとな」


「いや、貸すだけじゃぞ? おい、レム。 戻ってこい。 レーーームっ!!」


 もはや、王の言葉は耳に届かない。


 俺は、魔王のダンジョンへ向かうのみ。


 簡単だ。 全ての敵を倒して、最深部に行く。


 そして、あのガイドに会うんだ。


 何故だか、合わなきゃいけない気がする。


 こうして、一歩、ルクセン王国の外に足を踏み出した。

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