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シラバスなんか捨てちまえ

「はーい。 オリって事でやらせてもらいます。 担任のライル言いますから、ライル先生って呼んでくださいね」


 席に座り、時間を待つと男教師が入ってきて、自己消化を始める。


 ざわめいていたクラスは静かになり、一同は教卓に立つライル先生の元に視線を集めた。


「うん、思ってたより良い子達が集まってるね。 このクラスは、周りを見てわかる通り、優秀な人が集まってます。 互いに切磋琢磨していってね。 じゃあ、これシラバス配ってくね」


 一つの冊子を取って、後ろに回す。


 中をパラパラとめくると、カリキュラムについて密に書かれていた。


「これ、なかなかきつい学校生活になりそうだな」


 隣の先の男が声をかけてくる。


 横を向くと、その男はなかなかチャラい。


 失礼、軟派そうな男が座っていた。


「そうだな。 えっと」


「あ、ごめん。 おれは、ジャイケル。 君は?」


「レムだ。 よろしく」


 互いに握手を交わす。


 へぇ、こいつなかなか良いやつだな。


「そこ、何喋ってるんです?」


「あ、すみません」 「ごめんなさーい」


「さて、良いですか? まずは、このシラバス……破ってくださいっ!!」


 教室中がざわめく。


「どういう事だと思う?」


 俺は、ジャイケルに聞く。


「うーん。 わかんねえけど……やっちゃえ」


 ジャイケルが景気良くシラバスを破いた。


 それを見て、俺も一緒になり破く。


 うわ、なにこれ。 気持ちいい。


 小気味いい音と感触。 そして、背徳感がたまらなかった。


「いいな……これ」


「だなっ!!」


「さて、みなさん。 今シラバスを破いてもらったのには理由があります。 みなさんは特別クラスとなり、通常のカリキュラムから外れます。 登校も必須科目以外は自由となりますね」


 へぇ、自由登校ってのはいいな。


 朝弱いから、昼からゆっくり来てもいいのは助かる。


「で、時間割は後日渡しますということで、今日は解散にしてもいいんですけど」


 けど?


「なんかやりたくないです?」


「やりたいやりたい!!」 「なんか遊ぼうよ」

  「委員長とか決めないの?」 「とりあえず自己紹介でしょ」


 なかなか明るいクラスのようで、各々が顔を合わせていろいろ喋り出す。


 そして、そのクラスで自己紹介が始まる。

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